第1話 ここはどこ?

「なんで俺、戦国時代にタイムスリップしてしまったんだよぉ…」


俺は雨宿りに使わせてもらったはずの草薙くさなぎ神社からいきなり戦国時代に飛ばされた。


草薙くさなぎ神社にある剣かぁ…まさかな」


俺は歴史が好きだったので歴史の本とかを読み漁っていた。なのである程度の知識はあるのだが…


「まぁいいや。今はここの場所とあとは現状把握だな…」


俺の精神が意外と冷静だったのに驚きつつも、とりあえずこのままだと殺されそうなので端の方に移動するのだった。




「ここなら安全か…」


とりあえず1時間ほどかかって近くの山の上に来た。ここなら安全だろうと考えたのが理由の1つだが、もう1つあった。


「ここは一体どこなのか確かめないとな…」


そう、俺は未だにここがどこなのかわからないままであったのだ。見ず知らずの土地に来たらまずはその場所について確認する。これは俺がいつも心がけていることである。こうして近くの山に登った俺はあることに気づいた。


「あの城…たしかに形は城だけどハリボテすぎないか?」


そう、山からあるお城が見えたのだが見ればとても突貫工事でできている。あんな城ではすぐに攻められたら壊されてしまうだろう…そう思って見ていると、


「よいか!あの城は急で作ったため、美濃の連中にすぐ壊される可能性がある!信長様がご到着されるまで絶対に死守するのじゃ!」


「「はっ!」」


「…秀吉様ってまさか…?」


俺は今までの周りの人たちの発言で完全に理解した。つまりここは…


美濃国みののくになのか…そしてあの城はおそらく墨俣の一夜城だろうな…」


そんなことを考えているといつの間にか周りを屈強な武士たちに囲まれていた。


「何者だ!まさか美濃国みののくにの偵察か!?」


「いや、俺は全然別のところから来たんですが…」


いきなり大ピンチに陥るのだった。

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