2021年に読んだ本の感想
はろー!
虎山八狐です。
年が明けましたね。昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。
では、今回も本題に入る前にいきますよ! 宣伝をよお!
現在「カクヨムコン7」の「キャラクター文芸部門」に参加しています。
「新日常プロローグ」という裏社会ドタバタコメディーです。
桜刃組にやってきた新入りヤクザを情報屋君達が歓迎して、新しい日常が始まる話です。年始感がまだ漂う1月初めに清々しく読めます。
未読の方も、途中まで読んでみた方も是非どうぞ。
本日初めてランキング2桁(84位)になりました。このままランキングの1頁に留まりたいです。手伝って下さい。助けて下さいなあああああ!
https://kakuyomu.jp/works/16816700427992225688
よおし、では、本題に入りますよ。
2021年に虎山が読んだ本の中でも心に残ったものをざっくり分けて語っていきます。
★ハウトゥー本
皆様、ハウトゥー本を読んでいてこう思うことはありませんか?
「作者は方法を熱弁しているが、端々に語られる過去の方が気になっちゃうぞ」
私は結構あります。
早起きする為の本を読んでいたら「実はそもそも親が超早起きで子どもの頃から早起きだった」と書いてあって戸惑いました。モチベーションを上げる為の本を読んでたら「僕は数十名と喧嘩して新聞沙汰になった程の不良だったが、真人間になった」と書いてあり、思わず本を閉じて「作者の名前 事件」とググりました。
まあでも「ほえー私とは環境とか性格とかが違いすぎるんねー」ぐらいで済んで、ちゃんと本筋を読めました。
しかし、2021年、無視できない本と出会いました。
「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」です。
この本は冒頭で作者の過去が述べられます。野球少年として頑張っていた頃、事故に遭い大怪我をして一度挫折しました。こう一行でも書いてしまう事柄が滅茶苦茶詳細に描かれている訳です。思わず作者が怪我した部分を押さえて悶える程にグロテスクで痛々しいです。事前に注意して欲しかったです。だから、此処に書いた訳です。「読もうかな」と思う人に告げます。冒頭はグロ注意です!
内容は良かったです。雑学を多く含んで楽しくするする読めますし、分かっちゃいるけどやっちゃうよくないことがしっかり言語化されてて刺さりました。作者の習慣化の先の目標に「メルマガとか書くライター業」があって、結果がこの本ですから実感も湧きやすいです。おすすめです。冒頭を薄目で読むことも勧めますが。
★好きな作家が増えました。高村薫です。
「李歐」を2020年に読んで面白かったので、合田シリーズに手を出し始めました。「マークスの山」の情景の美しさ、引き込まれる展開にやられました。
次の「照柿」もはまりました。どうしようもないが強烈な魅力のある達夫にどんどん惹かれていって、最後の方は胸を掻き乱されました。不眠で悩む人間なので、余計入り込みましたね。あと、30年前くらいの大阪が舞台の一つですが、自分の知っている所の昔の姿が見れて楽しかったですね。特に梅田あたりの変化は驚きました。
さて、お次は「レディ・ジョーカー」。高村薫を読んでなくても名前だけ知っていた名作です。しかし、不幸が襲いました。次の話題でお話ししましょう。2021年に読めたのはこの3作品だけでした。今年もこのシリーズを追いかけていきたいと思っています。次作の「太陽を曳く馬」に備えて今まさに別シリーズの「晴子情歌」を読み始めました。
★本にも読み合わせってあるよね……
「罪の声」を漸く読みました。テープの声の子どもに着眼点を置いてる時点でもう面白くない筈がなかろうと読み始めましたが、期待値がんがんに上回る面白さでしたね。ミステリーを人間の情が見たい為に読んでる人間としては、あの大事件を此処まで小規模に、家族の話に持ってこられたら舌を巻くしかありません。作中内で複雑に多くの事柄が出て来てもすっと自然に纏まって爽快でした。
さて、前述の「レディ・ジョーカー」。「罪の声」の後に読んでしまいました。同じ事件をモチーフにしておきながら、正反対の性質の小説ですよね。犯人達とは関係なく事件が利用され、どんどん膨らんでいくさまは圧巻です。でも、悲しいかな。虎山は「照柿」のような個人や「罪の声」の家族のような小規模の話が好きです。あと、「罪の声」ははっきり「極力史実通りにした」と宣言されてる程、モチーフの事件に近付けて上手い事やってるじゃないですか。「レディ・ジョーカー」はお菓子の代わりにビール瓶の所が比べると無理があるんじゃないかという気になってしまうんですね。先に「罪の声」を楽しんでしまったから、純粋に楽しめませんでしたね。
シリーズ物じゃなくても読む順番ってあるんだなあと実感しました。
これは後悔した例ですが、成功した例もあります。「クララとお日さま」と「恋するアダム」です。
「クララとお日さま」はもう発売を知った瞬間に飛び上がりましたね。カズオ・イシグロがノーベル文学賞をとった後、「わたしを離さないで」を読みました。特殊な閉鎖的な青春にSFな設定が組み合わさり、貪るように読みました。他の作品を読もうと調べてみれば、SFものがこれしか無い! 作者が評価されている特徴を読んだらSFに合いそうなのに一作しか無い! 嘘でしょ! 書いてよSF! ……と祈り続けたら出ました。しかも、主人公のクララがAIロボット! 面白くない筈がない! 面白かったです! クララの純粋な視点から語られる物語は何処か神秘的で美しかった。彼女の視点ということが要の作品ですが、あえて第三者目線にどうしてもなってしまう映像化をしてほしいですね。
さあ、この後に読んだ訳です。「恋するアダム」をば! 邦題つけた人と表紙をイケメン男性の写真を使ってピンクのフェミニンなデザインにした人は私と性格合わないなーって感じですね! ピュアでラブリーな気分で読み進めたら、そんなことは無かった。すごいシニカルな感じがする。これがブリティッシュかあっとなった。あと、AIロボットで架空時代の話をしている割に現代の問題を寄せ集めてて凄い。頭抱えました。登場人物全員何か嫌です。アダムも含めて何か嫌な訳です。シニカルで何か屁理屈言わないと気が済まないタイプの主人公視点だからこうなるんだと自分に言い聞かせて読みました。アダム視点であったなら、そりゃもうピュアな「クララとお日さま」みたいなものが出力されているだろうと思いました。結果、ラストに納得いきました。多分先に「クララとお日さま」を読んでいなかったら、私はこの作品を受け止めきれなかったと思います。逆にこっちを先に読んでたら、「クララとお日さま」はつまらなく感じたことでしょう。運が良かったです。
★大作を2つも読めたよ!
凄ないですか? ちょっと昨年の私を褒めたい。どうしちゃったんだい。読むのが遅い虎山の癖にやるじゃないか。時空捻じ曲げちゃったのかい。今年もこの調子で頑張りたいですね。
まず1つめ。
「24人のビリー・ミリガン」です。
実はこの作品、二度挫折してます。一度目は十代の時。理由は登場人物――というか人格が多すぎて把握しきれず断念。二度目は三年程前。理由はアーサー。あの、実在の人格に言うのもなんですけど、アーサーってあまりにも読んでて恥ずかしくなる程に中二病感強くないですか? しかも出番多いし。二度目の挫折の際に何とか教師出現あたりまでは読めていたので、一念発起してそこから最後まで読みました。
色々考えたことはあるにはありました。最後で全部ぶっ飛びました。
あの……貴方。そこの貴方。この続編の終わり方知ってますか? 続報を匂わせてないかどうかだけ教えてくれませんか?
いずれ続編も読もうかと思っておりますが、終わり方が非常に怖い。作者もビリー・ミリガンさんも既に亡くなっちゃってるので、続編の最後がもやっとしてたら永遠にもやっとするじゃないですか。不安で仕方ありません。親切な方よ、現れてくだいませ。
ええい、2つめ。
「三体」シリーズを全て読み終えました。
Iは2020年に読みました。2021年はIをAudibleで復習してから、Ⅱ・Ⅲをkindleで読みました。
Ⅱは非常に好きですね。登場人物を愛しながら小説を書いている身なので、羅輯の小説執筆に励む下りは非常に共感ができました。そこから、彼を愛しく思って作品にのめり込みましたね。宇宙人が出て来るSFを読むのは三体が初めてでしたが、Ⅱまでは読んでて映像がまだ浮かびました。Iもでしたが気持ちよく絶望したり、希望を見出したりしました。
Ⅲは頭パーンなりました。上巻の終わりくらいまではまだ想像力がついていけてたんです。「高等な科学が魔法に見える」を丁寧にやってて好感を持っていました。下巻から完全に置いてけぼりくらいました。想像力が追い付かないのもありますが、文系には理解し難い事柄が目立つようになりました。あと、I・Ⅱで希望から絶望へ、絶望から希望へと目いっぱい上がり下がりするのに慣れちゃったんですよね。どっちかに振り切れててもこの後違う方が来るんでしょーって態度で読んでしまいました。そしたら、絶望のターンが長い。読んでる最中に私生活でトラブルがありましたが、「今読んでるのに比べたらちっぽけなことだな」と達観して何とかなっちゃいました。そこはありがとう、三体Ⅲ。Ⅲはあとほぼ程心が主役で、彼女の母性とか魅力とかがキーになるじゃないですか。そこが残念なことにあまりピンと来なかったんでのめり込めなかったんですよ。雲天明の視点でふんわり描かれる彼女は割と素敵に見えたんですけどね……。
三体は映像化が決定してますよね。とりあえずIだけをするのかなと勝手に思ってますが、見たいのはⅢの下巻の内容ですね。プロが映像化してくれて、小説よりも距離を置いて程心を見たらもっと楽しめるだろうなという期待があります。
此処で書いておきたいのは、これくらいでしょうか。
2021年は49冊読みました。読むのが遅い虎山にしては多い方です。今年も同じくらいかもっと多く読みたいです。頑張ります。
これ書いている時に三年分の読んだ本リストを横に置いて書きました。そしたら、2021年は暗い本がとても多い。明るいとはっきり言える本なんか「そして、バトンは渡された」しか無い。今年は明るい本をもっと読みたいですね。からっと笑えたり、幸福感で満たされるような本。おすすめありませんか?
ではこの辺で終わりとさせていただきましょう。
おすすめお待ちしております……とか言っちゃったりして。
さようなら。
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