第9話 子供に興味がない親
ミサトは駅までの商店街をテクテクと小さな体を揺らしながら歩いていた。
ミサトは今にも泣きそうだ。
ミサトはママと商店街に買い物に来ていたが、ママが買い物に夢中になっている間に、ママと離れ離れになってしまっていた。
「ママどこ?」
ミサトは一人でつぶやいた。
「ミーはここにいるよぉ」
なんでママはミサトを放っといて、いつも、ひとりでどこかに行くの?
なんでミサトにかまってくれないの?
なんでミサトはひとりぼっちになるの?
商店街の人たちは誰もミサトには関心がなく、声すらも掛けてくれない。
ミサトはこんなに小さいのに誰も可愛がってくれない。まるでミサトはこの世に存在していないみたいだ。ミサトは人間の影みたいだと思った。影は存在するが、話しかけても、返事をくれない。みんなミサトのことを影のようだと思っているに違いない。だからみんなはミサトに話しかけないのだ。ママもミサトに関心がないのだ。
ミサトはふてくされて、ひとりでかすかに覚えている自宅までの道を、またテクテクと小さな体を揺らしながら、帰っていった。
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