第8話 水晶の煉獄

「・・き・・きさま! お前は何をしている魔法使い!」

アーシュ、アーシュランは痛みに歯ぎしりをして 叫ぶように言う


「貴方の命、魔力 全てを頂き 奪うと言いましたよ・・ 

火焔の王、火竜王(サラマンデイア)」


ガリっと 音がして床から光が走り無数の水晶の尖った鋭い先が 下から次々とアーシュの身体を貫く!


「うおおっ!」「うう・・うあああ」身体を貫かれた 激しい痛み 激痛 

幾度か悲鳴をアーシュが上げた


「ぐっ・・」深紅、焔色の赤い瞳を見開くアーシュ、アーシュラン

ゆっくりとアーシュの口元から血が滴り落ちる


アーシュが 気が付くと、魔法使いはまた小さな声で魔法の呪文を唱えていた


「・・これで魔法は完成ですよ ふふっ 貴方を殺す・・残酷な方法で殺しますから 

そう、じわじわと長い時間をかけて とても長い

私は・・再び新しい身体を・・新しい絶大な焔の力を手にいれる!」


真っ白な大きな光が アーシュと魔法使いの身体、

二人を包み 光が消えた途端 そうやって、二人は消えたのだった・・


それから、間もなく、しばらく後・・声・・「さ・・様!」「アーシュ様ああ」


巨人族の王の部屋に

自分の王で 黒の王、火焔、火竜王アーシュ

そのアーシュランの為の女騎士、姫将軍であり、大貴族の娘、水の女王の異名を持つ姫

第二王妃アルテイシアが部屋に階段を駆け上がっておいかけてきた


「アーシュ様!」アルテイシアが呼ぶ

アーシュ同様の長い耳をした美女 長い艶やかな黒髪が乱れ、肩を上下に動かしながら

 

荒い息とアーシュランと同じく 敵の返り血と敵から受けた攻撃で傷つき

血まみれの鎧姿 戦女神のような

アーシュ 彼の騎士で妻の一人 アルテイシアが部屋に転がりこんできた

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