冷たくて朱い

あかね色の空。

鳥の泣き叫ぶような声と耳障りな人間の声。

情報量の多い窓を背中に君はやるせない気持ちで机の上に腰掛ける。それがだめなことと分かっていても。

9月の日差しはあまりにも役に立たなすぎる。お天道様がいるならば今すぐに物申したい。

教室は白い空気で充満している。同じ空気を吸って生きている君は何度も眉間にしわを寄せる。

赤い耳に震える手、白く眩しい澄んだ肌は今だけポッと鳥肌を立てている。

途端につんざくドアの音、そっちを見ても何もない。

ただ聞こえるのは人間のうるさい声。低いのは大人だろうか。

途端君が話し出す。

ひどく驚く。どうやら君の聞く音と僕の聞く音は違うらしい。

耳を立てる。時計の針の音、人間の音、鳥の音、君の音。

僕は高い音が好きだ。そう伝えると君は目をそらせた。

君の耳はいつまでも朱かった。


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