第16話:ギルドマスター

「話は聞かせてもらった!」

バーンっとドアを開けておじさんが入ってきたんだよ。

流れ的に多分ギルドマスターだね?

「今度、冒険者ギルドのアルストロメリア総本部で行われる会議に出なきゃならんのだが、それに連れていこう」

もしかしなくても、それって王都でやるんだよね?

「そりゃあ、王国中のギルドの本部があるのが王都だからな」

ありがたいお話なんだけど、王都には行けないんだよ・・・

「訳アリなのか?奥の部屋で聞こう」


そして小部屋に連行なんだよ・・・

「なぜ、王都がダメなんだ?」

ギルドマスターにギルドカードを渡す。

石板にギルドカードを乗せると私のステータスが表示される。

「侯爵家の令嬢?」

を首になったんだよ。で、王都には元婚約者のアストリア様が居るし、

途中にあるダージリン領には私は入れないんだよ。

「ダージリン領を迂回して王都に行くのは遠回りになるな・・・」

アストリア様には偶然出会うことは無いと思うけど・・・

「王家とギルドはつながりが無いから大丈夫だとは思うが・・・」

そんなわけで、なるべく王都には近づきたくないんだよ。

「ダージリン領を通過するだけでも1日かかる。ごまかすのは難しい」

ウバ領から、キーモン領経由で王都に行くしかないんだけど・・・

「遠回りだな、2日余計にかかる」


そんなわけで、私は地道にのんびり迷宮都市に行くことにするんだよ。

「いや、のんびりされても困るんだが・・・」

なぜ故に?

「お前さんの使い魔はランクBの魔物を1撃で倒せる。つまりはランクA以上の魔物ってことだ」

そう言うことになるのかな?

「おそらくだが『ランクS』つまりは災害指定の魔物に分類されると思う」

討伐対象とかになっちゃう感じ?

それは困るんだよ。ノアールが居ないと私は何も出来ないんだよ。

「まあ、倒せる冒険者が居ないとは思うが・・・それ以前に戦いたくない。勝ち目の無い戦だ」

でも、ノアールは強いけど、ランクS認定されるほどじゃ無いはずなんだよ。レベルも15だし。

「それは最初に登録した時だろ?それから色々討伐したんじゃないか?」

でも、オークとかゴブリンなんだよ?それでカエルさんが倒せるほどレベルが上がるの?

「その時点で何かがおかしい。もう一度確認してみよう」


名前:アンリマユ(ノアール)

年齢:不明

種族:不明(当ギルドに該当無し)

レベル:3

HP:300

MP:300

ちから:30

すばやさ:30

かしこさ:30

きようさ:30


状態

テイム


スキル

浄化:10

分解:10

吸収:10


レアスキル

鉄壁:10

保管:10

深淵魔法:10


ユニークスキル

次元回廊


その他

リーゼロッテの使い魔。


「なんでレベルが下がってるんだよ!」

し、知らないんだよ・・・私は何もやってないんだよ・・・

「いや、別に嬢ちゃんが何かやったとは思ってないし、こんなことが出来るとも思っていない」

そう言えば、強いと目立つから弱く見えるようにお願いしたんだよ・・・

「そ・れ・だ!」

色は変えられないって言う感じだったけど、ステータスを誤魔化せるとは思わなかったんだよ・・・

「な、やっぱり調べてもらおう?王都怖いとか言ってる場合じゃ無いだろ?」

確かに、ノアールが想像以上に凄すぎて、ちょっと今後が不安になってきたんだよ。


「ダージリン領に入れないのはどうしようもないのか?」

なんせ、不吉の象徴だからね。石を投げられるくらいで済めばいいんだよ。

剣で切り付けられたり、魔法を放たれるかも知れないんだよ。

「そこまでなのか?」

多分、ゴブリンよりも下の扱いじゃないかな?

まあ、別な意味ではドラゴンにも匹敵する扱いだと思うんだよ・・・

一緒にいるギルドマスターさんにも迷惑をかけると思うんだよ。

「とばっちりで俺まで攻撃されるかも知れないってことか?」

その通りなんだよ。


それだけじゃないんだよ。ダージリンでは黒は神聖な色なんだよ。

ノアールが攫われる可能性も高いんだよ。

「それはそれで不安しか感じないな・・・」

そんなわけで、ダージリン領は危険なんだよ。

「よし、遠回りしよう!」

どうやら王都に行くのは決定事項みたいなんだよ・・・

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