練習問題②
破局が訪れたその日も俺は調達にまわす発注大丈夫かと隣の面の課長に督促するがそれというのも遅れが常態となっておりその状況を理解している課長はうろたえておりいやあ図面の検図に手間取っておりましてしかしそれは私のせいではなくてですねと言い訳もそこそこに私はいそいそと辺をまたいで自席に戻りこの図面にはいろいろと問題があって読み解くのに時間がかかると作図した部下に苦情を言うわけですがそんな文句を言われても僕は要求仕様に基づいて必要な記載をしているだけであってと言えばそんなことは君の事故満足に過ぎないと課長が言い返す言葉にさらにむっとしてそれはあなたが理解できないだけでしょうとつい声を荒らげてしまったために課長の面に呼び出され説教を喰らい苛立ちのあまり反論するとそのやりとりは対面で受付をしている彼女にも筒抜けでまたぞろはじまった口論にうんざりしてぶっちゃけあれって喧嘩ですよね大声での言い争いって自分に関係なくでも嫌ですよねって顔であたしがさりげなく目をやると部長もきまずそうにあのふたりいつもこうなんだ流石に裏側の君の面まで聞こえるってのはまずいよねもうすぐ社長の方針発表も始まるし注意しておこうと俺が立ち上がった途端に自己満足っていうなら僕と課長の違いだって曖昧じゃないですかと怒声はさらに大きくなりだいたい僕たちの発注がこの立方体から出てどこに行くかもわからないしじゃあいったいこの仕事に何の意味があるんですかそもそも調達課ってなんなんだよあの面には誰も居ないじゃないかと指差すその面の机の上には確かに猫が一匹寝ているだけであってかすかに膨らんでは萎むを繰り返す茶色の背中に皆の視線が一斉に集中したまさにそのとき裏側に位置する対面から発展的展開を告げる社長の声が響いてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます