第6話 部活動見学

 『キーンコーンカーンコーン』


 始業式ということもあって、12時には下校のチャイムが鳴った。

 同時に腹もなるころだが、俺たちは家に帰ることができない。

 なぜなら、今日は新しく入ってきた1年生のための部活動見学があるからだ。

 この高校では生徒全員がなんらかの部活に入らないといけないという決まりがあるため、一応俺もとある部活に所属している。


 「久しぶりに来るな」


 俺はポケットから鍵を取り出し扉を開ける。

 場所は校舎の一番端にあるため、ほとんどの生徒は倉庫だと思っているかもしれないが、扉の上の壁にはきちんと『オカルト部』と書いてある。

 あ、勘違いするやつがいるから一応言っておくが、俺はオカルトに興味なんかない。

 じゃあ何でこんなマイナーな部活に入ったのか。

 実はこの部活の部員はたった二人で、副部長の俺と今年3年生の部長だけで構成されている。

 それに部長は不登校気味だから実質俺一人。

 つまり、部活はないも同然なのだ。


 「畳ってのはやっぱ落ち着くなー」


 部室の広さは教室の半分くらいで、床には畳が敷き詰められている。机は丸テーブルで椅子は座布団だが、冷蔵庫やクーラーまでもついている。

 学校に残ってテスト勉強をするときくらいしか使わなかったが、今思うともったいない。

 俺は畳に寝転びながら揚羽のことを考える。

 間違ってもあいつがここに来るなんてことは……ないな。っていうかオカルトに興味あるやつなんていないだろ。ワンチャンって思って来たけどやっぱり帰るか。

 そう思って体を起こしたその時だった。


 「す、すいません!助けてください!」


 金髪の美少女が扉を開いて入って来る。

 一瞬揚羽と思ったが、彼女は揚羽ではなかった。

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