第7回 ふがいない僕は空を見た その2

 この作品の次の特徴は視点変更が頻繁に行われている事です。章が変わると視点も変わります。第1章「ミクマリ」では主人公の斎藤君視点でしたが、第2章「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」からは斎藤君のセフレのあんず視点になります。


 実は今、次の長編の作成に入ったのですが、初の視点切り替えにチャレンジしています。今までの私の作品はすべて一人称の主人公視点でした。視点切り替えって思ったより難しいですね。でもせっかく思いついた設定と世界観を最大限に生かすにはどうしても必要だと判断しました。


 あまり抽象的な話をしてもみなさんピンと来ないかもしれませんので、ちょっとだけネタばらししましょうかね。


 まあ、一見すると良くあるパターンの「男女入れ替わり物」です。例えばもはや古典的と言っても良い「転校生」とか、最近だと日曜ドラマ「天国と地獄」みたいな。


「なんだがっかり」なんて言わないでくださいね。今までにない斬新な入れ替わり物だってお約束しますから。



 話をレビューに戻します。ちょっとショックなのが女の人はイッたふりがこんなに上手なのでしょうかという事です。自分もちゃんと相手をイかせる事が出来てたのかなと今さらながら心配になります。


 あとは自分一人でする営みをどう表現するか。この小説では英語の正式名称がそのまま使われています。カタカナだと9文字。マ×ター×ー×ョン。


 他にも色々な表現があります。どれがセーフでどれがアウトかすごく知りたい。なぜなら私の強みだからです。セルフプレジャーなんてソフトだしオシャレですかね。それでいてけっこうそそるし。


(性の)絶頂は幸福の絶頂という意味なんだという深い表現もされています。


 主人公の斎藤君は、女の子のような声を出して果てるみたいです。これは一般的にはわざとだとか、演技だみたいに思われますが、私はそうではないと思います。私自身もけっこう思わず声が出てしまうタイプだからでしょうか。


 あんずの旦那さんはとても嫉妬深く、相手を束縛したがる人です。家中にたくさんの隠しカメラを仕掛けて、あんずと斎藤くんとのセックスをあらゆる角度から撮影しています。とてもゆがんだ愛情だと思います。


 あんずは抵抗するかのように、旦那さんに良く見えるように、わざと脚を大きく広げ、隣の人にも聞こえるように、大きな声を出すのです。


 あんず視点ならばどんなにキワドい表現が多いだろうと思いきや、この程度です。


 というのも、あんずは既婚ですからもちろん旦那との夜の生活があり、けっこう淡泊な人なためセックスシーンは全く萌えません。(好みだとは思います)それと不妊と嫁姑よめしゅうとめ問題にクローズアップされているからです。


◇◇◇◇◇◇



 読んでいただきありがとうございました。



 次の第8回も引き続き「ふがいない僕は空を見た」の秘密に迫ります。

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