462_季節によって入眠時間は変えたほうがいいかも #睡眠 #時間

「ニューヨークのコンサートホールに名を残しているアンドリュー・カーネギーは『自分の時間は、睡眠に必要な時間を除いてすべて何らかの利益をもたらすようなことに使うべきだ』と言ってます。時間の無駄遣いを極端に嫌っていたようです」


「やっほー、人生に役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『季節によって入眠時間は変えたほうがいいかも』です。よろしくお願いします」


「読者様は規則正しい生活を送っていますか?」


「毎日、同じ時間に寝て、毎日同じ時間に起きる。そんな生活を送っていますか?」


「え? 『規則正しい生活を送っている』ですか。それは、とても素晴らしいです」


「ですが、それが必ずしも正解とは限りません。実は、時と場合によって睡眠時間はずらしたほうがいいのです」


「毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きるよりも、柔軟に時間を変化させるほうが体にいいことが判明しました」


「今回は規則正しい生活の中でも、時と場合によっては睡眠時間を変えたほうがいいよ、ってことについてお話ししたいと思います」


「規則正しい生活を心がけるのはとても素晴らしいことですが、柔軟に対応できるほうがもっと素晴らしいと思いますよ」


「参考文献はアメリカのワシントン大学の研究となります」


「507人の大学生を集めて、リストモニターを着けてもらい、睡眠時間を計測しました。調査期間は2015年から2018年となっています」


「睡眠というのは様々な要因に影響を受けます」


「その中でも光の影響は大きいです」


「読者様も、日中に光をたくさん浴びるとよく眠れるようになる、と聞いたことがあると思います」


「これは、光を浴びるとセロトニンが増えます。セロトニンは夜になるとメラトニンに変化します。メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれる物質でして、メラトニンが増えると眠くなります」


「そのため、日中にメラトニンの元となるセロトニンを増やすことで、夜はぐっすり眠れるというわけです」


「ワシントン大学はシアトルにありまして、緯度が高い場所にあります」


「そのため、夏の日照時間は16時間くらいあり、冬の日照時間は8時間くらいしかありません」


「夏のほうがたくさん太陽の光を浴びることになります」


「そこで、日中に浴びる光の量と睡眠時間に関係があるのか調べました」


「さて読者様、季節によって寝るタイミングに変化はあると思いますか?」


「光を浴びる量によって、布団に入るタイミングは変わると思いますか?」


「それに、日照時間が長いと明るい時間も長くなります。外出する時間も長くなり、睡眠時間にも影響が出るのでしょうか?」


「はたして、季節によって眠るタイミングに変化はあるのでしょうか?」


「分析の結果、大学生の眠るタイミングは季節によってーー」


「変化していました!」


「大学生を調べた結果、夏と冬では眠るタイミングにズレが生じていました」


「具体的には、冬のほうが35分ほど眠るタイミングが遅くなり、起床時刻も27分遅れていることが判明しました」


「やはり、日中に浴びる光の量によって、眠るタイミングは違ってくるようです」


「ただし、眠る時間が遅れても、睡眠時間には変化がありませんでした」


「眠るのが遅くなれば、起きるのも遅くなります。結果として、夏と冬で睡眠時間に差はありませんでした」


「研究者は学生の概日リズムも調べています」


「その結果、夏に比べて冬は概日リズムが30分以上遅れていることが明らかとなりました」


「つまり、規則正しい生活を心がけて、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるのは、概日リズムに反するのでよろしくありません」


「読者様、規則正しい生活を心がけるのはよろしいですが、それは季節によってズラす必要があります」


「夏から秋、秋から冬にかけて布団に入る時間を少しずつ遅らせましょう。冬から春、春から夏にかけては布団に入る時間を早めていくと、概日リズムに則った就寝時間となります。覚えておきましょう」


「今回の研究では、光がどれくらい概日リズムに影響を与えるのかも判明しています」


「日中に太陽の光を1時間浴びると、概日リズムは約30分早まります」


「しかし、日が落ちてからスマホの画面や照明の光を1時間浴びていると概日リズムが約15分遅れます」


「夜になっても眠くならない読者様、それは光が原因かもしれません」


「日中の光が足りていないのか、それとも夜に光を浴びすぎているか、もしくは両方です」


「規則正しい生活を心がけたいのなら、光をコントロールしましょう」


「規則正しい生活の第一歩は光を操るから、という所で今回のまとめです」


「研究者は大学生を集めて、光と睡眠の関係を調べたよ」


「すると、日中に光をたくさん浴びる夏は就寝時間が早まって、光が少ない冬は就寝時間が遅くなることが判明したよ」


「また、概日リズムは浴びた光の量に影響されることも分かったよ」


「一年を通して、同じ時間に寝て、同じ時間に起きるのは概日リズムに反しているよ。規則正しい生活を送りたいのなら覚えておいてね」


「読者様も、冬の朝は眠くて仕方なかった経験はありませんか?」


「それは、概日リズムが夏と比べてズレていたからです。仕方のないことだったのです」


「なので、学校や会社は始業時間を冬の間、遅らせるべきでしょう」


「概日リズムに反しないので、気持ちよく朝を迎えられます」


「経営者の皆様、是非ご検討ください」


「ということで、今回は『季節によって入眠時間は変えたほうがいいかも』でした。知識の足しになれば幸いです」


「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト、お願いします」


「次回の『人は野菜や果物よりお菓子の場所を記憶する』で、会おうね! いくぜ、知識の完全制覇。バイバイ」



参考文献

Daytime light exposure is a strong predictor of seasonal variation in sleep and circadian timing of university students

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