第5話 身バレ防止!いざ出陣!
本棚に突撃した痛みで高ぶりまくった気持ちが落ち着くと、上手く【超飛翔】をコントロールできるようになった。
「あれ?意外とすぐコントロール出来ちゃったな。はっ!やはり俺は天才なのでは!」
空中をくるくる回りながら、レイは【超飛翔】の感覚を身体に馴染ませていく。レイは意外と覚えがいいようだ。
「よし、もういけるはず!レッツフライング!夢の世界へ!」
時刻は8時55分。そこそこスピードを出せば 2、3分で着くはずだ。余裕で間に合うな。
「ふと思ったけど、俺が空飛んでるの見られたら、もしかして色々面倒臭くなったりするのかな...?」
レイは冷静に考えてみた。
確かに自分の頭上を人が普通に飛んでいったら、かなりの衝撃物である。軽くホラーである。この現実世界で人が機械も使わずに空を飛ぶなんてありえないのだ。変に騒ぎになって今後の活動に支障が出るのは避けたい。
「となると、隠れる系のスキルが必要だな。これはもう透明人間になるしかないよね?そうですよね!!...おっと」
突然鼻血が出て来てしまった。なんでだ?い、いやらしい事は何も考えてないのに。女湯入れるじゃん!とか全く考えてないからね!?もう一度言わせて欲しい。そんなこと全然考えています。
「ぬふっ、こ、これは仕方の無いことである!必要なこと。つまり!合法なのであります!」
そもそも透明人間に関する法が無いので、合法もクソもないのだが。
「や、やってやるぜ!イメージイメージ...ぶっ、待て待て、全然集中できん!童帝の俺にはあまりにも刺激が強すぎる!ぐっ!ぐはっ!だ、だが...ここで負けては男が廃るというもの!」
何と戦っているのかはわからないが、いつの間にか満身創痍のレイは最後の力を振り絞り【超創造】を使用した。
「超創造!【超透過】!!!」
しかし何も起こらなかった。
「くっ、やるじゃねぇか...お前の勝ちだ...」
空中を浮遊していたレイはそう言いながら、地面に落下していったのだった。
「困ったなぁ...透明人間がダメとなると他にどうやって身を隠そうか...」
今気づいたけど、姿は最悪見られてもいいのか。要は俺ってバレなければ良い訳だよな?
「そしたらやっぱこれだよな!」
レイは部屋にあった子犬の仮面を装着した。今年の夏祭りで友達とノリで買った仮面だ。なかなかに可愛い。
「あとは、服でバレちゃうよなぁ。服をすぐ着替えられるスキルがいるな」
顔がバレなくても着ている服は目視可能なので、服装で俺だとバレる恐れがある。学校について一瞬で着替えることが出来れば、万事解決である。
「このスキルはなんか普通にいけそうな気がする!段々イメージのコツも掴んできたし!」
レイはどうやら【超創造】のスキルに慣れてきたらしい。もしかしたら本当に天才なのかもしれない。(?)
「超創造!【超着替】!!!」
『レイは【超着替】を習得しました』
「よっしゃ!思った通りだぜ!これで今日は乗り切れそうだな!...ってヤバ!」
無事新たなスキルを習得したところで時計を見ると8時58分。レイはかなりのスピードで学校へと飛翔していった。
「うひょー!!速ええええ!き、気持ちいい!!!」
レイは高度100m付近上空を秒速50mで飛翔していた。
初めて経験する空中飛行にレイは心の底から感動していた。あれほど夢に見た空中飛行を今、自らの手で実現させているのだ。50m走を8.5秒(なんとも言えないタイム)で走る男が、今50mを1秒で進んでいるのだ。心躍らないはずが無い。ちなみにレイには高所恐怖症はないようだ。
〜その頃〜
「何あれ?何か飛んでるような...?随分大きな鳥...じゃない!ひ、人.....!?」
ウッキウキで飛ぶレイを下から見上げる1人の女の子がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます