第3話 信じてくれた…のか?
「で、ミライとはどこじゃ?」
今、俺は安土桃山時代の偉人、秀吉の前に引き出されていた。この当時は確か木下藤吉郎秀吉だったと思うが。まぁその秀吉様がどこから来たかと聞いたので思わず「未来」と言ってしまったのだが明らかに信用していないな…さて、ここからどう答えるのがベストなのだろうか…
「未来とは、このあとのことです」
「そうか…じゃあお主がそのミライとやらから来たのならこの場所がどこか分かるのじゃな?」
「はい。ここは秀吉様が作った墨俣城ですよね?これは後の時代の人は『墨俣一夜
城』と呼んでいるのですが…」
「そ、そうじゃ。というか一夜城か…まぁいい。だがそれだけなら信用には足らんな。他になんかないのか?」
「では…秀吉様がこれからしようとしていることを当てましょうか?」
「ほう?言ってみよ」
「このあと秀吉様はこの美濃の三人衆の1人、
「な、なぜそれを…」
「未来の本に書いてありますから。すみませんが、僕が持っていた荷物を持ってきてくれませんか?」
そう言うと周りの兵士たちが、
「何をするつもりだ!?」
「いや、ただ本を出そうとしているだけなんですが…あ、そうか。なら秀吉様に出してもらおう」
「秀吉様に対してなんと軽い言葉を…」
ちょっと言い過ぎたかな…?と反省していると案の定、
「ひ、秀吉様!こやつ、切り捨てましょうか!?」
「まぁ待て。とりあえずこやつのいうことを聞いてみようではないか。どれ、こやつが持っていた荷物を持ってくるのじゃ」
「…はっ」
こうしてさっきから俺の体を痛めつけていた兵士の人がやっと体を離した。そしておよそ5分後…
「こちらでございます」
「うむ。ではハルト、君が取り出したかったものはどれじゃ?」
「あ、はい」
そう言われたので俺は秀吉様に近づいた。すると、
「秀吉様に近づくな!言葉で伝えよ!」
「は、はぁ…では中にある本を取っていただけたら…」
「これか?」
「あ、はい!その中に秀吉様がこれからなされることが書かれているかと」
「ふむ…紙の量が多いな。これはさぞ高級なものなんだろうな…」
「ええ、まぁ…」
正直に言えば今秀吉様が見ているのは教科書だから税金のおかげで
「ふむ…ハルト、文字が読めんぞ」
「え!?」
いきなりそう言われた。しかしよくよく考えてみると当然のことだ。まだ秀吉様はかな文字を知らないであろうから。こうしてまずは秀吉様に文字を教えないといけないと心に誓ったのだった。
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