212_リモートでアイデアを作るとしょぼくなる #アイデア

「第28代アメリカ合衆国大統領ウッドロー・ウィルソン は演説で『一つの冷静な判決は性急な千の会議にまさる』と述べました。急がば回れ、ですね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『リモートでアイデアを作るとしょぼくなる』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はリモート会議が多いですか?」


「リモート会議というのはわざわざ集まらなくてもいい反面、とても疲れることが分かっています。リモート会議については以前に”160_リモート会議が対面の会議より疲れる4つの理由”で、お話ししています。よろしければ、再読をお願いします」


「今回はですね、リモート会議とアイデアの関係についてお話ししようかと思います」


「実は、リモートでアイデアを出し合うとですね、アイデアが…………さて、どうなるのでしょうか?」


「答えは、もう少しお待ちください」


「今回の研究はコロンビア大学が行ったものとなります」


「まず研究者は大学生などを実験室に集めて、ランダムにペアを組ませました」


「ペアには二つの方法でアイデアを出してもらいました。一つ目は対面で直接会ってアイデアを出すグループ。もう一つはテレビ電話を繋いでリモートでアイデアを出してもらいました」


「アイデアを出す時間は5分間でした」


「そして、アイデアの量やアイデアの独創性を調べたのです」


「要するに、直接会った場合とリモートでアイデアを出した場合で、アイデアに違いが出るのか調べたのです」


「さて、読者様はどう考えますか? 直接とリモートのどちらが優れていると思いますか? それとも、どちらも同じ結果だと思いますか?」


「直接会ったら、緊張してアイデアどころではないのでしょうか? リモートだと疲れるからアイデアは出ないのでしょうか? それとも、アイデアに距離は関係ないのでしょうか?」


「結果は…………アイデアの量、アイデアの独創性共に直接会って出しあったほうが勝っていました」


「つまり、リモートでアイデア出しをすると、いいアイデアが生まれないのです!」


「読者様の会社は大丈夫ですか? リモートで仕事を進めるようになってから、革新的なプロジェクトが減っていませんか?」


「その原因はもしかしたら、リモート会議でアイデアを出しているからかもしれませんよ」


「研究者は次に、働いている人にも協力してもらいました。先の実験では研究室に集められて、実験を行いました」


「次の実験では、実際に働いている人を対象に行いました」


「研究者は通信インフラ企業に協力を求めて、世界5ヶ国から1490人のエンジニアを集めました。対象の国はフィンランド、ハンガリー、インド、イスラエル、ポルトガルの5ヶ国です」


「集められたエンジニアは先の実験と同じくランダムでペアになってもらいました。もちろん、直接会うグループとリモートで行うグループに別けました」


「先の実験ではアイデア出しの時間は5分間でした。ですが、今回の実験では1時間でした。時間が足りない、ということはないでしょう」


「そして、出されたアイデアを精査したわけです」


「結果は、先の実験と同じでした。時間が延びたとしても、リモートだとアイデアの量や独創性は敵いませんでした」


「やはり、リモート会議のアイデア出しは向いていないことが判明したのです」


「こればかりは残念としか言いようがないです」


「どうして、リモート会議だといいアイデアが出ないのか研究者によりますと、『画面を見ている時間が長いから』だ、そうです」


「どうやら、相手とコミュニケーションを取るために画面を見ている時間が長くなり、アイデアに割く時間が減っていたのです」


「画面越しだとどうしても細かい情報が伝わりません。そのため、コミュニケーションを取るために必要以上に時間を割くことになります」


「いいアイデアを出すために有効なことがいくつか判明しています。たとえば、部屋の中に小道具が多いとアイデアがよくなる、ということがあります」


「読者様も、何となく見ていた小物からアイデアが降って湧いた経験はありませんか? いろいろな刺激を受けることでアイデアが出てくるのです」


「リモートだと相手とコミュニケーションを取るために画面を見ます。部屋を見回すことが減って、小道具による刺激が減ります。そのためアイデアが減ったのです」


「相手に時間を割くこと、刺激が減ること、この二つの原因でリモートだとアイデアが出なくなるのです」


「どうでしょう? 読者様も当てはまりませんか? リモート会議をしていて、相手の言葉に相槌ばっかり打っていませんか? ついつい画面を凝視していないですか?」


「もし心当たりがあるなら、読者様のアイデアは詰まらないものになっていますよ。気を付けてください」


「アイデアの出し方についてはいくつか紹介しています。”016_アイデアマンになりたければアレを想像せよ”、”086_斬新なアイデアを生み出す必須要素”、”156_60%も多くアイデアを閃く方法があった”、”179_幸せな音楽を聴くとアイデアが閃きやすくなる”などを参照してください」


「過去の宣伝を挟んだ所で今回のまとめです」


「研究者は大学生や労働者を集めて、適当にペアを組ませて、アイデアを出させたよ」


「その時に、対面で直接会うグループとリモートで行うグループに別けたよ」


「そしたら、リモートでアイデアを出したグループは、アイデアの量とアイデアの独創性がしょぼかったよ」


「どうやら、リモートだとコミュニケーションに時間を多く使っちゃうから、アイデアに使う時間が減るみたい。気を付けてね」


「リモート会議は便利ですが、アイデア出しには向いていません。リモート会議はアイデアの発表の場にすると、よろしいかと思います」


「何でもかんでも技術に頼っちゃダメ、ってことですね。私も気を付けないといけませんね」


「ということで、今回は『リモートでアイデアを作るとしょぼくなる』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『SNSで正直になれば幸せになる!【幸せへの一歩】』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Virtual communication curbs creative idea generation

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