207_脱水状態から回復するには水をどれくらい飲まないといけないのか? #肉体 #認知

「戦国時代の剣豪宮本武蔵は『五輪書水の巻』にて『常の身を兵法の身とし、兵法の身を常の身とする』と記しています。これは、練習は本番のように、本番は練習のように、という意味です。言うは易し行うは難し、の典型ですね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『脱水状態から回復するには水をどれくらい飲まないといけないのか?』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はちゃんと水を飲んでますか?」


「水は人体を構成する要素として、体重の60%~70%を占めています」


「体の大部分を占めているのが水なんですよ。だからこそ、水分補給は大事です」


「では一体、どのくらいの水分補給が必要なのか分かりますか?」


「ということで、中国の北京大学が水分補給に関する研究を行ってくれました」


「研究者は健康な18歳~23歳の大学生64人を集めました。男女比はちょうど半々です」


「被験者には午後8時~午前8時の12時間に渡って絶食をしてもらいました。食べ物と飲み物を禁止してもらいました」


「午前8時に尿検査と血液検査を行って、喉の乾き具合や気分について質問しました。他にも認知機能を調べるテストも行いました」


「検査が終わると被験者を4つのグループに分けました。水を500ml飲むグループ、水を200ml飲むグループ、水を100ml飲むグループ、水を飲まないグループです」


「ちなみに中国では冷たい水を飲むより暖かい水を飲む習慣があります。そのため、水の温度は30~40℃の温めに維持されていました。飲み慣れていない冷水で結果が変わることを懸念したようです」


「そして水を飲んでから、90分後に再度検査をしました」


「スケジュールを簡潔にまとめますと、午後8時~午前8時は絶食、午前8時に検査、午前8時半に給水、午10時に再検査、となります」


「今回の実験は要するに、脱水状態の時からどのくらいの水を飲めば能力が回復するのか調べたのです」


「さて、読者様はどう考えますか?」


「そもそもの話、脱水状態の時に能力は落ちると思いますか? 少しくらいの脱水なら問題ないと思いますか? それとも、12時間の脱水をすると能力が落ちるのでしょうか?」


「能力が落ちるのなら、どれくらいの量の水で回復できるのでしょうか? 100mlで十分でしょうか? 200mlは必要なのでしょうか? いやいや、500mlは必須なのでしょうか?」


「はたして結果はいかに?」


「まず、水分補給の影響ですが、500mlもしくは200mlの水を飲んだグループは喉の乾きが癒えていました。ですが、100mの水を飲んだグループでは喉の乾きは改善されませんでした。水を飲まなかったグループはむしろ悪化していました」


「このことから、100mlでは足りないということです。水を飲まないのは言語道断です」


「気分についても500mlと200mlでは改善がありました。ですが、100mlと水を飲まないグループでは改善はありませんでした」


「やはり、100mlでは足りない、という結果でした」


「続いて認知機能についてです。認知機能が改善されたのは500mlの水を飲んだグループだけでした。その他のグループでは認知機能が低かったようです」


「脳を働かせるには200mlでは足りないようです。500mlが必要みたいです!」


「読者様は大丈夫ですか? 朝起きた時に水を飲んでますか?」


「夜に眠っている間に汗で水分を失っているという話は有名です。ですので、朝に水を飲む人も多いでしょう」


「ですが、コップ一杯で済ませていませんか? ダメですよ、それでは足りていない可能性があります。脳の機能が落ちた状態で仕事や学校に行ってませんか? 本当に大丈夫ですか?」


「朝は必ずコップ二杯の水を飲むべきですよ」


「え? 『朝はビールジョッキ(大)で水を飲んでいる』ですか。とても豪快ですね。それならコップ一杯で問題ないですね。盲点でした」


「大きいサイズのコップで水を飲んでいる読者様、大変申し訳ありませんでした。あなた方はコップ一杯で大丈夫です」


「普通のコップで水を飲む読者様は二杯飲んだほうがいいですよ。逆に小さいコップを使っているようなら、三杯必要になりそうですね」


「まあ、ここら辺の調整は、一度計ってみてください。コップの大きさや形はそれぞれ違いますから」


「『いちいち計っていられるか』という物臭な読者様は毎朝500mlのペットボトルを飲めばいいのです。一番楽です」


「そしてこまめな水分補給を忘れないようにしましょう。朝に2lの水を飲んだから、その日の水分補給は大丈夫、とはなりません。最低でも1時間に一度はコップ一杯程度の水分補給はしたほうがいいです」


「水の飲み溜めはできませんよ」


「こまめな水分補給をオススメした所で今回のまとめです」


「大学生に絶食をしてもらって、脱水状態になってもらったよ」


「その後に、水を飲んでもらって、脱水状態から回復するにはどのくらいの水を飲めばいいか調べたよ」


「すると、水を100ml飲んだ場合は、喉の乾きや気分が改善することはなかったよ」


「水を200ml飲んだ場合は、喉の乾きや気分が改善したよ」


「水を500ml飲んだ場合は、喉の乾きや気分が改善する他、認知機能も改善したよ。脳の働きを最善の状態にするには500mlの水が必要だよ」


「読者様も喉の乾きを感じたら、水を500ml飲むことをオススメするよ」


「先行研究でも、子供を対象にした実験では750mlの水分補給でワーキングメモリが改善した、との報告があります」


「他にも成人を対象にした実験では、汗をかいた後に300mlの水分補給でワーキングメモリが改善しました」


「水分補給で能力が改善するのは間違いないみたいです」


「ちなみに体内の水分が2%減るだけでも、喉が乾き始めて運動能力が落ちます。これが3%になると、強い喉の乾きになり、頭がボーッとなります。5%ともなると疲労感、めまい、頭痛などの症状が出ます」


「10%になると意識を失い、20%になると死亡します。脱水というのは危険ですから、こまめな水分補給を忘れないでくださいね」


「集中しているとついつい水を飲み忘れることがあります。効率が落ちますので、落ち着いたら水を飲む癖をつけるといいですよ」


「ということで、今回は『脱水状態から回復するには水をどれくらい飲まないといけないのか?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『嫌な奴は出世できないぜ』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Different Amounts of Water Supplementation Improved Cognitive Performance and Mood among Young Adults after 12 h Water Restriction in Baoding, China: A Randomized Controlled Trial (RCT)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る