第5話 レオの信者
次の日もロックとサイラスに会いに行く。
今日は訓練がない日で自主練の日だそうなので、朝から畑にいる二人の下へ。
今は畑の土の掘り起こしや、野菜の栽培をしてるところの雑草取りがメインらしいから、俺の土魔法で楽々作業をして見せて、驚愕もありながらも時間を作ることが出来た。
仕事をさぼらせるわけにはいかないからね、貧乏なのですから……。
今日は先ずは生活魔法ではなく、この世界の常識を覆すことから始めます。
そう「ステータス」を教えるのです。
これが出来れば、この先色々なことがやり易くなります。さてどんな反応を見せるでしょうか?
「
「し~~~
「はい、今日は心の準備が出来ていますから大丈夫です。」
今回はイメージとかないので、最初から筆談で行きます。
地面にステータスと書いて、これを発音するように言います。
するといきなり、目の前に自分にしか見えませんが、祝福の時に見るものが現れたのです。
「え! え~~~~~~~~~~」
「だめ~~~~~~ し~~~~~~~
「はい~~~ 申し訳ありません」
落ち着いたので今度は地面にステータスオープンと書きます。これを同じように発音するように言います。
今度は他の人にも見えるようになり、兄弟でお互いのステータスを見比べていました。
二人のステータスを見た時、今度は俺の方が口には出さなかったけど、
「え! え~~~~~~~」と心の中で叫んでいた。
HPに関しては当然年齢も上で、日頃訓練もしてるから俺より相当高いのも納得できたのですが、MPを見た時に俺は驚愕してしまった。
俺はまだ3歳、二人は18歳と15歳なのにMPの量があまりに違っていたから、驚きで声も出なかった。
二人のMPはロックもサイラスもほとんど変わらず、50位しかなかった。
それに引き換え俺は3歳にして1000を超えていた。確かに攻撃魔法を撃てるほどの魔力なら500位は無いと使い物にならない。
これは日頃から訓練することにより徐々に増えるのだろうし、祝福の時に属性魔法が与えられればその分も増えるのだろう。
貴族の場合遺伝的に生まれた時からMPが多いのではないだろうか?
だからこそ知識さえ増えれば、属性魔法が発動できるのでMPも増えるのだろう。
ただ毎回枯渇するまで使わないだろうし、戦争でもなければ訓練でもそれほど使わないので、増える量もたかが知れているのかも知れない。
これから考えるとやはり普通の人は生活魔法も属性魔法も使わないから、訓練で身体強化を使わない限り魔力は少ないのだと理解出来た。
身体強化でも殆ど魔力は消費しないので、増える量も微々たるもの。この先2人に指導していけば、この世界では超人と言える人間が出来上がってしまうかも?
俺も何とか落ち着いたので、二人に身体強化は使えるかと聞くことにした。
答えは使えない、使いかたが解らないと言うものだった。
ここまで教えてきて、今の俺では言葉が上手く発音できないので、俺がちゃんと話せるようになるまでは筆談で行くと言い、早速身体強化について説明することにした。
魔力の循環、集約、身体強化のイメージを筆談で説明、苦労したが一日が終わるころには、何とか二人とも時間は掛かるが発動できるようになった。
後は練習あるのみ、農作業中も身体強化を使わせて、魔力増幅と同様に毎日鍛錬するように教えた。
次は俺も実際やったように、ステータスが出せるようになっているので、魔力の使用量を生活魔法と身体強化で確認させて生活魔法でどれぐらい使い、身体強化ではほとんど使わないと言うことを確認させた。
この頃には二人の目がおかしくなっていた。俺を見る目がもうどこかの教祖を崇拝するような目になっていて、それはもう従順と言うか、何一つ俺の事を疑うことはしないという状態にまでなっていた。
ちょっと怖いけど、秘密とこれからの計画を考えると、これでいいのかも?
ここまではMPに関してだけど、本来はこの世界にはレベルも存在する。
基本訓練などをすれば多少はレベルも上がるが、一番効率がいいのが魔物を倒すことによるレベルアップ。
良くある最弱の魔物、スライムを1匹倒したぐらいではレベルは上がらない、それでも子供の頃からコツコツ遊びがてらやっていれば多少は上がる。
逆に言えば都市のようなところに住んでいる子供は、そういう機会も少ないので、レベルが低い人が多い。
このレベルで上がるのは主にHPの方で、MPに関してはそれほど上がらない。
攻撃魔法で魔物を倒すような人ならMPも上がるだろうが、それはレベルアップの恩恵ではなく、多くは魔力を使うからだ。
だから従士であるロックとサイラスは訓練と魔物を倒したことにより、HPは普通の人より高い。
それでも冒険者のように魔物を倒すのが職業の人に比べれば低い。
冒険者になるような人は基本田舎の出身の人が多い。何故なら子供の頃からスライムとかを倒しているし、祝福によって属性魔法を手に入れた人などがなることが多いからだ。
冒険者は先輩に教授してもらうか、お金が稼げてから勉強する人が多いので、使える属性が限られている人が多いのも特徴。
それに引き換え貴族は、元々魔力量が多い事と、勉強することも出来るので、使える属性が多い。
俺のように生まれてすぐから魔力量を増やす訓練をし、知識による属性チートをしてる人間は、神様には会っていないけどチート持ちだと言うことは確定した。
前世の記憶持ちという段階でチートですけどね……。
ロックとサイラスもこのまま続けて行けば、それなりの強者になるだろう。
俺としては将来どういう風に人生が転んでもいいように、味方を鍛えて、このカラド領だけでも生き残れるようにしたい。
今はこの二人だけを鍛えているが、本当は爺様も父も女性陣も、先行きは村人にもこの恩恵を教えて行こうと思っている。
それには先ず、この世界でうちの領が一歩も二歩も進んでおく必要がある。そうしないと大きな力で飲み込まれてお終いになる。
俺の研究も、ここ最近の情報で魔法的なスキル以外もあるということが判明して 、より一層研究に力が入るようになっていた。
木工スキルや鍛冶スキル、料理スキルのように生産系のスキルには魔法の要素がないものがあり、実際に祝福でも与えられるし、修行でも得られている。
これを知ってから俺は、がぜん鑑定のスキルが欲しくなり、祝福で得られなくても何とかなるのではという思いが強くなり、今は植物、食物を村人に教えてもらったりと兎に角知識を増やしていっている。
それ以外にも人の観察もやってる、特に指導してる二人はステータスも見る事が出来るので、こういう人ならこのぐらいの数値だろうとか予測したりする。
何がどう影響するか解らないので、本当に何でも興味をもって知る事にしている。
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