363_音楽をよく聞く人は睡眠の質が低い #音楽 #睡眠

「モダン・ジャズを生み出したことでも知られるアメリカのジャズミュージシャンのチャーリー・パーカーは『音楽とは君自身の経験であり、君の思想であり、知恵なのだ。もし君が真の生活を送らなければ、君の楽器は何も真の響きを持たないだろう』と言いました。薄い人生を送っていると、それは音楽にも表れます」


「やっほー、人生が楽しいに違いない読者様。悩み解決請負人の世界一の美女サクラです! 今回は『音楽をよく聞く人は睡眠の質が低い』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はイヤーワームという現象を知っていますか?」


「え? 『知らない』ですか。分かりました」


「イヤーワームを知らない読者様のために説明しましょう」


「イヤーワームとは、頭の中で同じ音楽が連続して、何度も流れ続ける現象のことです。頭に音楽がこびりついて離れない、と表現されることもあります。ディラン効果とも呼ばれます」


「そんなイヤーワームなんですが、実は睡眠の質と関係していることが判明しました」


「今回、読者様には音楽と睡眠の質が関係していることをお話ししたいと思います。音楽をよく聞く人は心の片隅に留めておいてください」


「今回の参考文献はアメリカのベイラー大学の研究となります」


「研究者はまず、アンケートを行って、イヤーワームと睡眠の質についての関係を調査しました」


「平均年齢36歳の199人に対して、睡眠の質、音楽を聞く頻度、イヤーワームが発生する回数、などを調べました」


「さて、読者様は音楽と睡眠の質がどのように関係していると思いますか?」


「音楽でリラックスしたら、早く眠ることができて、睡眠の質が高くなるのでしょうか?」


「それとも、余計なことを考えてしまって、眠れなくなるのでしょうか?」


「どっちなんでしょうね?」


「調査の結果、面白いことが判明しました」


「ほとんどの参加者は音楽が睡眠の質を悪化させる、または睡眠を妨害することはない、と思っていました」


「しかし、結果は残酷でした」


「音楽をよく聞く人ほど、イヤーワームの発生回数が多く、睡眠の質が低いことが判明したのです!」


「寝る前にイヤーワームが発生することで、眠れなくなり睡眠の質が低下していたのです」


「音楽をたくさん聞く読者様は注意してください。頭の中に音楽がこびりついてしまったら、睡眠の質が低下します」


「音楽はほどほどにしましょう」


「ですが、ここまでだとアンケートの結果に過ぎません。研究者は実験室に参加者を集めて、本当に音楽が睡眠の質を低下させるのか調べました」


「平均年齢21歳の48人を集めて、音楽をたくさん聴いてもらって、イヤーワームを誘発してから眠りについてもらいました」


「用意された音楽は三曲です。一つ目はジャーニーの『Don't Stop Believin』。二つ目はカーリー・レイ・ジェプセンの『Call Me Maybe』。三つ目はテイラー・スウィフトの『Sheke It Off』です。どれも耳に残りやすく、人気のある楽曲です」


「さらに、ボーカルのあるオリジナルバージョンとボーカルのないインストゥルメンタルバージョンの二つのどちらかを聞かせて、ボーカルの有無の違いも調べました」


「そして、就寝中の脳波、心拍数、呼吸、睡眠ポリグラフィを使って、参加者の睡眠の質を調べました」


「分析の結果、寝る前に音楽を聞くとイヤーワームを発生させ、睡眠の質が低下することが判明しました!」


「寝る前に音楽を聞いた場合、寝付きが悪く、目が覚めることも多く、深い睡眠に入っていませんでした」


「どうやら眠っていても、頭の中では寝る前に聞いた音楽が流れており、頭の中で音楽を処理しているので睡眠の質が低下したようです」


「一見休んでいるように見えるのですが、実は頭の中に残った音楽を処理するために脳は働いていたのです。脳が働いているので、しっかり休むことができず、睡眠の質が悪化するのです」


「読者様、いい睡眠のためには音楽はあまり聞かないほうがいいかもしれません。少なくとも、寝る前に音楽を聞くのはオススメできません」


「音楽は夕方までにしましょう」


「え? 『それでも、寝る前に音楽を聞きたい』ですか。仕方ないですね」


「音楽を聞きたい読者様にアドバイスです。ボーカルのあるオリジナルバージョンとボーカルのないインストゥルメンタルバージョンでは、イヤーワームの発生に大きな開きがありました」


「インストゥルメンタルバージョンはオリジナルバージョンに比べて2倍のイヤーワームを発生させていました」


「ボーカルがあるほうがイヤーワームを発生させそうなものですが、実際はインストゥルメンタルバージョンのほうが多かったのです」


「歌がないから大丈夫、なんてことはないのです。必ずしもキャッチーなフレーズがイヤーワームを起こすわけではないのです」


「ですので、読者様が寝る前に音楽を聞くなら、ボーカルありバージョンにしてください」


「寝る前にリラックスするために、クラシック音楽を聞く読者様もいると思いますが、それは逆効果かもしれません」


「睡眠の質が低下するので、ゆっくり休めなくなります。寝る前に聞く音楽はボーカルのある歌にしましょう」


「ボーカル最高、という所で今回のまとめです」


「研究者は音楽と睡眠の質に関するアンケートを行ったよ」


「すると、音楽をたくさん聞く人ほど、イヤーワームに悩まされて、睡眠の質が低いことが判明したよ」


「次に、実験室で音楽を聴いてもらってから眠ってもらったよ」


「やっぱり、音楽を聴いてから寝ると睡眠の質が低下することが確認されたよ」


「ボーカルがないほうが、より睡眠の質を低下させていたよ」


「音楽をたくさん聞くのは睡眠の質を下げるから、特に寝る前に聞くのは控えた方がいいよ」


「頻繁にイヤーワームに悩まされている読者様がいるなら、それは音楽の聞きすぎです」


「音楽鑑賞を控えた方がいいです。音楽以外の趣味を持つようにしましょう」


「また、イヤーワームに悩まされたら、他のことに意識を向けると解決します」


「5分でいいので、本を読む、ゲームをする、動画を見る、感情を紙に書き出す、など意識を他のことに向けると解決します。とにかく音楽から気を逸らしましょう」


「読者様、音楽は使い方次第で毒にも薬にもなります。使い方を間違えずに、有効活用してくださいね」


「少なくとも、寝る前に音楽を聞くといい、というのは間違ってそうです」


「ということで、今回は『音楽をよく聞く人は睡眠の質が低い』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『自然の音が健康にしてくれる』で、会いましょう!」


「いくぜ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Bedtime Music, Involuntary Musical Imagery, and Sleep

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