第15話:カエルさんはすごかった
川沿いに歩いて、どうにか街道まで辿り着いたんだよ。
ここに来る道中でも、薬草を見つけたら地図に印をつけておいた。
実際に採取するのは次回以降にするんだよ。
全部採っちゃうと次が無いからね。何箇所かを順番に採取するようにしないとね。
本当は薬草畑が作れればいいんだけど、それには広い土地が必要なんだよ。
それに、薬草の世話をするのだって大変なんだと思うんだよ・・・
前の世界ではとりあえず植えとけばみんなが勝手に祝福だとか加護なんかを与えてたけど・・・
まあ、無い物ねだりをしてもしょうがないんだよ。
川沿いには結構あちこちに薬草が生えてるのが確認できただけでも収穫としておかないと。
街道を歩いてトールの街に到着。もう夕方なんだよ。結構遠かったね・・・
「嬢ちゃん、今日は遅かったな?」
ちょっと頑張っちゃったんだよ。
門番さんが心配して声をかけてくれたんだよ。
「もうじき門を閉める時間だからな。もう少し早く帰るように心がけるんだ」
今日は初めての場所だったからね、ちょっと時間がかかっちゃったんだよ。
地図にメモしたから次からはもっと早く帰れると思うんだよ。
お昼食べてすぐに帰り始めたのに、寄り道しすぎたかな?
薬草の採取場所をたくさん見つけたってのもあるけど、
ゴブリンにも3回遭遇したからね。しかも合計で5匹なんだよ。
それだけで1日の生活費以上の収入なんだよ!
他にも色々な薬草とかを採取したからね、今日は期待出来るんだよ!
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」
カウンターのガーネットさんの窓口に並ぶ。
「あら、リーゼちゃん今日は遅かったわね」
ちょっと遠くまで採取に行ったんだよ。
薬草以外の素材も見つけたんだけど、買取出来るものがあるか確認して欲しいんだよ!
「何を見つけてきたの?」
毒消しそうとか、癒し草とか、他にも色々なんだよ。
背負ってたリュックをカウンターに乗せる。
「ちょっと見せてね・・・」
ガーネットさんがリュックの中身を確認する。
「薬草が結構あるわね、確かに毒消しそうと、癒し草と・・・爽やか草もあるの!?」
これは魔力草で、こっちはマヒ消し草なんだよ。魔除け草もあったはずなんだけど・・・
「なんだかわからない草も混じってるわね、鑑定する?」
わからないのはこの2種類だね。鑑定っていくらかかるの?
「1つ銀貨2枚なのよ・・・」
うーん、今の私には結構お高い感じなんだよ。
「ちなみに、宝箱から出た装備品とかはもっと高いのよ?」
なるほど。
あ、そうそう。ゴブリンも討伐したんだよ。
「また丸ごとノアちゃんが持ってるの?」
そうなんだよ。
「それは裏口ね」
ノアールと一緒に裏口に移動。
「今日は何を持ってきた?」
ゴブリンとカエルさんなんだよ。
「カエル?ジャイアントトードか?」
さあ?大きなカエルさんなんだよ。
ノアール、お願いなんだよ。ゴブリンとカエルさんを出して。
でろん
「うん、ゴブリン5匹と・・・なんじゃあこりゃ!?」
解体係の人が腰を抜かしたんだよ・・・
近くの森の小川のところに居たんだよ。
「ってことは、ギガントフロッグかよ・・・ランクBの魔物じゃねぇか・・・」
うわぁ、やっぱりすごい魔物だったんだよ・・・
「これ、どうやって倒したの?」
ガーネットさんが不思議そうに眺めてるんだよ。
「そうだな、頭に穴が開いてるが・・・」
ああ、ノアールが食べられちゃって、そこから出てきたんだよ。
黒い光の柱が刺さってたけど、何をどうやったのかはわからないんだよ。
「これだと、毒袋はダメかも知れんな・・・」
もしかしてお口のところにあったのかな?まあ、仕方ないんだよ。
ノアールが食べられちゃうのは困るからね。出てこられてよかったんだよ。
「それにしても、ランクBの魔物も1撃かよ・・・恐ろしいな」
ノアールはこんなにカワイイんだよ?
「でも、この魔物って地図に描いてあったやつよね?そこまで行ったの?」
なんかカエルさんのマークが地図にあったね。
この前見つけた薬草の採取場所から適当に水の音がする方へ歩いたから、
地図のカエルさんマークのところと同じかわからないけど・・・
そこで色々な素材が採取し放題だったんだよ。
「あれは危ないからここには行っちゃダメって印だったのよ?」
そうなの?
だから素材がたくさんあったんだね?
「強すぎて、この街の冒険者じゃ誰も倒せないから塩漬けの依頼だったのよ・・・」
そんなにすごいヤツだったの!?
「それを倒しちまうようなヤツが暴れ出したら、この街の冒険者じゃ誰も止められないってことだ」
ノアールはいい子だから大丈夫なんだよ。
「嬢ちゃんがテイムしている間は大丈夫だが、嬢ちゃんやスライムが攫われたりしたら暴れるかも知れないだろ?」
なるほど、それは考えたこともなかったんだよ・・・
「しかも正体不明なんだろ?」
そういうのを気にする人もいるってこと?
「そういうことだ。一回どこかで調べてもらった方がいいと思うぜ?」
でも、どこに行けばいいのかな?ここのギルドじゃダメだったんだよ。
「王都か、迷宮都市か、魔導王国辺りだろうな・・・」
やっぱり?
でも、そこまで行くお金が無いんだよ。
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