第5話魏志成

俺は半径50キロ以内の人間を利用し魏志成までたどり着いた。


「ここが魏志成か....」


ーーーーーーー1年後ーーーーーーー


魏志成ここは日本一治安が悪いここに住んでる人間は元犯罪者で働き口がない奴、底辺の家族に見放されたような奴、体を売って働くことしかできない奴、借金まみれのの奴、家庭に事情があり家出してる奴、犯罪を犯して逃げ回ってる俺のような奴そんな奴しかいない地獄のような都市だ。


俺は警察から逃げるため、ここで一年身を隠した。酷い街だと有名であったが、思ったより酷くなかった。コンビニ・スーパーも普通にあり働き口もあり、住む場所にだって困らなかった。


面倒といえばこの街には派閥がある。暴力でこの街を仕切ろうとするルキア組、学校でよくいるクラスを仕切るヤンキー集団だ。もう一つは強姦と暴力を見境なくする頭がおかしい集団イワナガ組。噂によればものすごい数の女を監禁し性奴隷にしているらしい。


俺はルキア組に所属している。


所属してると言っても、ルキア組リーダー中口屡氣亜に毎日挨拶と組の活動費という名のカツアゲを月2万強制されるだけだ。


(正直良心的な価格だと思う。)


ボロボロの家が並ぶ一般市民街、タワーマンションが立ち並ぶルキア組上部メンバーだけが住める富豪街、空にはイワナガ組の巨大な空中船が飛んでいる。


もちろん俺は一般市民街に住んでいる。まず平日は朝7時半に起きて8時に家を出る9時から穴掘りの仕事を5時までやって家に帰る後は自由だ。休日はずっと寝るかここでできた友人と遊ぶそんな生活をしている。


今日も憂鬱な月曜日が始まる。俺は仕事に行く準備を済ませ家を出た。


メンディ「よぉ~!」


メンディはこの町でできた数少ない友達の一人で身長は俺と同じくらいの160cm、見た目は茶髪のイマドキの中性的な20歳の若者だ。


普段はいい奴なんだが、幼い頃から父親に虐待されそれが引き金となりDV癖が発症。過去の恋人に暴行を繰り返し最終的には絞殺してしまったらしい。それが原因でここまで逃げてきたとの事だ。


「おはよう」


俺はメンディと歩いて会社に行く、会社までの道中で会う女共がメンディに声をかける


「メンディおっはよ~。今度いつ遊んでくれんのさぁ!」


「バカメンディ~いつ私の家遊びにくるねん!!」


「メンディさん!おはようございます!」


(メンディがモテるのはわかるが本当にムカつくこういうのがストレスに繋がるんだ。コイツラには俺が見えてないのか?)


バシッ、俺はいきなり頭を叩かれた


「そんな暗い顔して歩くなよ~暗い顔見てたら岬も悲しくなるから。ほらほら笑ってたかしの好きな岬様だぞ~」


頭を叩いてきた犯人は岬だったこの街で唯一俺を気にかけて話しかけてくれる女だ


ショートカットでいつも明るく誰にでもやさしい18歳の少女だ。


「痛いじゃないですか」


なぜだか俺は女と話す時敬語になり一人称も僕に変わる。


彼女みたいな明るい子がなぜこんな街で暮らしているのか俺は不思議でならなかった。


「仕事ズル休みしてゲーセンに遊びに行こうよ」


「だめですよ!今から仕事だし」


あぁ、この子と遊びに行きたい...だが仕事をサボるなんてとてもできない屡氣亜に殺されてしまう


「おいおい、何してんだ行くぞ!」


メンディが俺の肩を掴んで邪魔をする。


「お二人さん労働ファイトです!!」


岬が戯けて言った。



仕事が終わった俺はメンディと下ろしポン酢とご飯に行く。


おろしポン酢こいつもこの町でできた友達の一人顔はイケメンスタイルは抜群性格はマメで気が利くこの世のモテ要素をすべて詰め込んだような男だ。未成年の少女を誘拐し売春をさせ稼いだことがバレてここに来たらしい。


「はぁ~、いつまでこんな生活が続くのやら俺も早く成り上がって富豪街に住みてぇよ」


メンディのいつもの口癖だ


「わかる。ここでの生活にはうんざりだ」


俺は二人に少しムカついた


「二人は彼女もセフレもいるし充実してるだろ。俺なんて誰も相手にしてくれないぞ」


「お前は優しいからできると思うんだけどな」


「僕が女なら付き合いたいと思うよ」


二人が慰めてくれる


「あ、お前には岬が居るんじゃねーか。あいつは絶対お前に気があるよ。なんであんな可愛い子がお前のこと好いてるんだか」


(おい!メンディ本音が漏れてるぞ)


「俺にはあんな可愛い子無理だよ。それに岬は誰にだって優しい」


ご飯を食べ終わった後俺は家に帰って寝る準備をしていた。この街に来てからヒューマンテレポーターを使った女遊びはやめていた。



朝起きて仕事の準備をしながらニュースを見ていた


昨夜、午後11時河川敷に女性の遺体が発見されました。遺体は四肢が切断され目がくり抜かれ子宮抜き取られていたとのことです。体には酷い暴行が加えられたあとが残っています。死因は不明です。以前から連続して続いてる猟奇殺人 と思われます」



ここに来てからずっとそうだ。酷い殺人が連続してる犯人は言うまでもなくイワナガ組の連中だ。だがこの町では警察機能していない上犯罪に加担する警官までいる。


「被害者の女性の特徴は年齢18~20歳身長155前後痩せ型髪はボブカットと思われます」


(岬と特徴が一致だ...まさかな)


気づいた時には家を飛び出して岬がいつもいる場所に走っていた。

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