457_パクチーが食べられないのは遺伝子のせい #食べ物 #遺伝

「よく分からない心理学を提唱していることで知られるアルフレッド・アドラーは『遺伝や育った環境は単なる「材料」でしかない。その材料を使って住みにくい家を建てるか、住みやすい家を建てるかは、あなた自身が決めればいい』と言ってます。遺伝はあくまで傾向を示すだけです」


「やっほー、役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『パクチーが食べられないのは遺伝子のせい』です。よろしくお願いします」


「読者様は食べ物の好き嫌いはありますか?」


「好き嫌いせず色々な種類のものを食べるのがいいとされますが、食べれないものは食べれないですよね」


「それ、本人の怠惰や努力不足だと思っていませんか?」


「違います。実は、遺伝子によって食べ物の好き嫌いは決まるのです。食べれない食材は、生まれた時から決まっているのです」


「今回は食べ物の好き嫌いについてお話ししたいと思います」


「参考文献はアメリカのコーネル大学の研究となります」


「読者様、好き嫌いが別れる食べ物といえば、何が思い浮かびますか?」


「ニンジン、ピーマン、ナスなどの野菜ですか?」


「納豆、くさや、ブルーチーズなどの臭いが強烈なものですか?」


「オクラ、とろろ、などの食感に特徴のある食べ物ですか?」


「今回は、好き嫌いがはっきり別れる食べ物の中でも特に好き嫌いがはっきりしている、パクチーについてお話しします」


「そう、パクチーというのは生まれた時に好き嫌いが決まる食べ物だったのです」


「面白いですよね。好き嫌いも遺伝子が決めているなんて」


「パクチーが嫌いな人が嫌いな理由として挙げるのは、匂いです。パクチーからカメムシのような匂いがする、洗剤のような匂いがすると言われています」


「一方で、匂いなんて気にしていない人もいます。どうして、このような好き嫌いがはっきり別れているのでしょうか?」


「研究者は遺伝子解析サービスを行う企業と協力して、パクチーが好きか嫌いかを確認した上で、DNAを検査しました」


「その結果、パクチーが嫌いな人には遺伝子の変異が起きていることを確認しました」


「パクチー嫌いの人は、嗅覚受容体遺伝子の「OR6A2」という遺伝子に突然変異が起きていることが判明しました」


「その割合は約15%でした」


「つまり、七人に一人はパクチーが根っからの大嫌いな人というわけです」


「ちなみに、突然変異が起きているとパクチーが嫌いになる理由も判明しています」


「DNAブロックの一部が変化していることで、パクチーに含まれるカメムシや石鹸のような匂いを嗅ぎ分ける能力が身に付きます」


「さらに、OR6A2に突然変異が起きていると匂いに敏感になり、脳がパクチーを食べ物だと認識しなくなります」


「つまり、パクチーが嫌いなのではなく、パクチーを食べ物と認識していないので、食べられないのです」


「一方でパクチーが好きな人は、特に匂いを感じないので、普通に食べ物として認識して、普通に食べることができます」


「ちなみに、パクチーが食べれない人はヨーロッパの女性に多いみたいです。知り合いにいる場合、無闇にパクチー料理を進めないようにしましょう。友情に亀裂が入っても知りませんよ」


「パクチーが嫌いだけど、どうしても食べたい読者様もいるかと思います。そのために、いくつか匂いを抑える方法を紹介したいと思います」


「まず、乾燥させる」


「パクチーを乾燥させると、水分と一緒に匂いの成分も飛びます」


「若干ですが、癖のある匂いが軽減できます」


「また、加熱も有効です」


「生のサラダで食べれなくても、炒めたり、煮たりすることで食べれるようになります」


「切らないのもいいです」


「細かく切ってしまうと匂いが強くなってしまいます。パクチーの匂いを抑えるには、なるべく切らないのがオススメです」


「いくつか紹介しましたが、工夫では克服できないこともあります」


「食べれないのなら食べれなくて構いません。パクチーを食べなければ死ぬ、なんて極端なことはありません」


「パクチーが食べれないのなら、別のものを食べればいいだけのことです」


「パクチーが食べれてなくても気に病む必要はありません。ただ、遺伝子の問題で食べれないだけです」


「読者様が後からどうこうできる問題ではありません」


「嫌いな食べ物は少ない方がいいかもしれませんが、遺伝子に逆らってまで克服する必要はありません。いえ、遺伝子の問題なので、食べていれば克服できるというものでもありません」


「パクチーが嫌いなら、パクチーのことは忘れましょう。考えるだけ無駄です」


「読者様もパクチーが嫌いな人に、無理矢理パクチーを食べさせないようにしましょう。できないことをやれ、と言っているの同じです」


「読者様も3分間息を止めろ、と言われたらできないことはないかもしれませんが、とても苦しいでしょう」


「パクチーが嫌いな人にとってはパクチーを食べるのは、それくらいの無理難題を渡されているに等しいのです」


「パクチーを無理矢理食べさせるのは拷問に等しいよ、って所で今回のまとめです」


「研究者は、パクチーの好き嫌いを聞いて遺伝子を分析したよ」


「すると、パクチーの好き嫌いには遺伝子が関係していることが判明したよ」


「OR6A2という遺伝子に突然変異が起こっていると、パクチーを食べれないよ」


「およそ七人に一人の割合で存在するよ。覚えておいてね」


「ちなみに、パクチーは英語だとコリアンダーと呼ばれ、中国ではシャンツァイと呼ばれています。どちらも同じものなので、一緒に覚えておいてください」


「今回の研究はパクチーを対象にしましたが、野菜も遺伝子によって苦味の感じ方が変化します。野菜嫌いも遺伝子で説明できます」


「根っからの野菜嫌いを克服するのって、案外大変なんですよ」


「ということで、今回は『パクチーが食べられないのは遺伝子のせい』でした。知識が増えましたか?」


「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト待ってます」


「次回の『どうして頭を酷使すると体が疲れるのですか?』で、会いましょう! バイバイ」



参考文献

A genetic variant near olfactory receptor genes influences cilantro preference

https://flavourjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/2044-7248-1-22

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