第205話
賑やかな音声の向こう側に、シャラ…シャラ…と涼し気な音がかすかに聴こえる。
――いいなあ、ほしいなあ。たまもパパ、早くほしいな。ねえっ、ママ、おかーさん、たま、パパ欲しい。パパ欲しい――
「……あ、あの子は……。そうか、そうだねえ、あんたにはパパを手に入れる権利があるさ」
テレビの向こう側で、硝子飾りが虹色の光をキラキラと落としているのを見ながら、アタシはテレビを消した。画面が真っ暗になって光を閉じ込めた。
(終)
えりぼむ 和來 花果(かずき かのか) @Akizuki-Ichika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます