第148話

 「……付け火。放火だよ」


 ハアっと強く息を吐くと、唇を歪めて話し出した。


 「犯人はね、地主の息子。亡くなった女の子は、ちょっと、ね……。今でいう知的障害っていうのかな。ちょっとぽうっとした子だったらしいね。可愛い子だったから、地主の息子が、まだ子供だったその子を親から引き離してボロ屋に住まわせて、好き放題していたみたいよ。そうこうしているうち、結局お腹に赤ちゃんが出来たってことらしい」


 「結婚する気はなかった……?」


 「そう。地主の息子は『女は頭が弱いのに限る。贅沢なんかしないし、食べさせてやるだけでいいから、お金もかからない』っていうのが口癖だったらしいよ」


 「だからってなぜ放火なんか」

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