198_効果音を考えると能力がアップする【口にしてもいいよ】 #能力

「アメリカの作家であるエルバート・ハバードは著書『ガルシアへの手紙』にて、『いつまでも無知のままでいたければ、きわめて簡単で効果のある方法がある。自分の取るに足らぬ意見と知識に満足していればよい』と、言っています。上を見なければいいのです」


「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『効果音を考えると能力がアップする』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様にはこれまで、数々のライフハックをお届けしました。そのため、読者様は昔に比べて遥かに成長していることでしょう」


「ですが、紹介した中には使いにくいもの、準備が必要なものもありました」


「準備がネックとなって、二の足を踏むこともあったでしょう」


「そこで、今回は脳内で完結するライフハックを紹介したいと思います。必要なのは頭だけです。これで、準備が大変とは言わせません!」


「今回ご紹介するのはフランスのリヨン大学が行ったものです」


「研究者は114人の学生を集めて、垂直跳びをしてもらいました」


「その場で足を曲げて、真上に飛ぶ。そしてジャンプした距離を計る競技です。読者様も学校で計測したこともあるでしょう」


「まずは、普通にトゥッって感じで飛んでもらい、基準値を算出しました」


「ここまでは実験の前段階です。さて、読者様に問題です。研究者は被験者に対して何をしてもらったでしょうか?」


「ヒントは頭の中で完結することです」


「その行為によって、被験者の垂直跳びの成績がアップしたのです。わかりますか?」


「正解は……ドゥルルルルル、ジャン! ジャンプと考えながら飛んでもらったのです!」


「ジャンプする時にジャンプと考えるだけで、より高く飛べることが判明したのです」


「面白いですよね。単にジャンプと考えるだで、ジャンプの成績が上がるのです」


「研究者は別の実験も行っています。ジャンプと考えるのではなく、ジャンプと意識させるだけでも効果があるのではないか? ということで、被験者の前にプロジェクターを使って『ジャンプ』と表示させました」


「被験者にジャンプと考えさせたのです」


「結果、やはりより高く飛べるようになっていました!」


「先の実験では、被験者にジャンプと考えてもらい意識させました。ですが、後の実験では、ジャンプを考えさせる指示はありませんでした」


「つまり、意識的だろうと無意識的だろうと、ジャンプする時にジャンプのことを考えたら、成績は上がるのです」


「ちなみに、音でも同じ効果が得られました。被験者に対して、ジャンプする時に音声を再生して、『ジャンプ』と聞かせた場合でも、垂直跳びの成績が上がったのです」


「いずれにせよ、ジャンプする時にジャンプのことを考えると成績が上がるのです」


「では、ジャンプする時にジャンプ以外のことを考えたらどうなるのか? 気になりませんか?」


「安心してください、ちゃんと実験を行っています」


「ジャンプと関係ありそうな『勝つ』『失う』『動く』などの言葉で確認しました」


「その結果…………特に変化がありませんでした」


「要するに、実際に行う行動と頭の中の言葉が一致した時、パフォーマンスの向上が見られたのです」


「いやはや、面白いですよね」


「今回の実験はジャンプで検証しました。ですが、他のことにも応用できそうですよね」


「たとえば、文章を書いている時に『書く』と思ったりしたら、執筆スピードが上がるかもしれません」


「他にも走る時に『走る』、アイデアを出す時に『アイデア』と考えたら、いいことがあるかもしれません。是非、試してみてください」


「失敗した所で、失うものはありません。試す分には損はないと思いますよ」


「直接的な表現が嫌な場合は変換するのもありです」


「たとえば、バットを振る時に『ブンッ』と擬音に変換するのもありです」


「実は、行動と一致した擬音を発するとパフォーマンスが上がることは先行研究で明らかになっています」


「ですので、『シュッ』『バコン』『ドカン』『サラサラ』『ヒュー』『ペタペタ』『シーン』『トウ』『ドンブラコドンブラコ』『シャカシャカ』『テクテク』『ムシャムシャ』『パクパク』『ゴクゴク』など、その場に合った擬音を覚えておきましょう」


「え? 『桃が流れてきてなかったか?』ですか。そんなことも、あるかもしれませんね。あんまり、気にしなくていいと思います」


「とにかく、擬音を覚えればパフォーマンスアップ間違いなしです」


「ただ、適切な言葉でなければ効果は得られません。常日頃から擬音については収集しておきましょう。ストックがないと、いざという時に使えませんよ」


「物を言うのは日頃の行い、という所で今回のまとめです」


「普通の大学生を集めて、垂直跳びをしてもらったよ」


「ジャンプの際に『ジャンプ』を意識させると、垂直跳びの成績が上がることが判明したよ」


「自分で口にするのもありだし、目で見て確認するのもありだし、誰かにいってもらうのもありだよ。とにかく、していることを意識するのが大事なんだよ」


「読者様も漠然と目の前の作業をするのではなく、目の前の作業をしていることを考えましょう。パフォーマンスが改善されますよ」


「考えるのは目の前のことに意識を集中しているということです。他のことに気が散らなくります。それが結果に反映されたと思います」


「頭の中で考えるだけなので、簡単に始められます。是非、読者様もお試しください」


「ということで、今回は『効果音を考えると能力がアップする』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『どうして「知らんぷり」するのですか?』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。ちゃんちゃん」



参考文献

Effect of Action Verbs on the Performance of a Complex Movement

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