203_外国語の発音が間違っていると不信感を持たれるが、自信満々に話せば問題ない #言葉 #話術

「アメリカの物理学者リチャード・フィリップス・ファインマンは『知識が増えれば、もっと深く不思議な謎が姿を現し、ますますのめり込む。期待はずれの答えかもしれないなどと心配するな。楽しむ心と自信を持って新しい石を一つずつひっくり返していけば、そのたび想像もしなかったような奇妙なものが見つかり、もっと素晴らしい疑問が出てくる。間違いなく壮大な冒険だ』と残しています。知識を集めるのは最高の娯楽です!」


「ヤッホー、利口な読者様。読むだけで人生がいい感じになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『外国語の発音が間違っていると不信感を持たれるが、自信満々に話せば問題ない』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は英語を話しますか?」


「もしくは、母国語以外の言語を使うことがありますか?」


「え? 『英語は全然できない』ですか。大丈夫です。近年の翻訳機の性能の進歩は著しいです。話せなくても何とかなりますよ」


「ということで今回は翻訳機の進歩について…………話しません!」


「今回お話ししたいのは、外国語の発音と信頼性についてです。翻訳機の歴史を知りたい方は、ごめんなさい。自分で調べてください、てへぺろ」


「研究者が何を調べたのかと言いますと、外国語の発音で話すと不信感を与える、というものです」


「カナダのマギル大学は、英語が母国語の参加者に、英語が母国語ではない人のスピーチを聞かせて、スピーチの内容を信じるのか実験しました」


「出身地によって言葉のアクセントは大きく異なります。そのため外国語を話すとアクセントが違うことが多々あります」


「ここまでは読者様も納得でしょう。外国に行った時に自分の言葉が通じなかったり、外国人旅行者の日本語の発音が拙かったり、いくらでも経験があると思います」


「ですが、アクセントで相手に不信感を与えていることは知らないのではないでしょうか?」


「そこで、先程の実験です。英語を母国語とする話者と英語が母国語ではない話者にスピーチを行ってもらいました。スピーチの内容は『キリンとラクダは水を飲まない場合なら、キリンのほうが長生きする』という、適当なものです」


「スピーチを聞いた参加者が話の内容を信じたかどうかで、話者の信頼性を計ったのです」


「その結果、英語が母国語ではない話者のスピーチは不信感を持たれていました」


「発音のおかしいスピーチを聞くと、内容に関わらず疑われることが判明したのです」


「人にはバイアスがあります。そのため、自分の知っているアクセントと異なると不信感を抱くようです」


「人は異物を嫌います。発音の違いによって、敵として認定されます。敵の言葉に耳を貸す人はいません。ですので、スピーチの内容が信じてもらえなくなるのです」


「怖いですねぇ、発音が悪いと内容を吟味されなくなるのです。内容以前の問題に擦り変わるのです」


「読者様も外国人を相手にする際は気を付けてください。発音というハードルを越えなければ、信頼は得られませんよ」


「え? 『簡単に発音を直せたら苦労しない』ですか。そうですね、発音というのは一朝一夕では直りません。時間をかけて修正していくしかないでしょう」


「ですが、安心してください。発音が悪くても、相手に信じてもらう方法があるんです!」


「研究者はカナダの英語の話者に、カナダ訛りの英語、オーストラリア訛りの英語、フランス訛りの英語、それぞれを聞いてもらい反応を確認しました」


「案の定ですね、オーストラリア訛りとフランス訛りは不信感を抱かれました。発音の違いがもろに結果に反映されました」


「ちなみに、他の二つに比べるとましですが、カナダ訛りでも不信感は抱かれました。同じ国の国民でも、訛りがあると不信感を抱くようです」


「日本にも、標準語と方言があります。読者様も自分と違う地域で育った人を疑惑の目で見ていませんか?」


「関西以外の出身者が『なんでやねん!』と言って、発音が違うと頭を叩かれている姿を見たことはありませんか?」


「転校生が受け入れられてない姿を見たことはありませんか?」


「セールスマンに声をかけられて、胡散臭いと思ったことはありませんか?」


「これらは、実は発音の違いで起きていたのです!」


「発音が違うという異物を排除するための、人に備わった防衛反応が出てきた結果だったのです」


「つまり、どうしようもないのです。時間をかけて、信頼感系をゆっくり構築していくしかないのです。残念!」


「なんて、結論では終わりません」


「実験では、それぞれの国の訛りで話す以外に、自信たっぷりに話す、普通に話す、おずおず話す、の3種類のパターンでも話してもらっていました」


「すると、面白いことに、自信たっぷりで話していたら信頼されていたのです!」


「もちろん、発音に訛りが含まれていました」


「たとえ、訛りがあって発音がおかしくても、自信たっぷりに話さえすれば、相手に信頼されるのです」


「同じ日本人でも、相手が自信満々かもじもじしているかの二択なら、自信満々な人を信じますよね。それが、外国語の場合でも同じだった、ということです」


「外国語を話す際は、発音を直すのも大事ですが、自信たっぷりに話すことも大事です」


「読者様が外国人に信頼されたければ、自信満々に話すことをオススメします。頑張って自信をつけましょう」


「今後は袖にされることもなくなりますよ」


「読者様の輝かしい未来を願った所で、今回のまとめです」


「外国語を話す際、発音が間違っていると相手に不信感を与えるぞ」


「でも、自信たっぷりに話すと、信頼されるぞ」


「外国語を話すなら、発音を直すと同時に自信もつけようね」


「世界中で英語を話せる人は15億人います。ですが、その内の7割は第二言語として英語を話しています」


「英語を話す人は多いですが、その分発音が違っている人も多いです。ですので、あんまり発音のことは気にしなくていいかもしれませんね」


「大事なのは自信です。堂々としていれば、何とかなるものですよ」


「私も英語の発音は全然ダメなので、少なくとも自信はつけていきたいです」


「ということで、今回は『外国語の発音が間違っていると不信感を持たれるが、自信満々に話せば問題ない』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「お付き合いいただき、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『一週間に120分自然の中で過ごすといいことあるよ』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でお待ちしております。さようなら」



参考文献

Neural architecture underlying person perception from in-group and out-group voices

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