179_幸せな音楽を聴くとアイデアが閃きやすくなる #アイデア

「視覚と聴覚の重複障害者であったヘレン・ケラーは『幸せとは、視野の広い深遠な知識をもつことです。その知識とは、嘘と真実、低俗なものと高尚なものを見分ける力です』と残しています。幸せに目と耳は必要ありません」


「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『幸せな音楽を聴くとアイデアが閃きやすくなる』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はアイデアマンになれましたか?」


「以前にもアイデアを閃く話をしたと思いますが、アイデアが降って湧く経験は増えていますでしょうか?」


「え? 『実感がない』ですか。それは申し訳ありません」


「それでは、今回は特定の音楽とアイデアの関係についてお話ししたいと思います」


「どうやら、特定の音楽を聞くことでアイデアが閃きやすくなることが判明しました!」


「今度こそ、読者様にはアイデアマンになってもらいたいと思います」


「アイデアを閃く方法はいくつかお話ししていますので、いずれかの方法がマッチすることでしょう」


「それでは本題です。今回の研究はオランダのラドバウド大学が調べてくれました」


「研究者はラドバウド大学の学生を155人集めて、音楽を聞かせた後に創造性を計るテストを行いました」


「音楽は感情価と覚醒度の異なるものから4種類が選ばれました。穏やかな音楽、幸せな音楽、悲しい音楽、不安な音楽の4種類です」


「具体的にどのような音楽が選択されたのか説明します」


「まずは、穏やかな音楽です。ポジティブかつ覚醒度が低い音楽です。楽曲はカミーユ・サンサーンスの『白鳥』です」


「続いて、幸せな音楽。ポジティブかつ覚醒度の高い音楽です。楽曲はアントニオ・ヴィヴァルディの四季の中の『春』です」


「悲しい音楽はネガティブかつ覚醒度の低いものでした。楽曲はサミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』です」


「最後は不安な音楽です。ネガティブかつ覚醒度の高い音楽です。楽曲はグスターブ・ホルストの『火星、戦争をもたらす者』です」


「また、対照群として音楽を聞かないグループもありました」


「被験者は音楽を聞いた後、思考力に関するテストを行って、音楽による影響を調べました」


「思考力のテストは2種類ありまして、一つ目は収束的思考です。既存の情報から論理的かつ正確に思考して、答えに辿り着く方法です。論理的な考えと言っていいでしょう」


「もう一つは、拡散的思考です。既存の情報を元に発想を膨らませて、新しい発見や新しい考えを生み出す思考法です。突飛なアイデアや斬新なアイデアを生み出すために必要です」


「まあ、とやかく言いましたが、いろんな音楽を聞かせて、創造性が発揮されるか調べた、という話です」


「さて、読者様に質問です。4種類のうち、どの音楽を聞いた場合に、アイデアが浮かぶようになったでしょーか?」


「穏やかな音楽を聞いて、リラックスしたらアイデアが浮かぶのでしょうか?」


「幸せな音楽を聞いて気分が上がれば、アイデアが降ってくるのでしょうか?」


「悲しい音楽を聞いて胸が締め付けられる思いをするとアイデアが生まれるのでしょうか?」


「不安な音楽を聞いて、不安な状況から抜け出すためにアイデアを作り出すのでしょうか?」


「一体、どれが正解のなのでしょうか?」


「考えましたか? それでは正解発表です」


「まずですね、収束的思考については、音楽に聞くことによる効果はありませんでした」


「音楽を聞いていようがいまいが、論理的に考えている場合には影響がありませんでした」


「論理的な考えに必要なのは集中力です。音楽を聞いても集中力に変化がなかった、ということでしょう」


「では、拡散的思考ではどうなったのかと言いますと、ある音楽を聞いた場合に限り、創造性が高まっていたのです!」


「つまり、音楽によって普段よりアイデアが浮かぶようになったのです」


「その音楽とは…………幸せな音楽です!」


「他の穏やかな音楽、悲しい音楽、不安な音楽では、音楽を聞いていない場合と差はありませんでした」


「ですが、幸せな音楽だけは大幅に創造性のスコアがアップしていました」


「このことから、音楽を聞くことだけでは創造性があがらないことが分かります。同時に音楽の種類が大事なことも分かります」


「いやー、とてもいい結果です。だって、音楽を聞くだけで、アイデアマンになれるのです。とっても簡単です」


「読者様もこれからはスマホの音楽フォルダには幸せを感じる曲を入れておきましょう。アイデアが必要な時に聞きましょう」


「他にも企画会議の時に幸せな音楽をかけるのもいいかもしれません。出席者の創造性が高まって、普段では思い付かない画期的なアイデアが登場するかもしれません」


「音楽をかける手間なんて大した労力にはなりません。音楽一つでアイデアが浮かぶのなら、やらない手はないでしょう」


「研究者は被験者に気分を訪ねていました。ですが、気分に関係は見られませんでした」


「いい気分でも悪い気分でも、幸せな音楽は有効です」


「他にも音楽が好きかどうか? 音楽の経験があるか? の二つも質問されましたが、どちらも創造性には関係ありませんでした」


「つまり、誰でも幸せな音楽を聞いて効果を得られるのです! 気分や音楽の好き嫌いや経験に関係なく」


「本当に夢が広がる結果でした。ありがたや、ありがたや、と感謝を示した所で今回のまとめです」


「学生を集めて音楽を聞いてもらい、思考力のテストを行ったよ」


「すると、収束的思考では音楽による影響がないことが分かったよ」


「でも、拡散的思考では幸せな音楽を聞いた場合に限り、創造性が高まることが判明したよ」


「やったね、これで読者様も今日からアイデアマンだ!」


「以前にも”156_60%も多くアイデアを閃く方法があった”では歩くことがアイデアを閃く上では重要だと語りました」


「同時に、歩いている場合は集中力が必要な作業には向いていないこともお話ししています」


「集中力が必要な場合は、外部からの余計な刺激はないほうがいいのかもしれません」


「ですが、新しいアイデアが欲しい時は違います」


「アイデアが欲しい時は歩きながら、幸せな音楽を聞きましょう。二つの効果で、さらに斬新なアイデアが生まれるかもしれませんよ」


「でも、事故には気を付けてください。アイデアに気を取られて事故を起こしたら元も子もありません」


「アイデアを作るたびに、新しい怪我を作ることはないようにしてください」


「幸せな音楽を聞いているのに、不幸になるのはダメですよ」


「ということで、今回は『幸せな音楽を聴くとアイデアが閃きやすくなる』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『気持ちよく会話を終わらせるのは99%不可能』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Happy creativity: Listening to happy music facilitates divergent thinking

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