210_プロのシェフが作るチャーハンを研究した話【美味しいチャーハンの作り方】 #食べ物 #食事

「ロシアの作家ミハイル・アルツィバーシェフは著書『サーニン』にて、『お前のいちばんひどい不幸とは、それ自身が不幸だからじゃない。お前が自分と自分の生涯の間に、そのような不幸があると思っているからなんだ』と記しています。不幸も不幸だと思わなければ、不幸たりえません」


「やっほー、人生よくなってるはずの読者様。タメになる情報をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『プロのシェフが作るチャーハンを研究した話【美味しいチャーハンの作り方】』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「世界には様々な研究をする人がいます。健康であったり、心理学であったり、音楽であったり、人間関係であったり、研究は多岐に渡ります」


「さて、読者様はチャーハンは好きですか?」


「え? 『大好き!』ですか。そうですよね、チャーハンは美味しいですよね」


「そして、世界にはチャーハンを研究する方もいらっしゃるのです!」


「ということで、今回はチャーハンについての研究をご紹介したいと思います」


「いやー、本当に色々な人がいますよね。世界って広い!」


「今回の研究はアメリカのジョージア工科大学の研究です。それにですね、今回の研究者は二回イグノーベル賞を受賞した経験がある人です」


「一度目は哺乳類のおしっこはだいたい21秒という研究です。二度目はウォンバットのうんちが四角い理由、で受賞しています」


「もう一度言わせてください。世界には本当に色々な人がいますね」


「そんな研究者がある日、チャーハンに興味を持ちまして、研究を始めました」


「チャーハンというのは美味しく作るためには重い中華鍋を絶えず振り続けなければいけません」


「これはメイラード反応の際に焦げなくするためです。メイラード反応とは、糖を加熱した際に褐色物質(メライノジン)を産み出す反応のことです」


「チャーハンを炒めたら香ばしい匂いがしますよね。あれがメイラード反応です」


「要するに中華鍋を振らないとお米が焦げます。米と中華鍋の接触を減らすために鍋を振り続けなければならないのです」


「ですが中華鍋は重いです。振り続けるには体力も必要ですし、体に負担がかかります」


「それに1200℃という高温で炒めますので、熱気もバカになりません。体力も奪われます」


「ですので、中華料理の料理人の64.5%は体に不調を抱えています」


「実に料理人の18人のうち2人が怪我で仕事を辞めるそうです。そんな料理人の負担を減らすためにも、研究者が立ち上がったのです」


「偉い! 立派! 研究者の鑑! 最初は『変な研究をしているな』、と興味がなくて、ごめんなさい。あなたたちはとても素晴らしい研究者です」


「それで、研究者が何をしたのかと言いますと、台湾と中国で活躍するプロのシェフが中華鍋を振っている様子を撮影しました。全部で5人のシェフを撮影しまして、合計で276回のチャーハン作りが納められました」


「そして動画を分析した、というわけです」


「分析の結果、チャーハンを作る時の大事な動作が判明しました」


「さて、読者様はチャーハンを作ったことがありますか? その際は何に気を付けていますか?」


「焦げないようにするのは当然ですが、中華鍋の振り方で気を付けていることはありますか?」


「思いっきり振って米を浮かせますか? それとも、お玉やヘラでかき混ぜるだけにしてますか?」


「そもそも一般家庭に中華鍋はあるのでしょうか? 大抵の家庭ではフライパンでチャーハンを作りますよね」


「さて、プロのシェフが何をしていたのかと言いますと、中華鍋を前後に振っていることが判明しました」


「どうやら、シーソーのように前後に中華鍋を動かしていました」


「もう少し具体的に説明しますと、まず中華鍋の手前を持ち上げて傾きを作ります。次に手前に上げた中華鍋を下げて、水平にしていました」


「流れるように動かして、今度は手前側を下げていました。最初とは反対方向に傾けていました」


「そう、シーソーがギッタンバッタンして、左右の椅子が交互に上下するように、中華鍋も手前と奥が交互に上下していたのです。この動きによって中身がいい感じに混ざり合うようです」


「しかも、一連の動作は1回あたり3分の1秒で行われていました。超高速ですね」


「チャーハンといえば、鍋を振っているイメージがありますが、プロがしていることは前後に傾ける動作がほとんどだったのです」


「いやー、面白いですね。振っているのは間違いないのですが、私のイメージとは全く違いました」


「もっと豪快に鍋を振って、お米を中に舞い上がらせるイメージがありました。ですが、それは間違いだったのです」


「読者様もチャーハンを作る際は参考にしてください」


「…………ただ、プロのシェフは五徳を使っているので、家庭のコンロで再現するのは難しいかもしれません」


「仕方ないですね。今回の研究は業務用の炒め物ロボットに活かすための研究です。家庭で役立つ研究ではありません」


「ですが、この研究が進むことで、家庭でも美味しいチャーハンが食べれるのは間違いないです」


「年々、加工食品の味のレベルは上がっていますが、まだまだ上がる余地があるということです。一人暮らしの人や料理ができない人には、とてもありがたい研究となるでしょう」


「チャーハンはまだまだ美味しくなるぞ、という所で今回のまとめです」


「イグノーベル賞を受賞したことがある研究者がガチでチャーハンの研究をしたよ」


「プロのシェフにお願いして、中華鍋を振っている様子を撮影させてもらったよ」


「すると、プロのシェフは中華鍋をシーソーのように前後に振っていることが分析で明らかになったよ」


「中華鍋を豪快に振って米を中に舞い上げるようなことはしてなかったよ」


「これで読者様も美味しいチャーハンが作れますよ。是非、お試しください」


「ちなみに、一部の撮影はスマホで行われました。スマホでも精細に撮影できますので、分析するのに十分なんですね。技術の進歩って本当にすごいですよね」


「それに、無料の動画変換ツールを使っていたりもしていました。……もしかして、予算がなかったのでしょうか?」


「ま、まあ、予算がなくても工夫すれば世の中に役立つ研究はできますよね。大事なのは結果です!」


「うんうん、大事なのは結果結果」


「ということで、今回は『プロのシェフが作るチャーハンを研究した話【美味しいチャーハンの作り方】』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、読者様が知りたい情報のリクエストも待ってまーす!」


「次回の『女性はハイヒールを履くと魅力が高まる』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。バイバイ」



参考文献

The physics of tossing fried rice

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