197_ダイエットをする時に自分に厳しくするべきか? 甘くすべきか? #ダイエット

「人生はままなりません。『人間は安楽に満足して生きたいと思うが、自然は人間が安楽と無為の満足に甘んじさせず、労苦や労働に打ち克つ手段の発見に知恵をしぼらせようとして、労苦や労働の中に人間を放り込む』と、これはイマヌエル・カントの言葉です」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『ダイエットをする時に自分に厳しくするべきか? 甘くすべきか?』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は体重が気になりますか?」


「え? 『痩せたいと思っているけど、ダイエットがつらい』ですか。まあ、そんな読者様もいるでしょう」


「ちなみに私は普段から節制していますので、体重を気にかけたことがありません」


「私のことは横において、ダイエットの話です。読者様はダイエットをする際に、ルールをどの程度決めていますか?」


「とりあえず何でもいいから食べる量を減らしていますか? それとも、これは食べていい、これは食べてはダメ、と厳しい制約を自らに課していますか?」


「ルールが優しければ、ダイエットが長続きして、痩せそうですか? それとも、ダイエットはルールを厳しくしないと効果が出ないと思いますか? 一体どっちなんでしょうか?」


「ということで、アメリカのサウスフロリダ大学がダイエットに必要なのは優しいルールなのか、それとも厳しいルールなのかを調べてくれました」


「はい、拍手。これで読者様もダイエットに最適なルールを知ることができます。もう、太っているとは言わせません」


「では、本題です。研究者は平均年齢25歳の23人の男女を集めました。集められた被験者には基準がありまして、1年以上の筋トレの経験と週に2時間の筋トレをしていることが条件でした」


「つまり、普段から運動をしていて、太っていない人を集めたのです」


「それで、具体的に何をしてもらったのかと言いますと、体重を維持できるカロリーから25%少ない食事に変更してもらいました」


「期間は10週間です」


「ただし、厳しいルールの10週間と優しいルールの10週間の両方を行ってもらったので、ダイエットの期間は合計で20週間となります」


「厳しいルールの時には、食べられる食材が限定されていました。お肉でしたら鶏の胸肉や赤身肉、ブロッコリー、サツマイモ、ベリー、ナッツ、バナナなど、健康的な食材しか食べてはいけませんでした」


「かなり、食べられる食材に限りがありますので、食事を楽しみにしている人には厳しそうです。こんなに苦労しているのに痩せれなかったら最悪、ってくらいメニューは乏しいです」


「対して、優しいルールの場合、決められたのは摂取カロリーだけでした」


「ただ、カロリーさえ守っていればいい、というこもありません。どちらのグループもタンパク質の量は決まっていまして、体重1kgあたり2gのタンパク質を摂取するようにしました」


「タンパク質以外は炭水化物と脂質を摂るようにしてもらいました」


「要するに、タンパク質を多く摂りながらも体重維持に必要なカロリーより25%少なくした食事をしていました。厳しいルールの場合、そこに食べ物の制限が入る、ということです」


「さて読者様はどう考えますか?」


「どちらのグループも体重維持に必要なカロリーより少ない量しか食べていません。カロリーが足りないのでどちらも痩せると思いますか? それとも、自由に食べていたら、痩せるものも痩せないのでしょうか?」


「結果はと言うと…………両者に大きな差はありませんでした!」


「どういうことかと言いますと、どちらのグループも体重が同じくらい減っていたのです」


「具体的には、厳しいルールを課していた時は10週間で3kgの体重の減少が確認されました。対して優しいルールの時は、2.6kgの減少でした」


「他にも、脂肪量、体脂肪、基礎代謝なども二つのグループで有意な差は確認されませんでした」


「つまり、食べる量を減らせば痩せる! ということです」


「筋肉量についてもタンパク質が多い食事をしていたので、関係ありませんでした。食事量を減らしても、タンパク質を摂っていれば筋肉が減ることもないのです」


「いやはや、驚きの結果です。まさかどちらのグループも同じように痩せるとは思いもよりませんでした」


「カロリーを減らしているので、痩せることは想像できました。ですが、どちらのグループも同じように減っていたのは驚きです。差がなかったのですから」


「読者様もダイエットをする際は、食べる量さえ気を付けていれば痩せるのです!」


「何を食べるかは二の次です」


「もちろん、体重が減るからと言って、量が少なくても加工食品ばかり食べていれば健康に悪いです。今回の実験で確認されたのは、あくまで体重が減ることです。健康問題については別問題です」


「それに、今回の実験では体重維持に必要なカロリーから25%減らすように指示していましたが、実際に減らしていたのは約20%でした」


「人はカロリーを少なく見積もる傾向があります。ですので、読者様も思っているより多く食べている可能性が高いです。気を付けてください」


「バイアスがあるからダイエットって難しいんだよねぇ、という所で今回のまとめです」


「筋トレしている人たちを集めてカロリー制限をしてもらったよ」


「その際に、ルールを厳しく決めた場合とルールを大雑把にした場合の二つで検証したよ」


「すると、どちらのグループも同じくらい体重が減少していたよ。それに、脂肪や筋肉についても、差はなかったよ」


「つまり、どんな食事でも食べる量を減らしたら、痩せるよ。内容は二の次だよ」


「読者様もダイエットをする際は食べる量を減らすことから始めましょう」


「え? 『食べる量を減らしたら、お腹が空く』ですか? それも問題ありません」


「というのも被験者に空腹を感じたかどうか聞いた所、特に空腹感に変化はなかったそうです」


「また、食欲が増した、ということもありませんでした」


「なので、食事の量を減らしたからといって、特につらいと感じる要素はなかったのです!」


「読者様が太っているのは、ただの怠慢だったのです。残念」


「しかも、今回の実験は太っていない人を対象にしています。肥満の人が同じようにカロリー制限をしたら、大きな効果が期待できます」


「もし、お腹に脂肪がついている読者様がいましたら、カロリーを減らすことを考えましょう」


「スリムなほうがよくないですか?」


「ということで、今回は『ダイエットをする時に自分に厳しくするべきか? 甘くすべきか?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『効果音を考えると能力がアップする』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Flexible vs. rigid dieting in resistance-trained individuals seeking to optimize their physiques: A randomized controlled trial

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