208_嫌な奴は出世できないぜ #ビジネス #出世
「チベット仏教の宗教指導者サキャ・パンディタ・クンガ・ギェンツェンは『知識があっても、性格の悪い者は捨てる。毒蛇の頭に宝石があっても、賢者は蛇を懐に抱くだろうか』と残しています。性格が悪いと切り捨てられるようです」
「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『嫌な奴は出世できないぜ』のお話をしますよ」
「では、よろしくお願いします」
「読者様の会社に嫌な性格の上司はいませんか?」
「え? 『いる』ですか、シンプルですね。なるほどなるほど」
「読者様も『そういう奴に限って出世が早い』と思ってたことはありませんか?」
「嫌な奴ほど出世する、という考えが頭の片隅にございませんか?」
「実は、この考えは日本独自の考えではなく。欧米にもあり、たびたび専門家の議論の対象になります」
「理由としましては、脅迫や強制によって、恐怖による支配が出世に繋がるという考えです」
「たとえば、チンパンジーやゴリラは強者に従います。遺伝的に似ているヒトにも同じ性質があっても、なんら不思議ではありません」
「ということで、カリフォルニア大学バークレー校の研究者が本当に嫌な奴は出世するのか? という疑問を研究してくれました」
「これで、本当に嫌な奴の出世が早かったらどうしましょう? 読者様も嫌な奴に転身しますか?」
「まあ、結果を聞いてからでも遅くないですね」
「それでは、本題です。研究者はMBAのコースを受講している学生を457人集めました。学生にはビッグファイブと呼ばれる性格診断テストを受けてもらいました」
「その後、実際に会社で出生しているのか確認しました。性格診断テストを受けてから最低でも10年の時を経てから、社会的地位を調べたのです」
「ちなみに嫌な奴の定義は、無神経、喧嘩腰、冷淡で利己的、に当てはまる人となります」
「さて、もう一度読者様に聞きます。嫌な性格の奴は普通の性格の人より出世スピードが早かったと思いますか?」
「結果は…………関係ありませんでした!」
「嫌な奴だから出世が早い、ということは全くありませんでした」
「よかったです。これで今の性格を捨てて嫌な性格になる必要はありません」
「逆に、嫌な性格だから出世が遅くなることもありません」
「そして、性別や人種でも関係がありませんでした。入社した会社が大きくても小さくても関係ありませんでした」
「研究者はですね、詳細を調べるためにさらに実験を行いました。内容は先の実験と同じです。MBAのコースを受講している学生214人を集めて、性格診断を行って、実際に会社で出世したのか調べました」
「結果はもちろん、同じです」
「追加の実験で分かったのは、出世に影響を与える性格です」
「研究によりますと、外向性があると診断された学生が他の学生より出世していました」
「外交的だと、知り合いや友達が増えます。同僚のアシストもあって、出世していたようです」
「読者様、出世したいなら外交的になりましょう。友達を増やしたらいいんですよ」
「嫌な性格の人は力のアピールは上手かったみたいです。支配的で攻撃的な言動が目立っていました。社内政治が上手という意味です」
「一方で、他人を認める行動は全然していませんでした。寛大さなどは全くありませんでした。協調性は皆無という意味です」
「能力的には出世する条件が整っていたのですが、他人を認めることができなかったため、プラスとマイナスが相殺されました」
「結果、出世スピードが可もなく不可もなくになりました。なんだかんだ見られているのですね」
「要するに、能力があるけど嫌な性格が足を引っ張っていたので出世できませんでした。残念!」
「嫌な奴が出世しているというのは錯覚です。声が大きいから目立っていただけみたいです」
「そして、読者様が嫌な性格をしているなら、改めましょう。性格を変えれば、出世スピードがアップしますよ」
「他にも学生時代にエネルギッシュだった人や物事を断定的に話す人も出世していました」
「何事も全力で挑んで、曖昧な態度を見せない姿勢も出生に影響するみたいです。こちらも気を付けておいてください」
「性格がいいに越したことがない、という所で今回のまとめです」
「研究者がMBAのコースを受講している学生を671人集めて、ビッグファイブを行ったよ」
「そして、時間を経て、実際に会社で出世したのか調べたよ」
「すると、嫌な性格の奴は取り立てて出生していなかったよ。逆に、出世が遅いこともなかったよ」
「どうにも、嫌な奴は能力のアピールが上手くて、成績はよかったよ。反面、寛大さがなく協調性がなかったよ」
「だから、プラスマイナスがゼロになって、出世が早くも遅くもなかったよ」
「出世に大切なのは外向性だよ。積極的に人に話しかけて仲良くなれば出世できるよ」
「能力も大事だけど、同僚のアシストもバカにならないみたい。友達は大切にしてね」
「ちなみに、権力を得る(出世する)ための方法は他にもあります」
「組織論者が言うには、政治です。会社内の政治が上手いと出世します。影響力がある人を抱き込むことで出世の近道を進むことができます」
「他にも、積極的な手助けが出世の道と考える学者もいます。他人を助けることで、自分が助けられるのです。情けは人のためならず、です」
「また、理論家の主張だと個人の能力のアピールが大事みたいです。自分にしかできない能力を知らしめることで、重要な地位を獲得できるとのこと」
「組織に必要不可欠な存在だと認識される人になりましょう」
「まあ、何が言いたいのかと言いますと、出世する方法は一つではない、ということです」
「読者様が嫌な性格でも出世スピードを上げることができます。自分にしかできないこと、人と人を繋げる力、いくらでも出世する方法はあります」
「逆に言えば、適切なことをしていなければ、いくら能力があっても出世できません」
「読者様が出世したいのなら、自分がどのような方法が適しているのか一度考えてみるといいかもしれませんね」
「私も影ながら読者様の出世を願っています。上司にこき使われるのは嫌ですよね。ならば出世しかありません」
「ということで、今回は『嫌な奴は出世できないぜ』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」
「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」
「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」
「次回の『イルカの仲間の識別方法』で、お会いしましょう!」
「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」
参考文献
People with disagreeable personalities (selfish, combative, and manipulative) do not have an advantage in pursuing power at work
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