305_権力者の時間感覚はバグっている #権力 #時間

「アメリカで活動した宗教家のジョセフ・マーフィーは『あなたの上司に対するあなたの考え方や評価を変えなさい。あなたが肯定的に評価すれば、相手もそのようにふるまうでしょう』という言葉を残しています。上司を貶していると、上司からも貶されます」


「やっほー、人生の悩みが減っているに違いない読者様。知ってて損のない知識をデリバリーする世界一の美女サクラです! 今回は『権力者の時間感覚はバグっている』のお話をしまーす」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は『こんなん時間以内に終わらすの絶対無理』みたいな、頭のおかしい仕事を割り振られた経験はありませんか?」


「え? 『ある!』ですか。災難でしたね」


「本当に時間の管理ができない上司につくと大変ですよね」


「どうして上司は時間管理が下手なのかについて、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校が調べてくれました」


「読者様がこれで上司に振り回される理由が判明しますよ」


「研究者は平均年齢19歳の104人の男女を集めて実験を行いました」


「まず最初に、被験者全員に頭の体操のパズルを解いてもらい、自分が権力を持っているかどうか調査しました」


「調査結果に応じて、権力を持っている人に上司、権力を持っていない人に部下の役割を与えました」


「そして、被験者に仕事を割り振るタスクをしてもらいました。また、報酬をどのように割り振るかも決めてもらいました」


「さらに面白いことに、上司に割り振られた人により権力を感じてもらう工夫もしました」


「それは、椅子のグレードアップです」


「椅子にフカフカのクッションを置き、座席の位置を高くしました。物理的に上にいること、上司にのみ許されたクッションによって権力をより感じてもらったのです」


「ちなみに、部下は普通の椅子に座りました」


「きちんと自分の役割を認識させるために、上司なら部下、部下なら上司がいることを教えています」


「これで、自分の役割を正しく認識してくれます」


「とまあ、自分の役割を徹底的に認識させて、仕事を割り振るタスクをさせたのですが、『これで何がわかるの?』と思われるでしょう」


「この実験を行うことで、時間に対する認識が判明するのです」


「たくさんの仕事があり、それを割り振る時、時間の感覚が短い人はあまり仕事を割り振りません」


「ですが、時間の感覚が長い人はこれもあれもできると思って、たくさんの仕事を割り振ります」


「読者様は上司と部下のそれぞれで、仕事の割り振りに違いが出ると思いますか? それとも、同じような割り振りになると思いますか?」


「もし、違うようなら、上司と部下のどっちが時間の感覚が狂っていると思いますか?」


「分析の結果ですね、上司は部下よりも時間が…………長いと感じていました!」


「これこそが、上司が部下に無茶ぶりをする理由だったのです」


「たとえば、締め切りまで1週間の仕事があるとします」


「上司は時間の感覚が長いので、締め切りまで『1週間もある』と思います」


「しかし、部下は上司と時間の感覚が違います。締め切りまで『1週間しかない』と思うのです」


「この上司と部下の時間の乖離が、仕事がうまく回らない理由だったのです」


「上司は部下の仕事が余裕で終わると思っているので、多少仕事を追加しても問題と思います」


「部下は、ギリギリの状態なのに、さらに仕事を追加されるのでパンクしてしまいます」


「よく会社で部長や社長は現場のことを分かっていない、という状態がありますが、原因の一部はこの時間感覚の違いで起こっているのでしょう」


「読者様も上司が無茶ぶりをしてくるなら、上司の時間感覚が狂っている可能性が高いです」


「時間感覚を取り戻すには権力から離れるのが一番です。無礼講な場を用意するといいかもしれません」


「それに、うまくいっている会社では、社長が現役で現場に出ているというのも耳にします」


「現場を直接知ることも大事ですが、部下と同じ時間感覚になることで部下に無茶ぶりしなくなるのかもしれません」


「部下も余裕をもって仕事に臨めるので、トラブルがあっても冷静に対処できるのかもしれません。上司は現場に出ないとダメですね」


「研究者は他にも、時間のコントロール感覚についても調べています」


「先の実験と同じく頭の体操のパズルを解いてもらい、権力を持っているかどうかを調べて、権力者と非権力者で時間のコントロール感覚が違うのか調べました」


「すると、権力者ほど時間を自分でコントロールできている感覚が強いことが判明しました」


「自由に時間を使えると思っているからこそ、仕事くらい余裕で終わらせられる、と思うのかもしませんね」


「その他に、研究者は権力とストレスについての実験を行っています」


「結果、権力者はストレスに強いことがわかりました」


「つまり、上司と部下で同じ仕事を与えられても、上司はあまりストレスやプレッシャーを感じません」


「対して部下は、より大きなストレスやプレッシャーを感じてしまいます」


「適度なストレスはフォーマンスを上げるのに有効です。しかし、行きすぎたストレスは不調の原因となります」


「権力によって感じる違いはとても大きいのです」


「上司が部下と感じていることが違うことを認識していると、うまく回ります」


「しかし、上司が『俺ができるから、お前もできる』なんて思っていると、会社はうまく回りません」


「読者様も、上司と部下の考えに乖離が起きていないか知りましょう」


「上司なら自分の時間の感覚が狂っていないか、考えましょう」


「部下なら、上司の時間の感覚が狂っていないか探りましょう」


「会社がうまく回るのも、回らないのも読者様次第です」


「一人が頑張った所で変わらない、と思うかもしれません」


「ですが、何もしなければ絶対に変化は起きません。小さなことからコツコツと続けていれば、いずれ大きな変化となりますよ」


「塵も積もれば山となるを侮るな、って所で今回のまとめです」


「104人の男女を集めて、権力と時間の感覚について調べたよ」


「すると、権力を持っていると思っている人ほど、時間の感覚が長くなっていたよ」


「『1時間もある』と思うのか、『1時間しかない』と思うかは、権力の所有で変わっちゃうていう話だよ」


「読者様が時間が足りないと感じているのなら、それは権力が不足しているからかもしれません」


「時間がもっと欲しかったら、出生して権力を手に入れましょう!」


「時間というのは老若男女問わず等しく流れます」


「だからこそ、時間が多い=偉い、という図式が成立するのかもしれません」


「いつの時代も永遠の命を欲するのは権力者ですよね」


「まあ、私も不老不死には興味がありますが……」


「ということで、今回は『権力者の時間感覚はバグっている』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価、コメント、お願いします」


「読者様が『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『燃え尽き症候群は3種類あるぞ』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Being Powerful Distorts People's Perception of Time

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