410_後ろ向きに走ると燃費がよくなる #運動 #能力

「キューバで革命を指導したチェ・ゲバラは『指導者とは、人が自分と同じところまで追いつけるように誘導するものだ。ただ言葉で強いるのでなく、後ろにいる人たちを力づけて、自分のレベルまで引き上げようとするのだ』と残しています。どんな人にも、やればできる、と思わせるのが本当のリーダーなのでしょう」


「やっほー、人生に役立つ知識を伝える世界一の美女サクラです! 今回は『後ろ向きに走ると燃費がよくなる』です。よろしくお願いします」


「読者様には前回、後ろ歩きには色々なメリットがあることをお話ししました」


「ですが、後ろ歩きで終わりません」


「歩きを越えた先には走りがあります。つまり、後ろ走りです」


「今回は後ろ走りのメリットをお話ししたいと思います」


「参考文献はアメリカのデイトン大学の研究となります」


「研究者は、日頃からマラソンをする若い男性ランナー8人を集めました。年齢26歳±6歳、身長174cm±6.4cm、体重68.4kg±9.2kg、体脂肪8.6%±3.2%」


「彼らには週2回の後ろ走りのトレーニングをしてもらいました」


「1回のトレーニングの時間は約20分となっています」


「そして、後ろ走りの効果を調べました」


「さて読者様、後ろ走りにはどんなメリットがあると思いますか?」


「後ろ歩きでは、足の痛みの軽減やバランス感覚の改善がありました。後ろ走りでも同じような効果が得られるのでしょうか?」


「歩きと走りは全然違います。後ろ歩きとはまったく違うメリットがあるのでしょうか?」


「それとも、後ろ走りにはメリットなんて存在しないのでしょうか?」


「はたして、若い男性ランナーはどうなったのでしょうか?」


「後ろ走りのトレーニングの結果、男性ランナーはーー」


「ランニングエコノミーが改善していました」


「ランニングエコノミーとは、一定の速度で走る際に消費する酸素の量のことです」


「ランニングエコノミーが優れていると、より少ない酸素でたくさん走れるようになります。エネルギー効率がいい、ということです」


「車の燃費を想像してもらうといいでしょう。燃費がいいと、同じ量のガソリンでも長い距離を走行できます」


「つまり、後ろ走りのトレーニングをすることで、普通の走りの効率がアップしたのです。よりたくさん走れるようになったのです」


「マラソンが趣味な読者様、効率的に走りたければ、後ろ走りをトレーニングに取り入れたほうがいいですよ」


「後ろに進むと前により進めるようになります」


「ただですね、ランニングエコノミーの改善以外の効果は確認されませんでした」


「体重、体脂肪などの変化はありません」


「元々運動をしていた人を対象にしてました。太っている人がいなかったので、体重や体脂肪の変化はなかったのでしょう。ない袖は振れない、ということです」


「今回の実験は男性のみで行いましたが、女性で行った実験もあります」


「26人の若い女性に後ろ走りのトレーニングをしてもらった所、心肺機能と体脂肪率の改善が確認されました」


「後ろ走りは男性も女性も効果があることが確認されました」


「読者様も酸素を効率よく使えるようにするため、トレーニングに後ろ走りを取り入れましょう」


「酸素を効率よく使えるということは、長く動き続けることができるということです」


「日常生活での息切れが減るかもしれませんよ。是非お試しください」


「ただ、注意してもらいたいのは、後ろ走りはとても危険です」


「後ろ歩きとは比べ物にならないくらい危険です」


「歩いている時にぶつかるのと走っている時にぶつかるのでは、エネルギーが大きく違います。事故に繋がる可能性が大きいです」


「周囲を確認してくれる協力者や、トレッドミルを使って行いましょう」


「後ろを確認しながら行えばいいじゃないか、と言われそうですが、まっすぐ前を見ることが重要です」


「体を何度も捻っていると、バランスが崩れます。せっかくのトレーニングが台無しになります」


「だからこそ、思いっきりトレーニングできる環境が大事です」


「それに後ろ走りのメリットはランニングエコノミーの改善だけではありません」


「ウィリアムボーモント陸軍医療センターの研究によりますと、後ろ走りは怪我の予防に繋がります」


「男性に後ろ走りをしてもらい、下半身の筋電図を分析しました」


「その結果、筋力の増強が確認され、膝を伸ばしたり曲げたりする能力が改善することが判明しました」


「膝の柔軟性があれば、足からの衝撃をうまく逃すことができます。怪我の予防になったり、運動能力の改善が期待できます」


「エネルギー効率だけでなく、後ろ走りは運動能力全般にプラスの効果が期待できます」


「最近息切れをしている人、趣味で運動をしている人、怪我が怖い人、いろんな方にメリットがあります」


「是非、後ろ走りをしましょう」


「ということで、今回のまとめです」


「研究者は若い男性ランナーを集めて、後ろ走りのトレーニングをしてもらったよ」


「すると、ランニングエコノミーが改善することが判明したよ」


「酸素を効率的に使えるようになって、エネルギー効率がアップしたよ」


「後ろ向きに走ることで、より前に進めるようになったよ」


「前に進みたい読者様は後ろ向きに走ろうね。……ちょっと、意味が違うか」


「それに、後ろ走りは、膝の柔軟性を高めて、怪我の予防に繋がるよ」


「後ろ走りはたくさんメリットがあるから、読者様も後ろ走りを取り入れようね」


「ただ、後ろ走りをすると後ろ、いえ、前ですか? ともかく進行方向が見えないです。とても危険なので、十分に安全を確保してから、行ってください」


「怪我の予防を目指して怪我をしては本末転倒です」


「くれぐれも怪我だけはしないように、注意してください」


「いきなり後ろ走りに挑戦するのではなく、後ろ歩きから始めましょう」


「ということで、今回は『後ろ向きに走ると燃費がよくなる』でした。知識の足しになれば幸いです」


「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト、お願いします」


「次回の『夫婦円満の秘訣はお酒』で、会おうね! いくぜ、知識の完全制覇。バイバイ」



参考文献

The Effects of Backwards Running Training on Forward Running Economy in Trained Males

Mechanical power and muscle action during forward and backward running

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る