第4話 可愛い妹の誕生 そして

きゃわえかわいい~~~~」

 生まれましたよ。可愛い可愛い妹が、祖父母が俺を溺愛してたのがよわい3歳で理解できてしまった。


 名前は「エリザべス・フォン・ガラド」


 この可愛い妹の為にお兄ちゃんは頑張るよ。この子に貧乏何て味合わせるものか。少し早いけど計画を前倒しして貧乏脱却計画を始めることにしましょう。


 それにはやはり協力者がいるんだよね。俺はまだ3歳だから何をするにも1人では出来ない。


 さて協力者を誰にするか?


 普通なら家族に前世の事をカミングアウトして、協力を仰ぐというのが良いのだろうが、如何せんこの世界の常識が間違い過ぎているので、爺様や父では理解できないかも知れない。


 ここはやはり頭が柔軟な若い方がいいが、それでも村人ではあまりにも学がなさ過ぎて話にならない。


 そこで俺が協力者に選んだのは、従士のロックとサイラス、ロックは18歳、サイラスは15歳、訓練以外は農業をしているので比較的時間の都合もつくからだ。


 こうなれば善は急げ、祖父母の関心が妹ちゃんに行ってる隙に行動あるのみ。


 3歳になってからは、村の中なら一人でも行動して良いことになっている。当然村の子供たちとの交流を持たせるためだけどね。


 そのお陰で同年代や少し年上の友達も出来たのだが、如何せん一応領主の子供だし、俺自身も知識があるので、完璧に子供にはなり切れずそこまで仲が良いほどの友達は出来ていない。


 いずれは従士も増やさないといけないし、俺の部下も必要になるだろうが、今は教育にまわせる余裕もないので、後回しにしている。


 今は妹ちゃん優先、貧乏脱却が最優先事項「ふんす!」気合十分、やるよ~~


 この時間なら畑にいるであろうロック達に会いに、村を駈けて行くシスコン、レオ。


ロッキュロック~~~ サイラシュサイラス~~~」


 畑で丁度休憩していた、ロック達を見つけて声を掛けた。


「レオ様どうしたんです? こんなところに1人で」


ロッキュロックサイラシュサイラスにおはなしがあってきたの」


「レオ様、俺たちは仕事中ですから遊べませんよ」


 ロックから当然の返事が返って来た。サイラスも頷いている。


ちが~よちがうよ、あそびじゃないでしゅ」


ロックキュロックサイラシュサイラスひみちゅヒミツをまもれまちゅかますか?」


「え?」


 3歳の子供から秘密を守れるかと聞かれ思わず変な言葉が出てしまった。


 それでも一応カラド家の従士ですから、それなりの教育は受けていますので、主人の子供に聞かれればちゃんと返事をします。


「勿論、悪い事ではないのでしたら、秘密は守りますよ」


「ほんとうにほんとうれしゅかですか?」


「はい、お約束します」


 よし!言質げんちはとった後はどう話すかだ、ここは計画通り二人に俺を認めてもらわないといけないから、手っ取り早い方法は魔法を披露する事。


 この世界にない魔法を……。


いまかきゃらぼきゅがしゅることを今から僕がすることをひみちゅにしゅて、ひみつにして、できうできる?」


「はい、絶対に秘密にします」


 再度確認が取れたので、実行することにした。


いまかりゃびっくりしゅることしましゅ今からびっくりすることをしますこえをだしゃないでね声を出さないでね


ロッキュロック いきゅよいくよ キュリーンクリーン


 本当は無詠唱で発動できるから、言葉がクリーンに聞こえなくても発動する。


 二人が同時に「え! え~~~~~」


「し~~~~~~ だめ~~~~ し~~~」


 唇に指を当て、ロックとサイラスに示す。


こえだしゃないで声出さないでいいましゅたよ言いましたよ


「すみません、あまりにびっくりしたものですから」


「ところでこれは魔法ですか?」


「はいでしゅです


 農作業で汚れていたのもあるが、この世界では異世界によくある、服は別にしても体は水やお湯で拭くぐらいしかないので、クリーンの魔法で服も体も綺麗になるなんて考えられないことだった。


ほきゃにもありゅでしゅよ他にもありますよだいじょびゅでしゅか大丈夫ですか


 他にもある? ロックとサイラスは顔を向け合い、お互いに頷き、ごくりと息をのみ、レオに返事をした。


「解りました、大丈夫です。 それでレオ様は僕達に何をして欲しいのですか?」


いりょいりょいろいろおてちゅだいをしゅてほしゅいでしゅお手伝いして欲しいです


そにょきゃわりそのかわりきょのみゃほうをおしゅえるでしゅよ今日の魔法を教えますよ


 二人は考えることもなく


「本当に教えていただけるのですか? それなら何でもお手伝いいたしますし、秘密は守ります」


そうれしゅかそうですか。でも、きょのみゃほうはおびょえても今日の魔法を覚えてもとうびゅんちゅかわないでくだしゃい当分使わないでください


「なぜです?」


きゅれいになったりゃ奇麗になったらすぎゅばれましゅ直ぐバレます


「あ~~~ そうですね」


もうしゅこしまってくだしゃいもう少し待ってくださいできりゅできる


「はい、秘密を守るお約束ですからね」


 そこからは、つたない言葉に苦労しながらも二人に生活魔法のやり方を伝授していった。


 魔法はイメージだと言うことが理解出来れば、二人の魔力量でも生活魔法は発動できる。


 初めは簡単にイメージしやすい、水を出すウォーターから教えた。


 先ずは俺がやって見せてこれをイメージしろと教える。


 現物が目の前にあるのだから、これ程わかり易いものはないので、これは比較的直ぐにできた。


 次はどうしようかと思ったが、ここは試しと思いライト、光を認識させてみよう。


 これが理解出来れば、魔力増幅の為の魔力使い切りも家の中で出来るようになるので練習させることにした。


リャイトライト


「え~~~~ これは何ですか? 明るいのに火じゃない」


こえはひきゃりですこれは光です


 ここまでくるとつたない言葉では説明できないので、地面に文字で書いて説明しました。


 文字なら二人に正確に言葉が伝わりますし、この世界の文字は簡単でした、日本語で言えばひらがななんです。


 文字数が増えますが、覚えるのは簡単、日本語のように同音異義語もありますが、同音でも意味が違う言葉には単語の前に特別な記号がつくのでそれで意味の違いが分かるようになっています。


 話す時は文章の前後から推測できますからね。


 光とはどういうものか?


 これを説明するのに大変でしたが、最終的には現物を見せ、触らせて、熱くない明かりだと認識させて、無理やり覚えさせました。


 本当の意味では理解できていないと思うから、光魔法としては使えないでしょうが生活魔法なら他の人も出来るようになるんではないかと、今回のことでそう思うことが出来た。


 ここまででそうとう時間が掛かったので、クリーンの魔法は次回にすると言うことで納得させ、魔力枯渇による増幅方法を伝授。


 寝る前に毎日、水はまずいからライトの魔法を見つからないように使い倒して、寝るように言った。


 魔法を教えるのは今の俺ではかなり苦労する。言葉がまともに話せないから、説明に時間が掛かり過ぎる。


 それでもやらなければ。妹ちゃんの為に……。



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