206_反栄養素は別に気にしなくていい #食べ物 #健康

「フランスの作家ジャン・ド・ラ・ブリュイエールは『知性もあらゆるものと同じく消耗する。学問はその栄養である。知性を養い、かつそれを消耗する』と残しています。一度知識が身に付いていても、油断すると失っていますよ」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『反栄養素は別に気にしなくていい』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は反栄養素という言葉をご存じでしょうか?」


「栄養というのは生きていく上で必須の要素です。ですが、そんな栄養素の中には、食べ物の栄養の吸収を阻害する栄養素が存在するのです。それが、反栄養素です」


「カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などは特に吸収を阻害されることが多いです」


「どうしてこのような物質が存在するのかと言いますと、生物の防衛本能が関係しています」


「読者様も子供の頃に植物を口に入れた経験はありませんか? その時、苦味やえぐみを感じませんでしたか?」


「こんなん食べられるかっ! と吐き出しませんでしたか?」


「つまりですね、植物は反栄養素を持つことで他の動物に食べられにくくしているのです。植物は身を守るために反栄養素を持っているのです」


「他にも、吸収されないことにはメリットがあります。それは、種子をより広範囲に広げるためです」


「動物が種子を食べても、胃や腸で吸収されなければ、そのまま糞として排便されます。新たな地で芽吹くためにも反栄養素は活躍しているのです」


「植物の生存戦略の結果、反栄養素を持つに至ったのです」


「面白いですよね。あらゆる生物は、あらゆる方法を駆使して自分たちの種の版図を広げているのです」


「ですので、こう思いませんか? 『わざわざ反栄養素を摂る必要はない』と」


「昔の研究でも栄養の吸収を阻害するので、反栄養素は不要という結果も多かったのです」


「ですが、科学の結論が覆ることは往々にしてあります」


「たとえば、食物繊維です。食物繊維も昔は腸で栄養を吸収する余計な物質と考えられていました」


「今では考えられませんが、食物繊維だって昔は悪者だったのです」


「食物繊維のような例がありますので、一概に反栄養素が『悪』ということもないのです」


「むしろ、反栄養素にも健康のメリットがある、と栄養学の専門家は語っています」


「なので、今回は反栄養素のメリットについてお話ししたいと思います」


「オクラホマ州立大学の栄養学の研究者は、健康のメリットがある反栄養素を5つ挙げています」


「サポニン、レクチン、タンニン、フィチン酸塩、グルコシノレートの5つです。では、それぞれの具体的なメリットについてお話しします」


「サポニンはマメ科の植物に多く見られる物質で、コレステロールの吸収を阻害します」


「一方で、免疫力を高めてくれます。ガンのリスクを下げたり、血糖値を下げる働きもあります」


「それだけでなく、腎臓結石、心臓病、脳卒中のリスクを下げてくれます」


「豆をもっと食べましょうね」


「二つ目のレクチンはカルシウム、鉄、リン、亜鉛の吸収を阻害しますが心血管疾患、糖尿病、一部のガン、肥満を防いでくれます」


「レクチンを多く含む食材は、玄米、パン、パスタ、蕎麦、ジャガイモなどの穀物に含まれています。また、豆類にも含まれています」


「三つ目のタンニンはお茶に含まれています。他にもコーヒー、加工肉、チーズにも含まれています。タンニンは鉄の吸収を阻害します」


「バクテリア、ウイルス、真菌、酵母の増殖を抑制する働きがあります。そのため、コレステロールと血圧を下げる効果があります」


「続いてフィチン酸塩は、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムの吸収を阻害します。ですが、当然メリットもあります」


「免疫力を高めてくれて、ガンの成長に対抗してくれます。いわゆる抗ガン作用が期待できます。ガンだけでなく炎症にも効きます」


「小麦、大麦、米、トウモロコシなどの主食に多く含まれています」


「最後のグルコシノレートはアブラナ科の野菜に多く含まれています。キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワーなどが代表的です」


「ヨウ素の吸収を阻害しますが、フィチン酸塩と同じく抗ガン作用が期待できます」


「反栄養素に栄養の吸収を阻害する効果があるのは確かです。ですが、メリットとデメリットを比較するとメリットのほうが大きいです」


「ですので、読者様は反栄養素を怖がらずに野菜、果物、穀物、豆などを食べてください」


「反栄養素が反旗を翻すのは食べすぎた場合です。食べすぎるにしても、著しく大量に摂取した場合に限ります」


「普通に生活していたら、考える必要もありません」


「ヴィーガンのような、偏った食事をしていなければ問題ありません」


「『ヴィーガンだよ、どうしよう』という読者様のためにアドバイスです。鉄分や亜鉛を含む食材とビタミンCを多く含む食材を組み合わせて食べましょう。野菜で作ったミートボールにトマトソースを合わせるといいです」


「他にも、牛乳を飲むのもいいですよ。それでも心配な場合はマルチビタミンのサプリをオススメしています。ただし、医師と相談の上でお願いします」


「また、反栄養素は調理の過程で減らすことも可能です。レクチン、タンニン、フィチン酸塩は水に浸けていると溶け出します」


「穀物を12時間水に浸すと大幅に減少します。豆類は6~18時間水に浸すと、フィチン酸塩を9%、レクチンを38%~50%、タンニンを13%~25%減らすことができます」


「他にも発酵させたり、沸騰したお湯で茹でることでも反栄養素を減らすことができます」


「もし、反栄養素が気になる読者様がいらっしゃいましたら、お試しください」


「何だかんだ言っていますが、バランスのいい食事をしていたら気にしなくていい、っていう所で、今回のまとめです」


「栄養学の専門家が反栄養素について教えてくれたよ」


「代表的な反栄養素はサポニン、レクチン、タンニン、フィチン酸塩、グルコシノレートだけど、これらを摂取しても問題ないよ。むしろ、健康のメリットを享受できるよ」


「反栄養素を含むからって、食べるのを控える必要はないよ。食べすぎなければ問題ないよ」


「それでも、気になる場合は反栄養素を減らす方法を試すといいよ」


「結局、極端なことをするのが、よくないのです。程ほどにしていれば、いいのです」


「ですので、読者様も過度に怯えたり、健康に固執するのはやめたほうがいいですよ」


「人生、バランスが一番!」


「ということで、今回は『反栄養素は別に気にしなくていい』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『脱水状態から回復するには水をどれくらい飲まないといけないのか?』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Anti-nutrients – they're part of a normal diet and not as scary as they sound

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る