330_「失業するかも」という不安が性格を悪化させる #ビジネス #不安

「漱石枕流という四字熟語が名前の由来の夏目漱石は『人間の不安は科学の発展から来る。進んで止まる事を知らない科学は、かつて我々に止まることを許して呉れた事がない』と述べています。時代は常に変化しています。乗り遅れることが不安の正体かもしれません」


「やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『「失業するかも」という不安が性格を悪化させる』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様の仕事は順調ですか?」


「技術の進歩によって、数々の仕事が消えると言われています。読者様の中には、ロボットに取って変わられる仕事に就いている人もいるでしょう」


「これからなくなるとされる仕事は、電話のオペレーター、保険の事務員、データの入力、銀行窓口、運転手、飲食店の従業員、レジ打ち、塗装工、壁紙張り職人など、様々です」


「その分、新しい仕事も生まれているのですが……」


「ともかく、これから読者様の仕事はなくなるかもしれません。いつ、仕事がなくなってもおかしくないのです」


「この『仕事がなくなるかも』という思いを抱いていると、性格にまで影響が出る、というのが今回お話したい内容となっています」


「実は、『失業するかも』という不安はとても厄介なんです。仕事がなくなりそうな読者様は心して聞いてください」


「今回、参考にするのはイギリスのリーズ大学などが行った研究となります」


「研究者はオーストラリアで行われている大規模な調査HILDAのデータを使いました」


「HILDAではオーストラリア人の家計、所得、仕事に関する調査を行っている他、ビッグファイブを使用して性格に関する調査も定期的に行われています」


「つまり、仕事に対する不安がある時、どのような性格の変化があるのか調べたのです」


「調査の対象となったのは、1046人の労働者。追跡期間は9年間でした」


「さて、読者様はどのように思いますか?」


「おそらく、仕事に不安があるので、いい意味での性格の変化はないでしょう」


「では、何が変わるのでしょうか?」


「ビッグファイブでは、協調性、外向性、開放性、誠実性、神経症傾向の5つから診断します」


「どの項目が悪くなると思いますか?」


「協力しなくなるのでしょうか? 内向的になるのでしょうか? 好奇心が失われるのでしょうか? 不真面目になってしまうのでしょうか? メンタルが弱々になるのでしょうか?」


「どれが当てはまってもおかくしくなさそうです」


「では、分析の結果ですが、仕事がなくなるかもと思っていると、神経症傾向と協調性と誠実性が悪化していました!」


「読者様も失業するかもという不安に苛まれていると、知らず知らずのうちに性格が悪くなっているかもしれません」


「将来なくならない仕事に転職することを検討しましょうね」


「ここからは具体的な性格の変化を言及していきます」


「まず、神経症傾向の悪化ですが、感情が不安定になっていました」


「ちょっとしたことでイライラしたり、不安になりやすく、落ち込みやすくなっていました」


「不安が長く続くと、いつしか『もう何も変わらない』と諦めてしまいます。その状態が長く続くと、うつ病の危険性があります」


「メンタルの悪化は様々な悪影響があります。気を付けてくださいね」


「次に、協調性の悪化ですが、慢性的に不安に晒されていると関心が自分の内側に向きます」


「誰かと協力することが難しくなります。チームの和を乱す言動が増えることでしょう」


「こうなってしまったら、組織に所属するのが難しくなります。独立するのがいいかもしれません」


「最後に、誠実性の悪化ですが、努力したり目標を立てることがなくなりました」


「本人にやる気がないのは、本人の問題です」


「しかし、職場にやる気のない人がいると、そのネガティブな影響は他の人にも影響します」


「やる気がない人が一人いるだけで、職場の雰囲気が悪くなるのです。当然、仕事にも影響が出ます」


「そうなれば、クビになるのも時間の問題でしょう。恐ろしや恐ろしや」


「つまり、『仕事がなくなるかも』と思ってずっと働いていると人間関係に問題を抱え、仕事もできなくなります」


「『仕事がなくなるかも』という不安が不安でなくなり、現実になる可能性が高くなります。仕事ができない人が切られるのは仕方ないですよね」


「読者様も、将来なくなる仕事に就いていたとしても、不安に思わないようにしてください」


「不安に思う心が、不安を現実にする第一歩なんです。時には楽観的に考えましょう」


「え? 『楽観的に考えろ、って言われもわからない』ですか。では少しアドバイスをしましょう」


「人生というのは常に安定しているものではありません。不安定になったり、思わぬ落とし穴があるものです」


「ですので、失業さえも受け入れましょう。それに、生きていくだけなら、そんなに大変ではありません」


「悪いことがあれば、いいこともある、と思えばやり過ごせます」


「それに、変えられない現実をいつまでも見ていても仕方ありません」


「クビになったり、会社が倒産するのは、自分ではどうにもなりません。もっと、自分の力で変えられるものに目を向けると、不安も減ります。自分の力でコントロールできることに集中しましょう」


「他にも、友達を頼るのもグッドです」


「不安を吐き出すだけでも、不安の解消に繋がります」


「それに、新しい仕事を紹介してもらえるかもしれません」


「職場に友達がいると生産性もアップします。自分は新しい仕事に就いて、友達の業績もアップするので一石二鳥です。友達を頼るのは恥ずかしいことではありません」


「弱味を見せて、何を言われるか分からない、と思っている相手は友達ではありません。こちらから切り捨ててやりましょう」


「本当の友達は、困っている時に助けてくれる相手のことですよ」


「対処法さえ知っていれば、案内どうとでもなる、という所で今回のまとめです」


「研究者がオーストラリア人の仕事と性格を調査したよ」


「すると、『仕事がなくなるかも』という失業の不安を抱えていると、神経症傾向、協調性、誠実性が悪化することが判明したよ」


「雇用に不安を抱えているといいことないから、該当する読者様はサクッと転職することをオススメするよ」


「目指せ、ホワイトかつ将来なくならない職場!」


「ということで、今回は『「失業するかも」という不安が性格を悪化させる』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『悪夢を見るのは認知機能の衰えの証』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Effects of chronic job insecurity on Big Five personality change.

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