第200話 For keeps(20)

それでも



「ご、ごめん・・」


抱き合った後に彼女を抱きしめたままそう言った。


「え・・」



もう夢心地で、舞い上がってしまって



前の彼女にHのダメ出しをされたことを思い出してしまった。



「なんか。 あがっちゃって・・」



恥ずかしそうに言う彼に怜子はクスっと笑って



「・・ううん。 こんなに、優しく愛してもらったのは・・初めてです、」



小さな声でそう言った。



「・・ほんと??」



思わずびっくりして起き上がってしまった。



怜子はにっこり笑って頷いた。





もう



なんってカワイイんだっ!!



『萌え』のツボをぎゅ~~~っと掴まれた泉川は



また怜子を抱きしめた。



「もう・・ほんっと。 離さないから。 ぜったい、」



オーバーでなく



本当に泣けた。






「なに一人でニヤついてんの?」



南は泉川に気味悪がってそう言った。



「え?」



と聞き返す顔がもう緩んでいる。



「気持ち悪っ! なに???」



「ま~~~。 やっぱさ。 気持ちが充実してると・・顔に出ちゃうよね。」



彼は夢を見る乙女のような顔をしてそう言った。



「はあ?」



南は顔をしかめた。




「えっ! マジ? ホンマに???  レイコ先生が受け入れてくれたの???」



南は驚いて大きな声を出してしまった。



「まあねえ。 なんっか・・急にうまくいっちゃったってゆーか。 や、ちょっと彼女の感じがいつもと違うかなあとか思ってたんだけど。 は~~、ほんっと幸せだ、」



顔面がとろけてゆくのではないか、と思うほどの崩れようだった。


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