193_恋人のシャツの匂いを嗅ぐとストレスに強くなる #恋愛 #ストレス

「ドイツの思想家フリードリヒ・ニーチェは著書『ツァラトゥストラはかく語りき』にて『世界における多くのものが悪臭を放っている。この事実のうちに、知恵が潜んでいる。吐き気が翼を創り出し、泉を求める力を生む』と語っています。臭いものには蓋をするばかりでは、新しい発見がないのかもしれません」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『恋人のシャツの匂いを嗅ぐとストレスに強くなる』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はストレスを感じてますか?」


「え? 『日々、ストレスを感じている』ですか。それは大変ですね」


「そんなストレスに疲れているであろう読者様に朗報です。とあるシャツの匂いを嗅ぐことでストレスを減らせることが判明しました」


「パチパチパチパチ、いやー素晴らしいですね。これで読者様もストレスとは、さようならできますよ」


「今回の研究を行ってくれたのはカナダのブリティッシュコロンビア大学です」


「研究者は96人の女性を集めてシャツの匂いを嗅いでもらいました」


「もちろん、単純にシャツの匂いを嗅いだわけではありませんよ」


「女性は3つのグループに振り分けられまして、それぞれ別のシャツの匂いを嗅ぎました」


「一つ目のグループは恋人が着用したシャツの匂いを嗅いでもらいました」


「男性は香水などをつけずにシャツを24時間着用してもらいました。他にも、匂いが移るようなタバコや食事も制限されていました」


「純粋に男性の汗の匂いをシャツに染み込ませたのです」


「二つ目のグループは見知らぬ男性が着用したシャツの匂いを嗅いでもらいました」


「男性のシャツを着用する条件は一つ目のグループと同じです」


「そして、三つ目のグループは未使用のシャツの匂いを嗅いでもらいました」


「未使用ですので、体臭が移っていることはありません」


「で、どうして女性が匂いを嗅ぐのかと言いますと、男性に比べて嗅覚が鋭く敏感だからです。男性より女性のほうが嗅覚は優れているのですよ」


「被験者の女性をグループに振り分けたら、それぞれシャツの匂いを嗅いでもらいます。その後、ストレスを感じてもらうために、模擬面接や暗算のテストを実施しました」


「ストレスを高めてから、血中のコルチゾールの値を調べました。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれまして、ストレスレベルを計るのに最適です」


「要は、匂いを嗅いだ後に、ストレスを感じさせて、ストレスに強くなるのか調べたのです」


「さて、読者様に問題です。どのシャツの匂いを嗅いだ女性がストレスレベルが低かったでしょうか?」


「安心できる恋人の匂いでしょうか? それとも、見知らぬ男性の匂いでもストレスが軽減するのでしょうか? 匂いはダメ、未使用一択でしょうか?」


「って、さすがにこの問題は簡単すぎますかね?」


「ということで正解は、恋人のシャツの匂いを嗅いだグループのストレスレベルが低かったです」


「さらに面白いことに、恋人の匂いだと判別できた女性は、判別できなかった女性よりストレスレベルが低かったのです」


「恋人だと判別できなくても、恋人の匂いを嗅ぐだけでストレスレベルは下がります。ですが、恋人の匂いだと判別できたら、もっとストレスレベルが下がるのです。面白いですね」


「一方で、見知らぬ男性のシャツの匂いを嗅いだ女性は、ストレスレベルが高くなっていました」


「人というのは知らない人を恐れます。女性は特に見知らぬ男性に恐怖を覚えます。それは体臭でも同じです。なので、知らない男性の匂いを嗅ぐと恐怖を覚えて、ストレスを感じてしまうのです」


「いやはや、本当に面白い結果です。女性は匂いを頭で判別できなくても、体では判別できているようです」


「恋人の匂いを嗅ぐと安心して、知らない男性の匂いを嗅ぐと恐怖を覚える、という至極真っ当な結論だったのです」


「つまり、恋人がいる女性は男性の匂いが染み付いたシャツを持っていると、いつでもどこでもストレスレベルを下げることが可能なんです」


「大事な試験の前であったり、会社の重要な会議の前に恋人の匂いを嗅ぐとプレッシャーをはね除けられるかもしれません。是非、お試しください」


「逆に、見知らぬ男性の匂いを嗅ごうものなら、ストレスに感じてしまいます。変な匂いを嗅がないことも重要です。お忘れなくお願いします」


「まあ、残念なことに今回のテクニックは恋人がいる人に限定されてしまいます。独り身の私は使えないテクニックです。残念」


「恋人がいない人は恋人を作ることから始めないと使えねぇ、という所で今回のまとめです」


「女性を集めて、恋人か見知らぬ男性の匂いが染み付いたシャツの匂いを嗅いでもらったよ」


「すると、恋人のシャツの匂いを嗅いだ女性のストレスレベルが下がったよ。それに、恋人の匂いだと判別できていると、もっとストレスが下がったよ」


「逆に、見知らぬ男性の匂いを嗅いだ女性はストレスレベルが高くなったよ」


「恋人の匂いは安心するけど、見知らぬ男性の匂いは恐怖の対象だよ。覚えておいてね」


「今回の研究は嗅覚が鋭い女性を対象に行われました。ですので、男性が女性の匂いを嗅いだ時に同じことが起こるのかは不明です」


「ですが、恋人の匂いを嗅いで安心するのは男性も女性も共通すると私は考えます」


「男性の読者様も恋人の匂いを嗅いで安らかな気持ちになった経験があるはずです」


「ですので、男性の読者様も恋人の匂いが染み付いたシャツを借りましょう。そして、ストレスに備えるのです」


「ただ、人前でシャツの匂いを『クンカクンカ』しないでくださいね。ただの変態です。警察に通報されます」


「私も読者様が警察のお世話になる姿は見たくありません。節度を持って、恋人の匂いを堪能ーーではなく、活用しましょう」


「ということで、今回は『恋人のシャツの匂いを嗅ぐとストレスに強くなる』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『方向音痴は育った街に影響される』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Olfactory cues from romantic partners and strangers influence women’s responses to stress.

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