895_ウシにシマシマ模様を描くとハエを撃退できる #動物

「日本の紙幣の肖像画に採用されていた日本の文豪である夏目漱石は『あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です』と言ってます。焦りはいい結果を生みません。昔から言われていることです」


「やっほー、人生の悩みが解消しているに違いない読者様。知ってて損のない知識を配達している世界一の美女サクラです! 今回は『ウシにシマシマ模様を描くとハエを撃退できる』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「ハエって鬱陶しいですよね。部屋の中をぶーんと飛ぶハエは本当に鬱陶しいです」


「羽音は不快ですし、殺虫剤を使うのも面倒です。ハエ用のトラップを用意している人もいるかもしれません」


「そんなハエ問題ですが、もしかしたらちょっとしたことで解決するかもしれません」


「今回は面白いハエ対策をお伝えしたいと思います」


「参考文献は愛知県農業総合試験場の研究となります」


「ハエの被害というのは、実は人間には留まりません。家畜も被害にあっているのです」


「ハエにたかられた家畜はストレスから運動量が減ったり、食欲が減ります。他に不眠になったりする場合があります」


「ハエによって、肉質が落ちたり、乳牛の乳の量が減るなど、ハエの被害は深刻なんです」


「その問題を解決するため、研究者はシマウマに注目しました」


「昔から、シマウマの縞模様はハエを含む昆虫を遠ざける効果があると言われています」


「実際にウシに縞模様を描いて試してみました」


「6頭の黒毛和牛を用意して、白と黒の縞模様と黒い線の模様をペイントしました。また、模様をつけない牛もいました」


「それぞれの牛を1分間ごとに写真撮影し、30分間の記録を残しました。これらは一日二回、朝と夕方に行いました」


「三日間に渡って観察をしました」


「そして、写真からハエの数を数えたり、牛がハエを追い払う回数を数えました。模様の違いによって、牛にたかるハエの数が変わるのか分析しました」


「なお、塗料がハエを遠ざける可能性があるので、塗料の影響がなくなってから観察を実施しています」


「さて読者様、縞模様はどの程度効果があると思いますか?」


「牛に縞模様を描くことでハエが寄り付かなくなるのでしょうか?」


「それとも縞模様は効果がないのでしょうか? シマウマが昆虫に嫌われるのは模様ではなく、体から発する成分が影響していたのでしょうか?」


「シマウマの汗やフェロモンでハエを撃退しているのなら、牛に縞模様を描いても効果はないでしょう」


「はたして、縞模様が描かれた牛の運命やいかに?」


「牛に縞模様を描いた結果、牛にたかるハエの数はーー」


「減っていました!」


「模様を描いていない牛に比べて、白と黒の縞模様を描いた牛にたかるハエの数は約半分になっていまいした」


「黒い線の模様の牛は模様を描いていない牛とほとんど変わりありませんでした」


「黒い線にプラスして白い線を描いた、縞模様がいいみたいです」


「また、牛の行動にも変化がありました」


「白と黒の縞模様の牛はハエを遠ざける行動の回数が約20%減っていました」


「ハエにたかられて鬱陶しいと感じるのは人間も牛も同じです。人間なら手でハエを追い払いますが、牛は首や耳を振ったり、足踏みしたり、尻尾で追い払います」


「白黒で構成された縞模様の牛はこれらの行動が減っていたのです」


「つまり、ハエにたかられる回数が減っていたことを意味します」


「読者様、ハエを遠ざけたければ、白と黒の縞模様です」


「白黒のストライプの服を着るのはいかがでしょうか? もしかしたら、ハエを遠ざけることができるかもしれません」


「もし可能なら、体に直接白黒のストライプを描くと効果が抜群になるかもしれません。勇気があるなら試してみましょう」


「ただし、効果がなくても文句は言わないでください」


「研究は黒毛和牛で行われましたし、数も少ないです。人間が同じようなことをして、効果があるかどうかは不明です」


「どうしてハエが寄ってこないのかの理由も不明です。分からないことが多いので、あくまでこんな研究もあるよー、と軽い気持ちで受け止めてください」


「まあ、白と黒のストライプの服を着るくらいならお手頃です。一度くらいなら試すのもいいと思います。効果があればラッキーです」


「それでは今回のまとめです」


「研究者はシマシマ模様がハエを遠ざけることに注目して、牛にシマシマ模様を描いたよ」


「すると、白と黒のシマシマ模様を描いた牛にはハエがたかる数が減っていたよ」


「それに伴って、牛がハエを嫌がる回数も減っていたよ」


「シマシマ模様にはハエを撃退する効果があるみたい」


「読者様もハエが嫌ならシマシマ模様を描いてみようね」


「ネズラスカ大学の研究によると、ハエが牛の生産に及ぼす被害額は年間で22億ドル以上だそうです。ハエによる被害はバカになりません」


「この被害をシマシマ模様で減らせる可能性があります」


「家畜に無害な塗料、一度塗ったら長期間消えない塗料などが開発されると、より多くの乳牛や肉牛が生産されることになるでしょう」


「これからの時代、ハエを撃退するのは殺虫剤ではなく、白と黒の模様になるかもしれません」


「白黒ストライプのシャツ、ズボン、靴下、帽子、鞄などを用意して、夏に備えましょう」


「え? 『虫除けスプレーを使えばいい』ですか。そういうことは、知っていても言わないのがお約束ですよ」


「ということで、今回は『ウシにシマシマ模様を描くとハエを撃退できる』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『歯が減ると認知機能が落ちる』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」

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