第4話 住む許可がおりました

 ゴーグさんを怪我しないようにユックリと降ろした僕を見て、マイヤさんは


「是非、この村に住んで魔物討伐をお願いします。家はウチの隣のここで良いですか? 組合登録がまだ? それなら私の権限でチャチャッとしておきますから、今日は取り敢えずウチで歓迎パーティーをしましょう! 私と二人だけになりますけど、良いですか? 良いですよね!」


 と一息に喋りゴーグさんにご苦労様と言ってから僕の手を取って家に入った。


 何故か鼻息が荒いけど大丈夫かな?


 それから家の奥に案内されて座らされた僕。そして、簡単につまめる軽食とワイン? のような飲み物を持ってきたマイヤさんが僕の隣に座る。


 当たってますよ、マイヤさん。


 腕にフニフニした感触を感じてマイヤさんを見たら、上気した顔で潤んだ瞳をしてポツリと言った。


「凄い美少年。コーウンくんは何歳になるの。私は十八歳なんだけど……」


「ぼ、僕は十五歳です」


「そう、もう成人してるんだね。それに村出身ならもう体験済なのかな?」


 艶っぽい雰囲気でそう聞いてくるマイヤさん。僕はドキドキしながら、


「た、体験って、何をですか?」


 と聞いてみた。そしたら、益々顔を上気させて、瞳を更に潤ませてマイヤさんは言う。


「いやーん、初心少年来たわー。そんなに顔を赤くして、今からお姉さんと良い事しようねぇ」


 チロチロといやらしく舌を口から覗かせながらそう言ってくるマイヤさんに向かって僕はお経を唱えた。


「オンアロリキャソワカ」


 僕が唱えた瞬間に、


「ア、ア、ア、ア、アヒィーン! ヤダ、こんなの初めてーーっ!!」


 と体のある部分から体液を迸らせながらマイヤさんは逝ってしまった。気絶しながらもまだビクンビクン動いているけど……


 【技能】お経を試してみたくてやってしまった。こ、これはマズイ気がするけど、どうしよう。

 取り敢えず、ステータスを確認したらちゃんと5,000仏気消費していた。


 僕の魅力値はかなり高く、それに性力値も輪をかけて高い為に女性に対するフェロモンが出ている状態のようだ。家の外では指向性を持たせずにいたんだけど、【技能】觀調によれば指向性を持たす事も可能との事だったので、家に連れ込まれる少し前にマイヤさんに向けて指向性を持たせたらこうなりました。


 取り敢えず迸った体液を掃除して、マイヤさんをベッドに寝かせた。まだ、ビクンビクンしてるけど大丈夫かな?

 服は濡れたままだけど、脱がして体を拭くなんてハードルが高すぎるので、ごめんなさい。

 そして、そのまま軽食とワインを頂いて片付けもして、住んで良いと言われた隣の家に入って寝る事にした。


 うん、明日の事は明日考えようと思う。おやすみなさい。


 

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