第4回 インストール
「インストール」は、2001年に第38回文藝賞を受賞した綿矢りさのデビュー作です。高校生の朝子が小学生のかずよしに誘われて、コンピューター上のエロチャットでボロもうけを企てるというお話。女優の上戸彩主演で映画化されています。
上戸彩と言えば、少し前に大人気だったドラマ「半沢直樹」で直樹の奥さん役を務めていた事が記憶に新しいです。他にも多くの人気ドラマで主演やヒロイン役、重要な助演に抜擢されています。
特に、金八先生での性同一性障害の演技は鬼気迫るものがあり忘れられませんね。
どうでもいいですが、この作品の著者は本当にかわいいですね。
検索するといつも「綿矢りさ かわいい」という候補が一番上に出ます。いかに多くの人がそう思っているかを示していますね。
その分アンチも多くて、あちこちで「かわいいから受賞出来た」なんていう意見がちらほら。
私はそうは思いません。この人すごく文章上手いし、参考になる事が多いと思います。なによりも斬新な設定を思いつく発想力が素晴らしい。高校生と大人顔負けの性知識をもつ小学生の組合せなんて良く思いつきますよね。
まずは、とにかく過激な表現が多いです。
この小学生、かずよしは、「かなこ」と言うHNを、ネット上で女性のふりをして使っているのです。つまりネカマですね。
それから、女性が一人で行う営みの俗称が使われています。更に女性が一番感じる所の正式名称。カタカナ5文字のアレ。ク×ト×ス。
Hな言葉を書くと濡れてしまうなんていうキワドイ表現も。
Hな言葉を書くと感じてしまうというのはすごく共感しますね。みなさんはどうですか。私は小説でエッチな場面を書いていると、いつも感じてしまいます。我慢出来ずに始めてしまった事も数知れず。
エロチャットを通してリアルとバーチャルの違いを表現している点はすごく深い。AVなんかもバーチャルだから、やはりリアルと違っていて当たり前なのかもしれません。
人間が生きていくために食べた物が形を変えてしまったものを食べて性的興奮を得るという、カタカナ4文字のアレについても登場します。ス××ロです。なぜか小学生がこんな事を知っています。
ノーマルの娘のを飲むとか、この特殊性癖で感じるのに気づいたきっかけについてチャットしてます。かなりこだわってます。
きっと作者はこの特殊性癖になんらかの興味があるのではないでしょうか。フィクションとはいえ、そうでなければなかなか文章を書けませんので。
こういった過激な表現がある一方で、全体としては主人公と、かずよしの成長物語です。
小説で映画化等を狙うには、文章力も大事ですが、やはり柔軟な発想力が鍵になりそうです。現実にはあり得ないけれどもあったら面白い事をいかに想像し、かつ表現出来るか。これがかなり重要だという事を「インストール」から学びました。
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インストールまで読んでいただきありがとうございました。
もし、なる程と感じる所がありましたら、ぜひ★評価や♡評価とフォローをお願いします。
よろしければ、私の代表作「妻の代わりに僕が赤ちゃん産みますっっ!! ~妊娠中の妻と旦那の体が入れ替わってしまったら? 例え命を落としても、この人の子を産みたい」もお読みいただけると嬉しいです。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860596649713
次の第5回は少し小説から離れて「性表現についての判例」について考察します。お楽しみに。
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