201_リラックス効果を高める光の使い方 #リラックス

「イギリスの聖職者トーマス・フラーは『知識の裏付けのない熱意は、光のない火のようなものだ』と言っています。エビデンスが大事なのは昔からなんですね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『リラックス効果を高める光の使い方』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は休憩する時にどのような部屋で休んでますか?」


「え? 『普通の部屋で休んでいる』ですか。それは、とてももったいないです」


「ちょっとした工夫をすることでストレスを緩和するスピードを劇的に早めることができます」


「つまり、休憩の効率をアップすることができるのです!」


「休憩に必要なのはストレスからの解放です。いかにしてストレスから早く解放されるかが休憩の肝です」


「なので、今回のお話を聞いて読者様は今後、休憩の効果を高めていただければ、と思います」


「では、早速お話を始めましょう。今回の研究はスペインのグラナダ大学のものとなります」


「研究者は12人の男女を集めました。年齢は18歳~37歳です」


「参加者には簡易的な脳波計をつけ、MIST(The Montreal Imaging Stress Tast)というものを受けてもらいました」


「MISTとは、被験者にプレッシャーを与えながら簡単な計算問題を解いてもらいます。要は被験者にストレスを与えるテストです。きちんとストレスレベルが上がるのが確認されているテストです」


「その後ですね、被験者を二つのグループに分けまして、休憩してもらいました」


「一つ目のグループは、青い照明の部屋で休憩をしてもらいました。かなり真っ青な部屋にしました。青の洞窟も真っ青な部屋です」


「二つ目のグループは対照群として、普通の白い照明の部屋で休憩してもらいました」


「部屋そのものは普通の部屋です。白い壁紙に海のポスターが貼っていて、クッションがある部屋です。至って普通です。違いは照明の色だけです」


「つまり、照明の色を青くしたら、ストレス解消になるのではないか? と考えたのです」


「結果は、最初に述べた通りです。ストレス解消が早まったのです!」


「そう、青色の照明にはストレスを軽減する効果があるのです」


「しかも、青色の照明の効果はちょっとやそっとではありませんよ」


「3倍です!」


「実に、青色の照明にはストレスを癒す効果が3倍もあったのです。3倍は赤色の専売特許じゃないんですよ」


「普通の部屋で休んだ被験者はストレスがなくなるまで平均3.5分かかりました」


「対して、青い部屋で休んだ被験者は1.1分でストレスがなくなったのです」


「この差はとても大きいです。ただ、照明の色を白から青に変えただけですよ」


「最近のLED照明には色を変える機能が搭載されています。読者様も簡単にストレスを減らせます」


「しかも、ほとんど(83%)の被験者が青色の照明で『いつもよりリラックスできた』と報告しています」


「脳波でも、気分の点でも、青色の照明にはリラックス効果があることが証明されたのです」


「ただですね、4分と越えると追加のメリットはないみたいです。青色の照明で休めるのは4分までです。それ以上は浴びても効果はありませんでした」


「あくまで短時間の休憩の際に、ストレスを一気に解消する手段として利用するのがいいみたいです。20分とか30分浴びても意味はないみたいですよ。気を付けてください」


「それに、今回の研究は小規模で行われました。被験者が12人とかなり少ないです。エビデンスとしては弱いことを覚えておいてください」


「ですが、学校の壁を青色にしたら、子供たちがリラックスできた、という研究もあります。また、行動障害を持つ人に対して青色の光を使うことで、症状が改善したとの報告もあります」


「青色にはリラックス効果があるのは間違いなさそうです。是非、読者様も休憩の際は青色の照明を点けましょう。3倍のリラックス効果が期待できますよ」


「まあ、青色の食品を見ると食欲を失う、というのは有名な話です。青色には何かしら気持ちを抑制する効果があるのかもしれませんね」


「青色には色々な効果がありそうだね、という所で今回のまとめです」


「少ないながらも被験者を集めて、ストレスのかかる状況を作り出したよ。その後に青色の照明の部屋で休憩してもらったよ」


「あら不思議、青色の部屋で休憩したらストレスが3倍の早さでなくなっていったよ。赤色じゃないのに3倍だったよ」


「それに、青色の部屋で休憩した被験者はリラックス効果を実感していたよ」


「青色の部屋で休むとリラックスできるよ。読者様も試してね」


「今後、色を変えられる照明の売り上げが大きく伸びるかもしれませんね」


「ただですね、今回の実験は被験者が少ないという事実以外にも気を付けなければならないことがあります」


「青色の照明で、メラトニンが抑制されたり、眠気が軽減したり、覚醒具合が強くなったり、とリラックスとは反対の効果も証明されています」


「色彩の実験は結果が二転三転することがよくあります。ですので、青色の照明でリラックス効果が感じられませんでしたら、すぐに止めることをオススメします」


「人によって効果は違います。試して、合わなかったら別の手段に切り替えましょう」


「たとえば、自然と触れ合うのがいいですよ」


「自然と触れ合うのが難しいのなら、自然の映像を流すのもいいです」


「ぶっちゃけ、青色の照明の効果より自然のほうが断然信頼できます」


「最後にいらないことを言ってしまいましたね。混乱させてしまったのなら申し訳ありません。不要だと思えば忘れてください」


「ということで、今回は『リラックス効果を高める光の使い方』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『こまめな休憩がスキルの上達には必須』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Blue lighting accelerates post-stress relaxation: Results of a preliminary study

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