331_悪夢を見るのは認知機能の衰えの証 #夢 #認知

「ドイツのロマン主義の詩人ノヴァーリスは『深遠な知恵のつまった書物には、信頼にたる人たちのみた夢が数え切れないくらいでてきます』と語っています。良書は本当に知見を深めてくれます」


「やっほー、人生の悩みが解消しているに違いない読者様。知ってて損のない知識を配達している世界一の美女サクラです! 今回は『悪夢を見るのは認知機能の衰えの証』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は悪夢を見ますか? 悪夢は成人の5%は毎週見ているとされます」


「悪夢を見て、ベッドから飛び起きた、なんて経験がある読者様もいるかもしれません」


「悪夢については、”074_悪夢を見ると現実の恐怖に強くなる【夢のトレーニング】”で話したように、現実でのトレーニングになるということをお話ししました」


「つまり、悪夢を見ても問題ない、むしろメリットがある、と」


「しかしですね、悪夢を見ることが必ずしもいいことばかりではないみたいです。悪夢にはマイナス面もあるのです」


「今回は悪夢を見るデメリットを紹介したいと思います。悪夢を見ている読者様は心して聞いてください」


「イギリスのバーミンガム大学の研究を参考にさせていただきます」


「研究者は3つの睡眠と認知機能に関する研究を分析して、悪夢を見るデメリットを調べました。アメリカの中年を調べた研究、骨粗鬆症の研究、男性の骨粗鬆症の研究の3つです。どの研究でも悪夢についてのアンケートが含まれていました」


「対象となったのは、平均年齢50歳の中年605人と、平均年齢82才の高齢者2600人です。調査期間は最大で13年間です」


「そして、悪夢をよく見ている人と、見ていない人を比べました」


「読者様は、悪夢を見ているとどのようなデメリットがあると思いますか?」


「悪夢を見るのでストレスを抱えているのでしょうか?」


「悪夢を見るのは不安の現れなのでしょうか?」


「それとも、病気の人が悪夢を見るのでしょうか?」


「それでは、答え合わせタイムです」


「まず、どのくらい人数が悪夢を見ているか判明しました」


「全体の77%は前月に悪夢を見ていないと報告しました」


「悪夢を見ているのは4人から5人に1人くらいですね」


「その中でも6%が毎週1回以上は悪夢を見ていると報告しています」


「肝心の悪夢を見るデメリットですが、それはーー」


「認知機能の低下でした!」


「悪夢をよく見る人は、悪夢を見ない人に比べて認知症になる確率が高かったのです」


「中年の場合、毎週1回以上悪夢を見ている人は、認知機能が低下するリスクが4倍でした」


「高齢者の場合は認知症のリスクが、2.2倍上がっていました」


「また、女性より男性のほうが悪夢と認知機能の関連が強いことも判明しました」


「読者様も悪夢を見ていませんか? 特に男性の読者様」


「もし悪夢を見ているのなら、それは認知機能が低下しているサインかもしれません。気を付けてください」


「運動、食事、睡眠を見直す機会にしましょう」


「運動すれば、脳が鍛えられます。加工食品を減らせば、体内の炎症が減ります。質の高い睡眠で脳を休めましょう。普段からの行いが認知機能を高めます」


「ちなみに、青年期から中年期にかけては女性のほうが悪夢を見やすいことも判明しました」


「ただ、65歳頃から性別による差はなくなるそうです」


「悪夢を見る頻度はそれぞれ、中年男性が4.1%、高齢者男性が8.5%、中年女性が7.4%、高齢者女性が5.7%でした」


「男性は中年まではあまり悪夢を見ませんが、高齢者になると悪夢を見るようになるみたいです」


「ですので、現在悪夢を見ている人は将来見なくなるかもしれませんし、逆の可能性もありますよ」


「まあ、あんまり年齢は気にしなくてもいいかも……?」


「そして、悪夢と認知症の関連ですが、研究者は右前頭葉が関係していると述べています」


「前頭葉は感情をコントロールする部位です。前頭葉の機能が落ちると、感情のコントロールが下手になります」


「その影響が夢にまで出て、悪夢を見る、と考えられます」


「他にも、睡眠の質が悪いため、認知症と関連のあるタンパク質が蓄積している、との示唆もあります」


「まあ、ともかく悪夢を見るのはよろしくない、ということです」


「”073_【夢を操る】明晰夢を見るための最適なトレーニング”では、自分の見たい夢を見る方法を紹介しています」


「自分の見たい夢を見れば、認知症のリスクが減るかもしれませんね。試してみたい読者様は今一度確認をお願いします」


「夢ってのは、本当にいろいろなことと関連しているんだな、と感心した所で今回のまとめです」


「研究者が睡眠と認知機能に関する研究を分析したよ」


「すると、悪夢をよく見る人は認知症になるリスクが高いよ」


「中年で悪夢をよく見ていると認知機能の低下リスクは4倍だよ」


「高齢者で悪夢をよく見ていると認知症のリスクは2.2倍だよ。覚えておいてね」


「悪夢を頻繁に見るのは認知症のサインかもしれません」


「読者様の中に悪夢を頻繁に見る人は、一度認知機能を確認したほうがいいかもしれません」


「脳機能が衰えてからでは遅いです。取り返しがつかなくなる前に、早めに対処しましょうね」


「悪夢にはメリットもデメリットもあります」


「できる限りメリットだけを享受できる、賢い選択ができるようにしましょう」


「デメリットだから避けるのではなく、デメリットを活かすのが一流ですよね」


「ということで、今回は『悪夢を見るのは認知機能の衰えの証』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『筋トレは1日6回でいいらしい』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Distressing dreams, cognitive decline, and risk of dementia: A prospective study of three population-based cohorts

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