第19話 ラミルの魔力補充
ラミルが五人の前を一人一人観察しながらゆっくりと歩き、今度はそのまま五人の後ろに回って五人の前に戻った。
「ミラ様四人は問題ありませんが一人だけ魔力が減っているので私の魔力を分けます。良いでしょうか?」
「その本人の承諾があれば問題は無いかと思いますが、そのあとが問題のような気がします」
「大丈夫です。新人研修に魔力補充方法の項目がありませんので、こういったときに戦場においての魔力補充方法を知っておいて損はありませんので」
「そうですか?では後ろを向いていますので頼みます」
ラミルは先程ドルホに言いつけると言っていた兵の前に立った。
全員に向かって。
「戦場での魔力補充方法を知っているものはおるか?」
「いえ。知りません」
「そうかこの者の鎧だけを外すのを手伝ってやってくれ」
「はい」
「ではこれより魔力補充の実技を行う。よく見ておけ。ただ見ているだけでは魔力操作と循環方法が解りにくいので後日、詳しく実技もかねてドルホから教えてもらうように。ただし、今回のを見よう見まねで自分達だけで行わないように、場合によっては女王ティナ陛下の加護が消えて死に至る場合がある。心しておくように」
「はい」
「いいか?痛くもかゆくもないので身構えるな。ただ私に委ねてほしい。多少は苦しいし、非常に不快な思いをするかもしれんが悪く思わんでくれ。お前の魔力が戻り次第すぐやめるので、限界かなと思ったら右手を上げてくれ。最後に水を飲ませるのでそれまでは気を失わぬように」
「はい」
うなずきながら返事をした。
ラミルはその兵の後ろに回り彼女の胸の下あたりに両腕を回し羽交い絞めにして。耳元で囁いた。ラミルの方が頭半分背が高かった。
「今、お前の体が私の魔力を受け入れるための耐性を構築している。嫌だろうが少し我慢してほしい」
その兵はなぜかうつむきながら顔を軽く横に振った
周りの兵は両手で口をふさぎ驚いている。
「構築の確認をするので気をしっかり持って立っていてほしい」
「はっはい」
と何故か震える小さな声で返事しコクンとうなずいた。
ラミルは彼女の右の首筋に唇を当てて軽く吸った。
すると彼女の口から
「あっ」
っと吐息にも似た声が漏れた。顔はすでに薄赤くほってているようだ。
ラミルの右手掌が彼女の左胸を軽く押さえゆっくりと胸の中心に向かう。
彼女が軽くのけぞるように頭を上げて声を押し殺している。
「まだだ、もう少し頑張れ」
一旦唇を離して、言葉を囁くようにかけてまた唇を首筋に当てて軽く吸った。
彼女はもう一段のけ反り苦痛にも似た声を押し殺している。
ラミルの右手は胸の中心で止まり中指を押し当てて何か探っている。そのまま中指を胸に押し当てたままゆっくりとした速度で
右胸の中芯を通るように横へとずらしてきた。彼女の前身は軽く震えだした。右胸の中心付近を通過したと同時にラミルに寄りかかるように
のけ反った。それをラミルが体で受け止めた。
「そのままでいいから聞いてくれ」
彼女はのけ反ったまま胸で息をしている。
「受け入れの構築は完了したから、今度はこちら側を向いてほしい」
彼女は、はっはっ と息をしながら震える小声で声で。
「動けません」
「わかった。ではこちらを向けるぞ」
彼女を抱えたままダンスのターンをさせて前から両脇の下に腕を回し抱きかかかえた。
「ここからが重要だ。必ず苦しくなったら右手を上げろ。今までの者もそうだったが息苦しくなって倒れてしまうからな」
彼女はコクンと小さく頷いた。
ラミルは、下を向いた彼女の顎を軽く持ち上げて。
「しかし、近くで見るとお前は可愛いな。つぶらな瞳が色っぽい。食べてしまいたいくらいだ。行くぞ」
ラミルは自分の口で彼女の唇を覆った。彼女は うっ っと唸ったきり瞼を閉じた。閉じた目から涙が横へ流れ落ちた。
ラミルは右手掌を彼女の下腹に当てた。下腹が軟らかく光り始めた。やがて彼女の腕はラミルの首を抱きしめ始め、首を左右に振って、
もがき苦しんだ。
そして彼女は口を塞がれたまま、両目を見開いて。
「んっんっんっ ん。うぅぅぅぅんっ」
と言ったあとゆっくりと目をとじて、ラミルの首に回していた両腕がだらんと落ちた。
ラミルは彼女から唇と右手を離し。
「そろそろだな。水を」
一人の兵から受け取った水袋から口に水を含み彼女の口へ口移しで流し込んだ。彼女は涙を流しながら後ろえとうな垂れた。それをラミルが軽く受けとめゆっくりと肩と膝裏を持ち上げ近くの岩にもたれかからせた。
「すまんな苦しく不快な思いをさせた。私の魔力は薄いので量を多めに流し込んだから下腹部が少し張った感じがするだろうがじきに治る。しばらく休むがいい」
下腹付近を撫でながら、そう言った。
「ラ、ラミル様、あああの、もう一度 お水を」
「わかった、自分では飲めなかろう。少し待て」
そういいながら彼女の首の後ろに腕を入れて抱え込んでもう一度、水袋から口に水を含み口移しで流し込んだ。
「よく耐えたな。私も体内に魔力が少し溜まっていてな、お前が受け入れてくれて助かった。ありがとう」
「はっはっはい。もっもう死んでもいいです」
軽く息が上がった彼女が力なく答えた。
「なにを言っているんだ?お前を死なせないために私の魔力を分けたのだぞ。お前に死なれては私が悲しくなるであろう」
そう言って彼女の髪を数回撫でおろした。
「あの、ラミル様は他の方にもこのようなことを言いながらなさるのでしょうか?」
「お前は特別だ。他の
と言いかけたが、それを聞いた瞬間兵は、軽く瞼が閉じ涙があふれでた。
「おおいどおした?他の四人は魔力が十分あるからやらなくてもいいて事だぞ。おい?」
ラミルは腕を抜いて彼女を休ませた。
周りの兵達はこの光景を見て驚きと恐怖の思いが強く出たのか、軽く震えて赤ら顔になっている。
一人はなぜか両足の間に腕を入れて挟んでいたり、自分の体を抱きしめる者、内股で手を後ろに組みもじもじしている者、自分の唇に指を当て息が上がっている者。
「お前たち、そんなに怖がらなくても大丈夫だ。あの者は五分もたたずに回復する。それより鎧を着るのを手伝ってやってくれ。あと食事も取っておけ」
全員が我に返ったように。
「はっはい」
と返事した。
「ちょっとあなたずるいわよ。一人だけラミル様の寵愛を受けるなんて」
「あああ私もあんなすっっっごいの受けてみたい」
「今度は私の番だから。ラミル様から何も貰ってないのよ」
「でもラミル様すてきだったわぁぁ。見ているだけで頭がクラクラしちゃった」
「あなたさっきお股押さえてたじゃない。なにあれ」
「自分でもわかんないけど押さえてたね」
「どう、もう立てる?」
「うん。大丈夫そう」
しかし、まだ足がおぼつかないので両脇を抱えてもらった。
「ねぇどんな感じだった?」
「最初何が起きるのかわからなくて、後ろから抱き着かれたとき やったぁ と思ったんだけど首に唇がふれて吸われた時にソワソワと体が勝手に動いて、胸を横へ撫でられてラミル様の指が右胸に来た時体がぴくんぴくんってなったら下半身の力がズウウウンと無くなって立っていられなくなっちゃったの、そのあと強く抱きしめられて唇を塞がれたとき体がゾクっとして、そのあとラミル様のが口に入ってきて私のを押し込んだり左右上下に回したり。そしたらお腹の方でググンンて何かが来て頭が真っ白になった。そして瞼の裏がカラフルな色でいっぱいなったころ、お腹の中にズドウゥゥゥンてあったかい物が溢れた瞬間お腹がいっぱいになって、何もわからなくなって、気づいたら座ってた。 って感じかな。今は全く疲れも無く体が軽い。こんな魔力の感じは生まれて初めて。ラミル様とってもいい香りがした」
「私もあんなすっごい事やってもらい あれ? ちょっと待って。ラミル様なんて言ってた?この実技をドルホ様と私たちが えっと やるの?」
「うん?えぇぇぇぇぇ」
「ミラ様終わりました」
「ご苦労様でした。何時もにもまして激しかったですね」
「魔力三日分が溜まっていましたので丁度良かったです」
「ラミル。五人共行けそうですか?」
「作戦は我々も含めた内容で良いですか?」
「もちろんですが五人はラミルが見てください。我々も気には留めます。そして中間地点から降りる算段が付いたら、私と五人が降ります。ラミルはテトと十三キロ先までいって私のところまで来てください。万が一応援が必要な場合はテトの 煙玉赤 を使って合図してください」
テトが煙玉の赤をエプロンのポケットから出してミラに見せた。
ミラはテトの手のひらに在る煙玉の色を確認してラミルに。
「これが煙玉の赤です」
「わかりました。十五分程押しましたが時間は大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。テルユキ様が不測の事態も考慮して三十分ぐらいは余裕を見ていると言っておいででしたから」
「そうですか。そろそろあの者も大丈夫かなと思います。お前たちどうだ。ドルホがどうしたって?」
「何でもありません。もう大丈夫です。行けます」
ミラはその返事を聞いて。
「そう。では行きましょう」
ミラが先頭で木を高速で蹴りながら前進して行く後ろを テト、五人、殿をラミルが務めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます