第24話
「うん。俺は誰も見なかった。まあ、普通やましいところがある奴は、コンビニには近寄らないよな。防犯カメラがあるし。あ、そうだ、防犯カメラ。外も映しているだろうから、見せてもらえないかな? 逃げ出す前の犯人、映っているかも」
「でも……、もう上書きされちゃっているんじゃない?」
「いや、たぶん、消されていないと思う。南由は知らない? あの数日後、ちょっとした事件があったんだよ。警察の捜査も入ったらしいから、もしかしたらカメラの映像は押収されたかもしれないけど、いずれコンビニに戻されるんじゃないかな」
紘くんは「コンビニ、防犯カメラの映像をチェックすること」と書く。
「どんな事件だったの?」
「ボールが人にぶつかったんだ。そのボールはコンビニで売っていたらしいんだけど、柔らかいゴムで出来た、小さな子供が使うような黄色いボール。大きさはこの位」と言って、両手で子供の頭位の丸を作ってみせてくれた
「それが、コンビニに駐車している車から降りてきた人に、投げつけられたんだ」
「そうなの? 怖いね。それで犯人は見つかったの?」
「いや。結局、店内で売られていたボールが、何かの拍子に転がり出たんだろう、と結論づけられたんだけど、ボールがあたった人は衝撃で倒れて、コンクリートの車止めに頭をぶつけて救急車で運ばれたんだ」
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