第3話


ううう。やっぱり気になる。

なんでこんなに虎の声がするの??

だってだって、ここは野生の虎が出るような場所じゃないよ?

私はよくわかんないけど、ここは「ほっかいどー」って言う場所なんだって。

たぶん虎がいるようなところじゃないんでしょ?

ちょっとだけ、ちょっとだけ見に行こうかな……。



山に来てしまった。

「お役目」の方の準備はしてあるから問題ないんだけど、来ても大丈夫だったのかな……。


山の奥に近づくにつれて、不気味な気配が増していく。

よくわからないけれど、ネズミが多い。


木々が揺れているのは風のせいではない。

私も精霊であるからわかる。

この先には誰かがいる。

でも、その人が何をしているのかはわからない。


なんとなく嫌な予感だ。

私はそれを察して山を出ることにした。


山の空気は毒々しさを増していた。

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