202_こまめな休憩がスキルの上達には必須 #スキル #練習

「ハンガリー出身の精神科医トマス・サズは『知識というものは、学んで手に入れるもの。信頼は疑いによって、技術は練習によって、そして、愛情は愛情によって獲得するものである』と言っています。得たいものによって手段を変えるのは当然ですね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『こまめな休憩がスキルの上達には必須』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は新しい技術を身に付けようと思った時、どのようなことに気を付けていますか?」


「正確に真似するようにしていますか? 正確にすることより、早くすることのほうが大事ですか? それとも、練習、練習、練習、とにかく量をこなしますか?」


「おそらく、どの行いも効果はあると思います。ですが、本当に大事なことは違います」


「以前にも"018_少しの変化でスキル上達が倍速になる"や"120_ロボットから褒められると成績が上がる"で、スキルを向上させる方法を紹介しました」


「ですが、今回はまた違った方法を紹介したいと思います」


「今回は新しい技術を身に付けるのに大切なことをお話ししたいと思います!」


「今回の研究はアメリカ国立衛生研究所のものとなります。どうぞ、よろしくお願いします」


「研究者は平均年齢26歳の右利きの27人を集めました。被験者には画面に表示された指示に従ってキーを押す、というタイピングを行ってもらいました」


「単にタイピングを行ってもらった訳ではありません。利き手とは反対の左手で行ってもらいました」


「タイピングの時間は10秒、そしてタイピングが終われば10秒の休憩時間が与えられました。この一連の流れを36回繰り返してもらいました。練習時間の合計が6分、休憩時間の合計が6分、実験にかかった時間は12分です」


「タイピングの正確性、タイピングの早さなどから、被験者のスキルが向上しているのか判断します」


「実験中は被験者の脳をfMRIを使ってスキャンしました。短時間の練習と短時間の休憩を交互に行って、被験者のスキルが向上するのか、被験者の脳に何が起こっているのか調べたのです」


「読者様はどう思いますか? 練習と休憩を交互に取ることは意味があると思いますか? それとも、休憩を取らずに練習を続けたほうがスキルは向上すると思いますか?」


「結果ですね…………新しい技術を身に付けるには、短時間の休憩を取ることが大事だと判明しました!」


「というのもですね、脳をスキャンした所、練習中よりも休憩中のほうが脳が活性化していたのです」


「驚きですよね。脳波が変化するのも練習中ではなく、休憩中だというのも判明しました。休憩中は集中している時に出るベータ波がよく表れていました」


「面白いですよね。休憩とは名ばかりだったのです」


「つまり、体が休憩している間に、脳が頑張って働いてくれていたのです」


「新しいスキルを身に付けるのには、練習ばっかりではダメなのです。休憩が必要だったのです」


「へえー、って感じですよね。一に練習、二に練習、三、四に練習、みたいなのはダメですよ。練習をしたら休憩、練習をしたら休憩がベストです」


「読者様もスキルを早く身に付けたい場合はこまめな休憩を取ってくださいね」


「え? 『休憩ばっかりしているとサボっていると思われる』ですか。そう思いたい人がいるなら、そう思わせたらいいのです。結果を見せつけてやれば、相手はぐうの音も言えませんよ」


「サボっているんじゃありません。休憩することで、スキルを身に付けているのです。読者様は堂々と休憩していいんです!」


「ですが、気を付けて欲しいことがあります。新しい技術を身に付ける初期の段階でしか効果がありません」


「実験では、練習と休憩のサイクルを36回してもらいました。しかし、被験者のパフォーマンスは11回くらいで最大に達していました。それ以降のスキルの向上はほとんど見られませんでした。横ばいに近い結果だったのです」


「今回の研究で判明したのは、本当にスキルを身に付ける初期の段階でしか通用しないのです。一定のレベルに達すると、休憩の効果は薄れるのです」


「とはいえ、休憩することが無駄かと言いますと、そんなことはありません。覚えた知識が定着するには休憩が必要なように、休憩は欠かせません」


「大事なのは、練習時間と休憩時間の配分です。練習の初期はこまめな休憩が大事ですが、スキルが身に付いてきたら練習時間を増やしましょう」


「これで最速最大で新しい技術がみにつきますよ。是非、頑張ってください。いえ、頑張らないで休憩してください」


「働いたら負け、という所で今回のまとめです」


「被験者を集めて、利き手とは反対の手でタイピングのスキルの練習をしてもらったよ」


「10秒練習したら、10秒休憩するサイクルを繰り返してもらって、どのような過程でスキルが身に付くのか調べたよ」


「すると、スキルが身に付くのは練習中じゃななくて、休憩中だというのが判明したよ」


「驚きだね」


「読者様も新しいことに挑戦する際は、こまめな休憩を取ってください。スキルの上達速度がアップしますよ」


「練習をずっと続けていますと飽きることがあります。同じ作業を続けるのは苦痛です」


「休憩によって、気分がリフレッシュされてることも考えられるようです」


「飽きたら、作業が雑になる、なんてことは日常茶飯事ですよね。ですので、飽きないためにも休憩は必要みたいです」


「休憩は長く続ける秘訣でもあったのです」


「ですので、読者様ももっと休んだほうがいいと思います。いっそのこと、バカンスにでも行きましょう!」


「…………ちょっと、飛躍しすぎましたかね?」


「ということで、今回は『こまめな休憩がスキルの上達には必須』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『外国語の発音が間違っていると不信感を持たれるが、自信満々に話せば問題ない』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

A Rapid Form of Offline Consolidation in Skill Learning

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