189_【たった一言?】グループが上手くいく秘訣が判明しました #言葉 #人間関係
「共和政ローマ末期の政治家マルクス・トゥッリウス・キケロは著書『国家について』の中で『知恵は、できるだけ多数の者に命令し、快楽を味わい、力に溢れ、統治し、支配するよう命じている。他方正義は、あらゆる物をいたわり、人類のためをはかり、各人に当然受けるべきものを与え、神聖なもの、公共のもの、他人のものに手を触れないよう教えている』と、知恵と正義についての持論を展開しています」
「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『グループが上手くいく秘訣が判明しました』のお話をしますよ」
「では、よろしくお願いします」
「大半の読者様はチームを組んだり、同僚と一緒に仕事や作業を進めていると思います。では、聞きます」
「読者様はチームのみんなが協力するには何が必要だと思いますか?」
「ずばり、何をすればみんなが協力的になってくれると思いますか?」
「今回はちょっとしたことを言うだけで、みんなが協力的になってくれる魔法の言葉を紹介します」
「これで、読者様のチームは安泰です」
「それでは本題です。今回の研究はロンドン大学クイーンメアリー校などが行ってくれました」
「経済学の世界では、囚人のジレンマや公共財ゲームと呼ばれる実験があります。これらの実験によって集団における意思決定を研究しています」
「ということで研究者は公共財ゲームを通じて、チーム全員がどのような条件なら協力してくれるのかを調べました」
「公共財ゲームとは、複数のプレイヤーで行うゲームです。プレイヤーはお金を持っていて、自分の持っているお金を公共のポットにいくらか投入することができます。自分の投入した金額は他のプレイヤーには知らされません」
「この時、公共のポットに投入された金額は増えて返ってきます。ただし、金額はすべてのプレイヤーに均等に分配されます」
「具体的に説明しましょう。5人の参加者で公共財ゲームをプレイしたとします。公共ポットに投入された金額は1.5倍になるとします」
「各自が1000円ずつ所持している場合、すべてのプレイヤーが全額ポットに投入したら、合計は5000円になります。1.5倍になるので7500円です。均等に分配されますので、一人当たり1500円になります。全員500円得してハッピーになります」
「ですが、一人だけ裏切りものがいるとします。4人は全額投入して、一人は1円もポットに投入しないとします。すると、ポットの金額は4000円、1.5倍になって6000円になります」
「6000円を5人で分配すると、一人当たり1200円です。全額投入した4人は200円得しますが、お金を投入しなかった一人は元々所持していた1000円と返ってきた1200円を合わせて、2200円所持することになります」
「つまり、裏切ったほうが得なんです!」
「全員の利益を考えるのか、それとも自分の利益だけを考えるのか調べるゲームでもあるのです」
「今回の実験ではどのようなことをしたら、みんながみんなのことを考えて行動するのか調べたのです」
「研究者は90人の被験者を集めて、5人ずつのチームを18個作りました」
「ゲームをする際に3種類の条件を設けて、いずれかの条件の元、ゲームをプレイしてもらいました」
「一つ目の条件は、投入した金額を言わなければなりません。ですが、実際に投入した金額と違った金額を言うことも可能です。嘘がOKなんです」
「二つ目の条件は、実際に投入した金額が明かされます。嘘をつくのは不可能です」
「三つ目の条件は、投入した金額が明かされません。どのプレイヤーがいくら持っているかは不明です」
「ポットへの金額の投入は2回行われますが、1回目の投入の際には特に話し合いはなく自分の意思で金額を決めます」
「その後、割り振られた条件に従って、金額の開示、もしくは非開示が行われます」
「2回目の投入の前に話し合いの機会を設けてます。それぞれの意見を交わした後に、2回目の金額の投入が行われます」
「要は、1回目の投入の情報の開示があるかないかで、2回目に投入する金額に違いが出るのか調べたのです」
「さて、読者様はどう考えますか?」
「他のプレイヤーの情報がある場合と、ない場合で行動は変化すると思いますか?」
「もし変化するなら、どのように変化すると思いますか?」
「情報があると協力的になるのでしょうか? それとも、協力を拒むのでしょうか?」
「情報がなければ、自分の行いもバレません。やはり、協力を拒否することになるのでしょうか?」
「さて結果ですが、情報がある場合のほうが投入する金額が増えることが判明しました!」
「まあ、当然と言えば当然かもしれません」
「情報が開示された時、自分だけ金額が低いと裏切り者と思われてしまいます。後ろ指を指されないためにも、多く投入する可能性は考えられます」
「特にですね、話し合いの際に具体的に次に投入する金額を宣言するプレイヤーがいると、他のプレイヤーも協力的になることが明らかとなっています」
「一方で『次はたくさん投入します』と、金額をあやふやにしていると協力は得られません。『次は1000円投入します』と、具体的な内容なら他のプレイヤーは協力してくれていました」
「言葉を濁していると、その人は本当に言ったことを実行するのか、と不信感が募ります。対して、具体的な宣言があると、この人は信頼できる、と思われました」
「結果として、連帯感が生まれて、チームの結束力が高まったのです!」
「またですね、自分が宣言する以外にも、他のメンバーに具体的にいくら投入するか聞いても結束力を高められます」
「とにもかくにも、具体的な内容が大事みたいです」
「読者様もチームの仲間に非協力的な人がいるなら、まずは自分が何をするか宣言してください。協力してくれるようになります」
「宣言でもダメな場合は、具体的に何をするのか聞いてください。チームの仲間に宣言させることも大事です」
「目標を宣言することをパブリックコミットメントと言います。目標を達成できないと恥をかくことになりますので、頑張ってくれます」
「パブリックコミットメントもありますので、他の人に具体的な内容を聞くことが有効なんでしょう」
「要は、他人の視線が気になるから、自分勝手な行動は控える、ということです」
「恥ずかしい思いや、仲間外れにされたくないのが人なんだよ、というところで今回のまとめです」
「研究者は90人を集めて公共財ゲームをプレイしてもらったよ」
「プレイの際に条件を設けたよ。それは、情報の開示があるかないか、だよ」
「結果、情報の開示があるとみんな協力的になったよ。しかも、誰かが次にする行動を具体的に宣言すると、他のみんなが協力してくれる確率が高まったよ」
「チームの結束力を高めるのは具体的な内容の宣言だったよ!」
「誰かに次に何をするのか具体的に聞くのも有効だよ」
「読者様も新しいプロジェクトに参加する際は自分がすることを口に出しましょう。それだけで、チームの結束力が高まります」
「チームの雰囲気がよくなれば、仕事もスムーズに進みます。たった一言で済みますので、是非お試しください」
「こういった、ちょっとした積み重ねがいいチームを作る条件なんでしょうね」
「私も見習いたいです」
「ということで、今回は『グループが上手くいく秘訣が判明しました』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」
「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」
「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」
「次回の『アカデミー賞を受賞すると余命が5年も延びる』で、お会いしましょう!」
「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」
参考文献
Verbal interaction in a social dilemma
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