458_どうして頭を酷使すると体が疲れるのですか? #頭脳 #肉体

「イギリスの歴史家トーマス・フラーは『頭脳は過去の記録の博物館でもなければ、現在のがらくた置き場でもない。将来の問題についての研究所なのだ』と言ってます。変えられない過去のために頭脳を使うより、華々しい未来のために頭脳を使うほうが有益ですよね」


「やっほー、役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『どうして頭を酷使すると体が疲れるのですか?』です。よろしくお願いします」


「読者様は頭を酷使して、肉体も疲労困憊になった経験はありませんか?」


「え? 『あるっ!』ですか。力強い返答をありがとうございます」


「立て込んだ仕事が終わって一息ついたら、どっと疲労が押し寄せてきた、なんて経験は誰しもが一度は味わっているでしょう」


「ですが、不思議に思いませんか?」


「頭しか使っていないのに、どうして体までヘトヘトになるのでしょうか?」


「頭を使って頭が疲れるのは分かります。運動をして体が疲れるのも分かります」


「運動をして、頭が疲れないのも不思議ではありません」


「どうして、頭を使った時は体が疲弊するのでしょうか? まったくり理屈が通ってなくないですか?」


「ですが、安心してください。その疑問、解決したいと思います」


「今回は、どうして頭を酷使すると体が疲弊するのかについてお話ししたいと思います。これで、読者様の長年の疑問が胃解決できるといいですね」


「参考文献はフランスのサルペトリエール病院のパリ脳研究所の研究となります」


「研究者は参加者を集めて、二つのグループに分けました」


「片方には頭を酷使するハードワークをこなしてもらいました」


「もう片方には、頭を使わない作業をしてもらいました」


「その上で、参加者の脳をMRIの一種MRSを用いて、脳の変化をモニターしました」


「分析の結果、どうして頭を酷使すると体が疲弊するのか判明しました」


「読者様は頭を酷使すると体が疲れる理由に心当たりがありますか?」


「実は頭を使っているだけだと勘違いしているのでしょうか?」


「認識できていないだけで、体がひっきりなしに動いているから、疲弊を感じるのでしょうか?」


「それとも、錯覚でしょうか?」


「脳が疲れているから、当然体も疲れているだろう、と勝手に結び付いていたりするのでしょうか?」


「もしくは、もっと別の理由で体は疲弊しているのでしょうか?」


「はたして、結果はどうなんでしょうか?」


「頭を酷使した人をモニターした結果、脳内にーー」


「グルタミン酸が蓄積されていることが確認されました!」


「グルタミン酸はアミノ酸の一種で必須アミノ酸の一つです。脳内では神経伝達物質の機能を持ち合わせており、興奮を伝える物質です」


「他にも、記憶にも関係している重要な物質です」


「ただし、濃度が適切な場合に限ります」


「薬も過ぎれば毒となるように、グルタミン酸もたくさん蓄積すると悪さをします」


「その悪さとは、神経細胞の壊死です」


「増えすぎたグルタミン酸は神経細胞を殺します」


「つまり、頭を使いすぎると、脳細胞が死滅してしまうのです」


「読者様、脳を守るためにも頭を酷使することはやめましょう」


「頭を使うことでグルタミン酸が増えることは判明しました。ですが、体が疲弊する理由は説明できていません」


「グルタミン酸と体の疲弊の繋がりは何なのでしょうか?」


「それは、脳を守るためです」


「脳内にグルタミン酸が貯まると、脳は危機を感じます」


「これ以上グルタミン酸を増やすわけにはいかない、と判断して体にメッセージを送ります」


「それが、疲弊の正体です」


「脳の疲弊というのは感じ取るのが難しいです。そこで、脳は分かりやすいように体が疲れているぞ、というメッセージを送って休息を促しているのです」


「頭を使うと体が疲弊する理由は『これ以上、頭を使うな。休憩しろ』というありがたいサインだったのです」


「脳の危険を知らせるために、体に疲れているように感じさせていたのです」


「ですので、読者様が頭を使って体がヘトヘトになったら素直に休憩しましょう。疲れた状態で仕事をしても、成果は上がりません」


「休憩や睡眠を取ると、脳内のグルタミン酸が減少することも判明しています」


「こまめに休憩をして、脳内にグルタミン酸を溜め込まないようにしましょう」


「グルタミン酸を溜め込んでもいいことはありません。脳細胞が死んじゃいます」


「ここで少し気になるのが、食べ物のグルタミン酸です」


「グルタミン酸といえば、うま味成分として有名です。読者様の多くがグルタミン酸と聞けばうま味成分のことを思い浮かべるでしょう」


「うま味成分をたくさん摂取したら、脳に悪影響が出るのではないか? そんな疑問をお持ちの読者様のためにお答えします」


「食べ物でグルタミン酸を摂取した場合、脳にはまったく影響がありません」


「食道、胃、腸を通るグルタミン酸が脳に行くことはありません」


「美味しいものを食べても、脳細胞が殺されることはありません。安心して、美味しいものを食べてください」


「美味しいもので脳が壊されることはないよ、って所で今回のまとめです」


「研究者は脳を酷使すると体が疲弊する理由を探ったよ」


「MRSで分析した結果、脳を酷使するとグルタミン酸が蓄積されることが判明したよ」


「グルタミン酸は適量なら問題ないけど、増えすぎると脳細胞を壊しちゃうよ」


「だから、脳は頭を使いすぎると、『これ以上頭を使うな、休憩しろ』ってメッセージを送っていたんだよ」


「読者様も体を動かしていないのに、体が疲れていたら、それは脳を酷使したサインだよ。しっかり休憩を取って、グルタミン酸が増えすぎないように注意しようね」


「グルタミン酸に限らず、すべての存在は時と場合によって、味方にも敵にもなります」


「包丁は食材を切れば、便利な道具です。しかし、人に向ければ殺しの道具になります」


「読者様は、道具や知識の使い方を間違わないでくださいね」


「ということで、今回は『どうして頭を酷使すると体が疲れるのですか?』でした。知識が増えましたか?」


「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト待ってます」


「次回の『アイマスクや耳栓で睡眠の質は改善できるのか?』で、会いましょう! バイバイ」



参考文献

A neuro-metabolic account of why daylong cognitive work alters the control of economic decisions

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