239_無神論者にはモラルがないという偏見がまかり通っている #宗教 #道徳
「イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは『天使は力において神と等しくなろうと欲して法を破って堕ち、人間は知識において神と等しくなろうと欲して法を破って堕ちた』と述べました。天使も人も、欲には抗えません。そして、何もかも失うのです」
「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『無神論者にはモラルがないという偏見がまかり通っている』のお話をしますよ」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は何か宗教を信仰していますか?」
「え? 『特に何もない』ですか。そうですね、日本人の多くは宗教に馴染みがないことでしょう」
「自分の家がどの宗派に属しているかも分からない読者様も多いと思います」
「他にも、12月24日にはクリスマスパーティを開いて、大晦日と元日には神社に詣でて、2月には豆を撒いて、お盆にはご先祖様を供養するような、キリスト教、仏教、神道がごちゃ混ぜになっていることでしょう」
「もちろん、宗教を信じるのは自由ですので、読者様がどのような行事に参加しても問題ありません。宗教を信じるのも信じないのも自由です」
「ですが、無神論者は損をするかもしれません!」
「ということで、無神論者がどのように思われているのか、アメリカのケンタッキー大学が調べた研究についてお話しできればと思います」
「研究者は世界13ヶ国から3256人を集めました。アラブ首長国連邦やインドのような宗教が生活の根幹にある国から、中国やオランダなどの宗教が弱い国も含まれていました」
「参加者には、不道徳的な行為をしている人物についての文章を読んでもらいました。内容としては動物を虐待して、楽しんでいる人物の話です」
「文章を読んでもらった後、参加者の半数に、登場人物についての質問をしました。回答は二択のどちらかです」
「一つ目の選択肢は、教師である」
「二つ目の選択肢は、信仰心の篤い教師である」
「どちらの方が当てはまる確率が高いのか質問したのです」
「残りの半数の参加者には別の質問をしました。回答は同じく二択です」
「一つ目の選択肢は、教師である」
「二つ目の選択肢は、神を信じない教師である」
「この質問も先の質問と同じく、どちらが当てはまるのか答えてもらいました」
「要するに、残虐な行いをするのは無神論者か、それとも宗教家のどちらですか? と聞いたわけです」
「読者様はどちらに票が集まったと思いますか?」
「宗教に熱心が故に、行きすぎるのでしょうか? それとも、神の天罰なんか怖くないから、無神論者が平気で残虐な振る舞いをするのでしょうか?」
「結果はというと、無神論者の方が残虐な行いをする、と思われました!」
「残虐と思われる確率は、およそ2倍でした。宗教家よりも、無神論者が残虐と思われる確率は2倍だったのです」
「この研究は世界で行われました。宗教に関係なく、無神論者は不道徳だと思われたのです」
「参加者の中には宗教家もいましたが、無神論者もいました。ですが、無神論者からも、無神論者のほうが不道徳だと思われていました」
「相手が宗教を信じているかに関係なく、無神論者は不道徳だと思われるのです」
「無神論者は無神論者を守ってくれないです。同族なんて関係なかったのですよ。残念、同族嫌悪なんでしょうかね?」
「残虐な行いをするのは無神論者だ、ということは無神論者は残虐な行いをする、と思われても仕方ありません」
「読者様も、宗教を聞かれた場合は、何も信じていないと答えるより、日本人なら仏教徒と答えるほうがいいイメージを持たれるかもしれません」
「残虐なイメージを持たれて得することなんてありませんから、無難な回答をするほうがいいでしょう」
「とはいえ、今回の研究はあくまで無神論者は残虐である、という偏見です。事実とは異なります」
「ですので、仲良くなって相手に人となりを知ってもらえている場合は、わざわざ宗教家と答える必要はないかもしれません」
「あくまで、初対面の時に宗教を聞かれたら、仏教と答えたほうが無難かな、という感じです」
「どうして無神論者=残虐となったのかと言いますと、長い歴史による宗教の教育が、『道徳には篤い信仰が欠かせない』という思考を植え付けたようです」
「現在では、宗教と残虐性は無関係と分かっていても、長年積み重なった経験のイメージは簡単には払拭できません。そのため、無神論者は不道徳である、という思い込みが今でも残っているのです」
「要するに、昔の政治家が政治に宗教を持ち込んだのが原因ということですね」
「政教分離が叫ばれるようになったのは近代の話ですから、現代人の偏見を取り除くのは苦労しそうですね」
「とにかく過去の偉人が悪い、と責任転嫁した所で今回のまとめです」
「世界から人を集めて、残虐性のある人物についての文章を読んでもらったよ。その後に、その人物について、どのようなイメージが当てはまるのか調査したよ」
「すると、残虐なことをするのは宗教家よりも、無神論者だと思われたよ」
「無神論者が残虐という思い込みは、宗教家よりも2倍も高かったよ」
「無神論者は残虐と思われるかもしれないから、読者様も宗教を聞かれたら何も信じていない、と答えるのは控えたほうがいいかもね」
「道徳と宗教は密接に関わっているということだね」
「ただ、日本は独特な文化をしていますので、日本人にも当てはまるかは微妙です」
「日本人の中には宗教にいいイメージを持っていない人も多いです。そのため、日本人が相手なら無神論者でもいいかもしれません」
「相手が外国人の場合は何かしらの宗教を答えるべきかもしれませんね。臨機応変に対応するしかないです」
「これからはグローバルな時代です。相手にいらぬ偏見を持たれないように、最低限の宗教の知識は頭に入れていたほうがいいのは確かです」
「恥をかかないようにしましょうね」
「ということで、今回は『無神論者にはモラルがないという偏見がまかり通っている』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」
「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」
「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」
「次回の『透明人間を経験するとプレッシャーに強くなる』で、お会いしましょう!」
「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」
参考文献
Global evidence of extreme intuitive moral prejudice against atheists
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます