187_嘘つきは大嘘つきの始まり #言葉 #話術
「宗教改革者であるマルティン・ルターは『一つの嘘を本当らしくするためには、いつも七つだけ嘘を必要とする』と残しています。嘘をつくのは大変ですね」
「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『嘘つきは大嘘つきの始まり』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は嘘をつきますか?」
「まあ、こんな質問をした所で、馬鹿正直に『嘘をつきます』と答える人はいないでしょう」
「ということで、今回は嘘についてのお話をしたいと思います」
「ちなみに、嘘をつきはじめるのは何歳頃だと思いますか?」
「実はですね、早い子供だと2歳で嘘をつき始めるんですよ。早いと思いませんか?」
「とはいえ、人が年がら年中嘘をついているのかと言いますと、そんなことはありません」
「アメリカで行われた研究によると、24時間以内に嘘をついてない人が約60%でした」
「さらに、嘘の半分は5%の被験者によってもたらされました」
「ほとんどの人は嘘をつかない、と言えるでしょう。極々一部の人がたくさん嘘をつくのです」
「しかも、嘘をついた理由を調査した所、真実を伝えると問題が起こる場合にのみ嘘をついていました」
「自分の保身であったり、利益を得るために嘘をつくというのはなかったのです」
「嘘をつくのは思いやりの結果だったのです!」
「どうですか? 意外でしたか? それとも、納得しましたか?」
「まあ、わざわざ嘘をついた所でメリットってないですよね。嘘をついていると、嘘がバレないように脳のリソースを割いてしまいます」
「パフォーマンスを最大限発揮できなくなります」
「それに、嘘がバレたら信用を失います。ですので、嘘をついてもメリットはありません」
「それでも、嘘をつく人はいます。なぜでしょうか?」
「ハーバード大学の研究者は被験者に嘘をついたらお金がもらえる、という実験を行いました」
「するとですね、お金がもらえるとしても嘘を言わず、真実を言う人がいました。一方で、嘘をつく人もいました」
「この実験では被験者にMRIをつけて、脳の活動を調査していたのですが、面白いことが判明しました」
「嘘をついた人は前頭葉の一部、複雑なことを考える部分が活性化していたのです」
「簡単に言いますと、真実を言うべきか、嘘をつくか、のどちからで迷っていたのです。天使と悪魔が戦って、嘘をつくことにしたのです」
「さらに調査を進めた結果ですね、嘘をつく人は元から嘘をつく人だと言うことも判明しました」
「研究者によると、嘘をつくのは自制心と関係しています」
「自制心が足りないので、お金の誘惑に抗えません。そのため、お金を得るために嘘をついた、ということです」
「つまり、嘘つきは我慢ができないのです!」
「意志薄弱なんです!」
「なんですが、意思が強い人でも嘘をつくことがあります」
「人が嘘をつくのは何も、その人の性格だけではないのです」
「では、どんな時に人は嘘をついてしまうのでしょうか?」
「読者様もご自身が嘘をついた経験を思い出すと、自ずと答えはわかると思います」
「そう、外的要因で人は嘘をつくのです」
「デューク大学の研究によると、人が嘘をつくのは、ストレスや倦怠感を感じた時、嘘つきを見た時に嘘をつくのです」
「読者様も経験があると思います。この後の予定がないのに、疲れているから飲み会の誘いを断ったことはありませんか?」
「嘘つきを見かけた時に、『あいつも嘘をついているから、自分も嘘をついていいや』と思ったことはありませんか?」
「嘘をつくつもりがなくても、外的要因で嘘をつくことはよくあるのです。しかも、嘘を罰しないと、嘘つきはどんどん嘘をつくようになるのです」
「おー、怖い怖い。嘘つきをほったらかしにすると調子に乗ります。嘘つきには厳しく対処しましょう」
「逆に、外的要因で嘘をつかなくなる場合もあります」
「たとえば、道徳を諭された後や周りの人に見られている時です」
「見られていると、嘘がバレるかもしれないから嘘をつくのをやめよう、と思ったことはありませんか?」
「外的要因は抑止力にもなるのです。使い方次第では、嘘をつかせることも、嘘をつかせないこともできるのです」
「研究者はさらに実験を行いました。嘘をついている時の脳がどのようになっているのか調べました」
「その結果ですね、人は嘘をついている時に扁桃体が活発になっていることを発見しました」
「扁桃体が活発になるのは、不安や恐怖などの感情が揺さぶられた時です」
「つまり、人は嘘をついている時に、嘘がバレないか不安になったり、嘘で相手を騙すことに罪悪感を覚えていたのです」
「嘘つきは嬉々として嘘をつくのではなく、不安に押し潰されながら嘘をつくのです」
「いやはや、嘘で罪悪感を覚えるのなら、嘘をつかないほうがいいですね。わざわざネガティブになることもありません」
「ですが、研究はここで終わりません。被験者に嘘をつかせて、お金を稼ぐゲームをプレイさせました」
「被験者にどんどん嘘をついてもらう環境を用意したのです。ひゅー、研究者のやることはおっかないです」
「研究者批判は横に置いて、被験者にどんどん嘘をつかせた所、被験者の扁桃体の活動は抑えられていきました」
「どういうことかと言いますと、被験者は嘘に慣れて、不安や恐怖を感じず、罪悪感も覚えなくなったのです」
「しかも、嘘をつく回数も多くなっていたのです」
「本来なら、恐怖や不安がやり過ぎないように行動を抑えてくれるのですが、扁桃体の活動が鈍くなったことでブレーキが壊れたのです」
「読者様も崖の端に向かって歩いている姿を思い浮かべてください。端まで来ると恐怖で足がすくみますよね。だからこそ、崖から落ちないように足が止まるのです」
「ですが、恐怖を感じないと、足は止まりません。ブレーキの壊れた車のように突き進みます」
「扁桃体にはブレーキの役割もあるのです。ですが、嘘をつき続けると扁桃体の活動は鈍くなります。当然、ブレーキとしても役割はこなせません」
「要は、嘘をついていると、どんどん嘘をつくようになるのです」
「最初は小さな嘘でも、次第に大きな嘘になります。一度悪魔に屈すると、悪魔はどんどんレベルアップするのです」
「最終的には、滅茶苦茶な嘘でも平然と言ってのけるようになるのです!」
「嘘つきは泥棒の始まり、と言いますが、実際は違います。嘘つきは大嘘つきの始まりなんです!」
「読者様も嘘をつかないほうがいいですよ。最初は小さな嘘でも、次第に大きな嘘になっていきます」
「これくらいで大丈夫なら、次はこれくらいでも大丈夫。という感じに次第に嘘の規模が大きくなります」
「いつしか、取り返しがつかなくなります。嘘で身を滅ぼさないためにも、嘘は止めましょう」
「嘘って怖いんだよ、という所で今回のまとめです」
「嘘を研究したら、24時間以内に嘘をついてない人は60%いたよ」
「でも、嘘をついた人の5%がすべての嘘の半分を占めていたよ。やむを得ず嘘をつく場合でも、真実を伝えると問題になる場合だけだったよ」
「嘘は思いやりなんだよ」
「でも、嘘をつくのは外的要因の影響も大きいよ」
「ストレスや倦怠感がある時は嘘をつきやすいよ」
「さらに、嘘をついていると扁桃体が活性化して、不安や恐怖を感じていることも分かったよ。でも、嘘をつき続けていると扁桃体の活動も鈍くなっていたよ」
「つまり、嘘をついていると、どんどん嘘をつくようになるよ」
「嘘が嘘を呼ぶ、悪循環だよ」
「とにもかくにも、嘘をつくメリットはありません。賢明なる読者様は嘘をつかないでくださいね。信用を失いますよ」
「嘘は百害あって一利なし!」
「ということで、今回は『嘘つきは大嘘つきの始まり』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」
「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」
「それでは、次回の『腹が減っている時に決断するとミスするぞ』で、またお会いしましょう。バイバーイ」
参考文献
Why liars lie: What science tells us about deception
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