214_【トラウマ克服】恐怖を乗り越える方法 #感情 #苦痛

「第32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズヴェルトは演説にて『われわれが怖れなければならないただひとつのことは、恐怖そのものである』と話しました。恐怖を怖がれば、何事にも慎重になるかもしれませんね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『【トラウマ克服】恐怖を乗り越える方法』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はトラウマを持っていますか?」


「何か特定のものに恐怖を覚えたりすることはありますか?」


「触るのが嫌、見るのも嫌。そんな存在がありますでしょうか?」


「以前には恐怖にメリットがあると語っています。”074_悪夢を見ると現実の恐怖に強くなる”や”125_ホラー映画を見ると予測する力が鍛えられる”や”126_自らお化け屋敷に入る人はリラックスして気分がよくなる”などです」


「ですが、メリットがあるからといって自ら受けたいかと言えば、ノーですよね。できる限り遠ざけたいのが実情でしょう」


「でも、成長を望む読者様なら。トラウマを克服したい、と思ってくれるでしょう」


「ですので、今回はトラウマ克服に役立つ知識を紹介したいと思います」


「今回の研究はスウェーデンのウプサラ大学が調べたものとなります」


「研究者はまず、45人のクモ嫌いの人を集めました。ただのクモ嫌いではなく、クモの写真を見ることもできないような、滅茶苦茶クモが嫌いな人を集めていました」


「そんなクモ嫌いの被験者に何をしたのかと言いますと、クモの写真を見せたのです!」


「そして、時間を置いてから、もう一度クモの写真を見せました」


「時間を置く際に被験者を二つのグループに分けていました。一つは一回目のクモの写真を見てから、10分後にもう一度クモの写真を見るグループ」


「もう一つは、一つは一回目のクモの写真を見てから、6時間後にもう一度クモの写真を見るグループ」


「被験者にはクモの写真を見る際にMRIをつけてもらい、恐怖をどのくらい感じているのか調べました」


「要するに、一回クモの写真を見てから、時間を置いてからもう一度クモの写真を見た時に恐怖が薄らいでいるのか調べたのです」


「人は慣れる生き物です。たとえ、嫌いなものでも写真を見たら少しは慣れます。その時間が短い場合と長い場合で、恐怖がどのように薄らぐのか調べたのです」


「さて読者様はどう考えますか? 短時間で見たほうが、記憶に残っているから恐怖が薄らぐでしょうか? それとも長い時間を置いて、一度冷静さを取り戻したほうが恐怖心は和らぐのでしょうか?」


「もしくは、先程の恐怖を知っているからこそ、短時間での恐怖は倍増するのでしょうか?」


「どうなんでしょうね?」


「結果は、10分後に二度目のクモの写真を見たグループは恐怖を感じていませんでした!」


「脳には扁桃体と呼ばれる部位が存在しています。扁桃体は恐怖を感じると強く活動するのですが、10分後に二度目のクモの写真を見たグループの活動は弱くなっていました」


「つまり、一度目に比べて、恐怖を感じなくなっていたのです」


「対して、6時間後に二度目のクモの写真を見たグループの扁桃体の活動に変化はありませんでした」


「一度目と同じくらいの恐怖を二度目も感じていたのです」


「読者様も恐怖を味わうのなら、短時間に連続して行ったほうが総合的な恐怖は少ないですよ。時間を置いたらダメみたいです。覚えておいてください」


「え? 『時間が経過したら、どっちのグループも同じにならないか?』ですか。鋭い指摘をありがとうございます」


「実験には続きがありまして、二度目のクモの写真を見てからさらに24時間後に、再度クモの写真を見せたのです」


「その結果、10分後に二度目のクモの写真を見ていたグループは相変わらず扁桃体の活動が弱まっていたのです」


「つまり、短時間でクモの写真を見続けたら、トラウマの克服に繋がるのです」


「時間をかけていると恐怖心を忘れてしまいます。そのため、何度も新鮮な恐怖を味わうことになります」


「ですが、短時間で済ませると、脳が慣れてくれます。恐怖を覚えている間に次の恐怖が来るので耐性がつきます。一度耐性がつけば、次からは恐怖が和らぐでしょう」


「もし可能なら、トラウマの克服は一気に行ったほうがいいかもしれませんね」


「いやー、被験者には感謝しても感謝し足りません。わざわざ、クモが嫌いなのにクモの写真を見てくれたのですから。敬意を表します」


「え? 『どうして被験者は協力してくれたのか』ですか。確かに、わざわざ恐怖を味わうなんて、頭がおかしいと思われても仕方ないですよね」


「では、全ての被験者の頭がおかしかったというと、そんなことはありません。答えはシンプルです」


「お金です」


「被験者はクモの写真を見るとお金がもらえたのです。単に金銭欲に負けた結果、クモの写真を見ていたのです」


「この時の反応も面白いものです。お金欲しさにクモの写真を見る決心をした時の脳の活動を調べた所、10分後にクモの写真を見たグループでは恐怖心が薄らいでいました」


「一方で、6時間後にクモの写真を見ていたグループは扁桃体が活発なままでした。つまるところ、恐怖心と戦いながらクモの写真を見ていたのです」


「お金が欲しい、でも怖い。やっぱりお金が欲しいから、クモを見ます。という流れだったのです」


「つまりですね、トラウマってのはお金で解決できるかもしれないのです」


「人はお金がもらえると分かっていると、恐怖とも戦えるのです。面白いですよね」


「結局、世界は金、金、金なんですよ、という所で今回のまとめです」


「超がつくほどクモ嫌いの人を集めて、クモの写真を見せたよ」


「一度見せてから、10分後にもう一度見せると恐怖心が和らいでいたよ」


「でも、6時間経った後にもう一度見せた場合は、普通に恐怖を感じていたよ」


「どうやら、短時間で何度も恐怖を味わうと耐性ができて、トラウマの克服に繋がるよ」


「読者様も何か克服したいものがあるなら、短時間に一気に済ませたほうが成功しやすいかもしれません」


「ただ、お試しの際はお気をつけて行ってください。メンタルの不調は簡単には治らないこともあります。成功しなくても私は責任を取れませんよ」


「それにですね、今回の実験はクモの写真で行っています。実物でも効果があるのか不明です」


「クモ以外のトラウマにも有効なのかも不明です」


「ですので、記憶の片隅に留めておくくらいで丁度いいと思います」


「ということで、今回は『【トラウマ克服】恐怖を乗り越える方法』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『専門家にアドバイスを受けるときの注意点【8選】』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Disrupting Reconsolidation Attenuates Long-Term Fear Memory in the Human Amygdala and Facilitates Approach Behavior

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