463_人は野菜や果物よりお菓子の場所を記憶する #記憶 #食べ物

「骨学の造詣が深かったヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは『10歳にして菓子に動かされ、20歳にしては恋人に、30歳にして快楽に、 40歳にしては野心に、50歳にしては貪欲に動かされる。いつになったら人間はただ知性のみを追って進むようになるのであろうか』と言ってます。人間の欲望は留まることを知りませんね」


「やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『人は野菜や果物よりお菓子の場所を記憶する』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様、記憶力というのは一律ではありません」


「どういうことかと言いますと、覚えやすいものと、覚えにくいものがある、ということです」


「読者様も何となく理解していると思います。好きなことはあっという間に覚えられるけど、嫌いなことや苦手なことに関してはずっと覚えられない」


「数学は好きだから、公式は覚えられる。だけども文字は嫌いだから小説の内容は覚えられない。そんな経験を学生時代に味わったことがあると思います」


「この記憶力の違いというのは、食べ物の中でも起きるということが判明しました」


「そこで、今回は覚えやすい食べ物と覚えにくい食べ物についてお話ししたいと思います」


「参考文献はオランダのワーヘニンゲン大学の研究です」


「研究者は512人の参加者を集めて、様々な食材が配置された部屋の中を歩いてもらいました」


「食べ物は試食できたり、匂いを嗅ぐことができました」


「また、参加者にはその食べ物がどれくらい好きか、ということも評価してもらいました」


「部屋を出た後に、部屋の見取り図を渡され、どこにどの食べ物が置いてあったのか答えてもらいました」


「要するに、どんな食べ物の印象が強く残ったのか調べたのです。同時に、食べ物の好き嫌いに左右されるのかも調べたのです」


「ちなみに、部屋の中に配置された食べ物は、リンゴ、ミニトマト、キュウリ、メロン、チョコレートブラウニー、ポテトチップス、ピーナッツ、キャラメルなど」


「さて読者様、人の記憶に残りやすい食べ物とは何だと思いますか?」


「単純に考えると自分な好きな食べ物が記憶に残りそうです。ですが、本当にそうなのでしょうか?」


「それとも、野菜や果物が記憶に残るのでしょうか?」


「野菜や果物は太古の昔から馴染みがあります。記憶に残りやすくなっているのでしょうか?」


「もしくは、お菓子なのでしょうか? お菓子はとても美味しいです。ついつい、美味しいお菓子の場所を記憶するのでしょうか?」


「はたして、結果はどうなのでしょうか?」


「分析の結果、記憶に残りやすい食べ物はーー」


「高カロリー食品でした!」


「つまり、お菓子でした」


「人の記憶は野菜や果物より、お菓子を優先することが明らかとなりました」


「読者様も家にあるお菓子の場所を覚えていることはありませんか? 棚の上にお菓子が残っている、なんて思い出すことはありませんか?」


「対して、野菜や果物については忘れていませんか? スーパーに買い物に行ったのに、野菜を買い忘れたり、足りないと思っていたのに帰ってきたら残っていた、なんて経験はありませんか?」


「え? 『ある』ですか。安心してください、それは人の標準機能です。記憶力が悪くなったと嘆く必要はありません。当たり前のできごとです」


「お菓子を記憶できるのは、進化が関係していると思われます」


「昔は食料が乏しく、生きていくのも大変でした」


「お菓子というのはカロリーが高いです。カロリーが高ければ、食料調達の効率が上がります」


「結果として、生き延びやすくなったのでしょう」


「カロリーの高い食べ物を記憶できる人が生き延びたため、現代人もカロリーの高いものを優先して記憶するようになった、ということですね」


「進化の事情が垣間見える面白い結果です」


「今回の実験では、参加者に食べ物の好き嫌いを聞きましたが、関係ないことも判明しています」


「好き嫌いによって記憶が左右されることはありませんでした」


「特に記憶を左右する要素は、味でした」


「試食をした参加者は匂いを嗅いだだけの参加者より、食べ物の配置を2.43倍も正確に記憶していました」


「読者様、食べ物のことについて覚えておきたければ、実際に食べるのが一番です」


「後生大事に保存しておくと、記憶から薄れて、最終的には忘れ去られます。冷蔵庫の奥から賞味期限が切れた未開封の食品が出てくるのは、食べていないのが原因です」


「最初に少しでも食べていれば、記憶に残ります。賞味期限が切れる前に食べ切ることができるでしょう」


「新しく買った商品はとりあえず一度食べる、それがフードロスを減らす鍵かもしれません」


「読者様も、食材を腐らせないように心がけましょう。という所で今回のまとめです」


「研究者は参加者を集めて、部屋の中を歩いてもらったよ」


「部屋の中には様々な食べ物があり、匂いを嗅いだり、試食することができたよ」


「部屋から出た後にどこに食べ物が置いてあったか思い出してもらったよ」


「すると、記憶に残りやすいのはお菓子だったよ」


「人の記憶は野菜や果物の場所より、お菓子のような高カロリーな食べ物の場所を優先して記憶するみたい」


「特に、試食した場合は記憶に残りやすいよ。食べ物を忘れがちな読者様は一口食べて覚えておけるようにしようね」


「研究者によりますと、高カロリーの食べ物の場所を記憶するのはファストフードとも関連していると言います」


「私たちが、昼ご飯や夕御飯にハンバーガーを選ぶのも、より記憶に残っているからだそうです。チェーン店のハンバーガーはカロリーが滅茶苦茶高いです。そのため、記憶に残りやすいです」


「記憶の引き出しの手前にあるから、ついついハンバーガーを食べてしまうのです」


「ハンバーガーを食べるのは記憶に支配された結果だったのですよ」


「おー、怖い怖い」


「ということで、今回は『人は野菜や果物よりお菓子の場所を記憶する』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『幸せになりたければゲームをしよう』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Human spatial memory implicitly prioritizes high-calorie foods

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る