238_【疼く】古傷が治っても痛む理由とは? #怪我 #中二病

「インドの弁護士であり政治指導者である、マハトマ・ガンジーは『人を憎み続けると、気持ちが荒れて自分が傷付く。好きな人のことだけを想って生きるんだ』と述べました。嫌いな人のことは忘れるのが肝心です。考える時間が無駄です」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『【疼く】古傷が治っても痛む理由とは?』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は古傷が痛むことはありますか?」


「つまり『封印が暴れる、邪竜を封印した右腕が疼く。静まれ、俺の右腕ぇぇぇ!』というやつです。……自分で言っておきながら、これは違いますね」


「失礼しました」


「気を取り直して、最初から始めましょう。読者様は古傷が痛むことがありますか? 子供の頃にした大怪我が何年経っても、ジクジクと痛む経験はありませんか?」


「病院に行っても外傷はなく、至って健全と診断されたことはありませんか?」


「『そんなことがあるのか?』と思う読者様もいるでしょうが、実際に存在します。後遺症はないと診断されても具合が悪くなる患者が、世の中にはいるのです」


「どうして、外傷が治っているのに古傷が痛むのかオーストラリアのモナシュ大学が調べてくれました」


「過去の大怪我に悩んでいる読者様がいましたら、是非ご活用ください」


「研究者はまず、16歳以上の時に大怪我をした経験がある人を66人集めました。参加者の平均年齢は50歳でした」


「どのような大怪我をしたのかと言いますと、胸やお腹に怪我をしたのが36人、頭に怪我をしたのが13人、整形外科で済んだのが7人、その他という感じです」


「大怪我をした状況は、交通事故が36人、高所からの落下が13人、その他となりました」


「大怪我をしても36人は職場に復帰していました」


「参加者に、大怪我から3年後、4年後、5年後にそれぞれインタビューを行い、現状を確認しました」


「インタビューは半構造化面接の形式で行われました。しかも経験豊富な人が面接官をしました」


「半構造化面接とは、最初は決められた質問を行いますが、状況に合わせて面接官が自身の裁量の範囲内で自由に質問をする形式です」


「柔軟なコミュニケーションが取れて、人間性や状況などをより深掘りできます。今回のインタビューでも体の状況以外に、仕事や趣味についても質問しています。参加者のことを深く知れたに違いありません」


「どうして、外傷は治っているのに古傷が痛むのでしょうか? この謎の答えが読者様は分かりますか?」


「外傷が治っているから精神的なもの? それとも、医者が見落としているだけで、実は完治していない? もしくは、患者の気のせい? 一体何が真実なのでしょうか?」


「では、答え合わせといきましょう」


「古傷が痛む理由というのは…………運動不足が原因だったのです!」


「大怪我をした後、被験者の運動量はグーンと減っていました」


「やはり、運動量が減ると健康に悪影響を及ぼします。筋肉が減り、脂肪が増えます。内蔵や骨が弱ることもあるでしょう」


「運動量が減ることで、体に異変が起こって古傷が痛む、と考えられます」


「ただですね、大怪我をすると運動量が減るということは以前から判明していました。ですので、研究者はもう一歩踏み込んで、どうして運動量が減るのか調べました」


「読者様に次の謎です。どうして、大怪我をした後に運動量が減るのでしょうか? ちなみに外傷は治っているので、運動ができないことはありません」


「大怪我をしたから、運動するのが億劫になった? 大怪我の治療費を払うために運動する時間がなくなった? それとも、運動に飽きたのでしょうか?」


「正解は…………恐怖でした!」


「運動すると『また、怪我をするのではないか?』という恐怖に支配されて、運動ができなくなっていたのです」


「一度運動の習慣がなくなると、体重が増え、不健康になります。すると『自分はダメだ』とネガティブな感情も出てきます」


「そうなると、もう手遅れです。運動する気力なんてありません。運動からどんどん遠ざかっていくのです」


「要するに、大怪我が一種のトラウマになってしまったのです。『もう怪我をしたくない』『以前と同じように動けるか分からない』という恐怖と不安が運動を踏み止まらせていたのです」


「読者様は大怪我をした経験がありませんか? もしあるなら、何かしら無意識のうちに踏み止まっている可能性があります」


「参加者も心の傷まで治っている人は多くありませんでした」


「つまり、外傷は治っても、心の傷は5年経っても治っていなかったのです」


「根本からの回復には、外傷を治すだけではダメなのです。患者のトラウマもなくしてこそ、本当の治療と言えるでしょう」


「古傷の痛みをなくすには、心の痛みを治さないといけないのです」


「トラウマを克服しない限り、古傷は痛み続けますよ」


「古傷って滅茶苦茶厄介じゃん、という所で今回のまとめです」


「大怪我を経験したことがある人を集めてインタビューを行ったよ」


「すると、大怪我をした後から、運動量が減っていることが判明したよ。運動量が減ることで、健康被害が増えたり、ネガティブになったりしたことで、古傷が疼くと考えられるよ」


「さらに詳しくインタビューをしたら、運動不足の原因が判明したよ。それは、恐怖によって起こったよ」


「また怪我するのじゃないか? 元に戻れるか分からない? という恐怖と不安で運動を忌避していたよ」


「そのため、いつまで経っても古傷が癒えていなかったよ」


「読者様も、大怪我をした経験があるのなら、外傷だけでなく、心の内側もケアしようね。ちゃんと治さないと、いつまで経っても古傷が疼くよ」


「まあ、中二病ごっこを大人になっても続けないのなら、治さない方がいいかもしれませんね。…………そんな大人いるのかな?」


「居たとしても、関わりたくないないなぁ…………」


「中二病のことは置いておいて、大怪我をすると外傷だけでなく、心にも傷を負うことになります。このことは忘れないでくださいね」


「外傷が治っているからと言って、全快しているとは限りません」


「身近に大怪我をした人がいましたら、運動不足に陥っているかもしれません。どこかアウトドアに連れ出すと、傷の治りが早くなるかもしれませんね」


「自然はメンタルにいいですからね。トラウマにも有効でしょう」


「ということで、今回は『【疼く】古傷が治っても痛む理由とは?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『無神論者にはモラルがないという偏見がまかり通っている』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Adaptation, self-motivation and support services are key to physical activity participation three to five years after major trauma: a qualitative study

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